スバルNEWヤングSSS仕様!?

DADDY Motor Works(愛知)


空冷2気筒搭載のスバル360に
水冷4気筒&スーパーチャージャー
ENGINEを搭載してしまった!?

 

国民車として開発&販売されたスバル360だが、
その後に発売されたホンダN360が高性能車で、
それに押されて販売が伸び悩み、販売台数首位を明け渡した。
そこで、最終的には25馬力まで出力を上げたものの、
それだけでは心もとないと、EK32型をベースにした
36馬力仕様の『ヤングSS』というモデルを発表した。

軽自動車の黎明期に登場したスバル360や、ホンダのN360は、
その後、スバルR2、ホンダLife等へと引き継がれていくが、


今回紹介するのは、エンジンスワップの異色職人
「DADDY MOTOR WORKS」の
尾頭さんが手がける『赤帽スーパーチャージャー』

スバルサンバーのSPLバージョンともいえる
『赤帽スーパーチャージャー』は、配達用に開発されたエンジンで、
内容はよくわかっていないが、噂によると100馬力はある……ま、
それは嘘だろうが、660ccの排気量に、スーパーチャージャーを
ドッキングさせたもので、そいつを、超軽量のスバル360にスワップ。

言ってみれば、現代バージョンのスバルヤングSS
……いや、そいつにスーパーチャージャーが追加されてるわけだから、


『スバルNEWヤングSSS』とでも、
勝手に命名しておきましょうか(笑)

スバル360の車重は400kgちょっと、サンバーは800kg近くあるので、倍。
おまけにスーパーチャージャー仕様とくれば、尾頭さんの
「ウイリーするかも(笑)」というのも、あながちオーバーではない。

ただし、藤本が注目したのは、尾頭さんお得意のスワップだけではなく、
『エアコン装着』というポイントだった。
右のリヤフェンダー内に、コンデンサーをセットして、
室内には汎用の吹き出し装置をセットしているわけだが、
尾頭さんの話を聞いてみると……コンデンサーを自力で溶接しているという。

ウッヒャーッ!であります。

知ってる人は知ってると思いますが、コンデンサーコアは
溶接ではなくロウ付けで製作されているので、熱を加えすぎると
溶けてしまって、穴だらけになってしまうのだ。
そこのところを、絶妙に……サイドタンク等を作るというのだ。

いやあ、スゴイです。

ま、このスバル360改を製作するうえで、コンデンサーばかりではなく、
様々な部分で、非常に面倒な作業の連続だったことは、
尾頭さんの口から聞くまでもなく、推測できる。

まず、スペースがない、各部の強度がない、RR構造である……このあたりの、
条件をクリアしながら、寸法の大きい660ccエンジンにスーパーチャージャー、
そして、EXシステムに、エアコン、暖房と、てんこ盛りに装備を充実させている。

『赤帽』ならぬ『脱帽っ!』であります。


ま、そんなつまらないことを言ってるヒマはありません(笑)

 

しかしながら、ここまできて…………ナニか、忘れてる。

………………ナニか、大事なことを、忘れてる。

おおっ! そうでした。
スバル360って、2サイクルエンジンじゃないですか。
おまけに、空冷……でした。

で、ちょっとググってみました。

もともとのエンジンは、EK31型で、
強制空冷2ストロークの356ccで16馬力/25馬力(前期/後期)。

ヤングSSに搭載されたのは、EK32型で、
ソレックスを使った圧縮比7.5(元は6.5)の36馬力仕様。

スバル360の後期モデルであるスバルR2には、
前期型にはEK33という空冷タイプが搭載されていたが、
後期型には、アルミシリンダーブロックの
水冷2ストロークになったEK34を採用した。

そして、スバルレックス時代になって、初めて4ストローク方式の
エンジンが搭載されることとなる。
ライバルでもあった、ホンダN360からLife、Zと言ったマシンが、
最初から4ストロークエンジンを採用していたのとは対照的だ。

ま、こいつは、ホンダが、バイクのエンジンの延長線上にあった
空冷タイプを採用していたのと、トヨタや日産が水冷式を
採用していた違いと……なんとなく似ているような気がしますね。

 

尾頭さんに聞いた、赤帽エンジンを搭載したスバル360の話です。

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おっと、お得意の脱線でありましたが、

空冷の2ストロークエンジンに代えて、
水冷の4気筒EGIエンジン、しかもスーパーチャージャー付きを
スバル360のリヤ部に設けられているエンジンルームに入れるということは……。

そうです。シリンダー2気筒分、ラジエター、スーパーチャージャー分が、
基本的に必要となるのに加えて、前述したエアコンのコンデンサー、
そして、それに伴って、パイピングや運転席までのパイプ類が、
スバル360の、それでなくても狭いスペースに、入ってくれなくてはダメ。

気が遠くなる作業であります。

よく、やる気になったな……そう思います。

それもこれも、尾頭さんが過去に積み替えてきたエンジンSWAPの
実績があってこその話だとは思いますが……ここいらで、
これまで尾頭さんがスワップしてきたエンジン&マシンを、
ザザッ!っと紹介しておきましょう。
このあたりの紹介記事は、「圧倒的なエンジンSWAP職人!」に
掲載されていますし、

珠玉ともいえる「FD3SにVQ35のV6エンジン搭載」も、

別項で紹介していますが、ま、念のため(笑)

TOYOTA

GX71+1JZ
GX81+1JZ
GX100+1JZ、2JZ
TE71+4AG
AE85、86+SR20、3S、RB26、2JZ
RT122+3S
RA35+3S
AA63+3S
TA63+3S、2JZ
TA22+3S
GZ10+1JZ
GZ20+1JZ、2JZ
JZA70+2JZ
JZA80+RB26
SXE10+1JZ、2JZ、RB26、SR20、
MS60+1JZ
MS62+1UZ
MS120+1JZ
JZS171+2JZ
JZX110+2JZ
AW11+1ZZ
MX45+2JZ
TE25+4AG

NISSAN

N510+SR20
A31+1JZ
Y30+RB26
GB122+SR20、VQ35
S31+2JZ、1UZ
Z31+RB25
Z32+RB26、2JZ
S13+RB25、RB26、2JZ
S14+RB26、1JZ
S15+RB26、2JZ
GC10+2JZ、RB25
KGC110+RB26、RB25
R30+RB26
R32+1JZ
PA30+RB25

MAZDA

FD3S+1JZ、VQ35
NA6C+F20C

MITSUBISHI

A187A(スタリオン)+1UZ
A33(デボネア)+1UZ

DAIHATSU

K100(ミゼット2)+JB-DET

OTHER

バーキン7+4A-G

じっくりとエンジンとマシンの組み合わせを
見ていくと、強烈なことをしてきたことが、おわかりいただけるだろう。
そして、上記の一覧に、今回のスバル360と赤帽スーパーチャージャーの
組み合わせが追加されることとなる。

というところで、どれだけの労力と時間が、
この小さなクルマに費やされたことか(ゆうに6ヶ月仕事)
想像に難くないのだが、以下は、尾頭さん自身が、
FacebookやHPに掲載してきた作業途中の写真を
お借りしながら、その足跡を辿ってみることとしよう。


↑まずは、ノーマルエンジンや補機類を全部取っ払って、
赤帽SPLをあてがってみる。


↑このときに、搭載位置や、角度、補機類のレイアウト等を
複合的に判断する。

↑エンジンの搭載位置が決定したら、そのための下処理と
スペース確保の方法を次々と決定していく。

↑とりあえず、コアを置いてみて、その寸法や補機類との
取り合いを観察してみる。

↑そして、サイドタンク等の形状もだいたい把握しておく。
そして、最終的な仕上がりをイメージして細部を製作。右フェンダー部に、
純正の強制空冷用のダクトを利用して、ラジエターコアを設置した。

↑そして、ワンオフでラジエターやエアコンコンデンサー等を
製作して、フィッティングも決めていく
↑左リヤフェンダー部にセットされたエアコンのコンデンサー&タンク。
このタンクの制作動画が、下記のものです。




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↑こちらは、ガソリンのコレクタータンク。ノーマルのタンクには
仕切板もないので、ちょっと走ると空吸いしてしまった。
で、三角の形状で製作して、リヤの座席後ろにセット。

↑ガソリンを入れる部分と冷却水を入れる部分を製作。
当然双方ともにキャップ付き。

↑リヤから運転席部まで、エアコンの配管を始めとする、
いろんなものがセンター部分に通される。

↑エンジンルームも大変だったが、それ以上に手間と
強度を必要としたのが足まわり。様々な強化品を製作。

↑試行錯誤しながら、徐々に形になっていく様子。
色んな部分に補強が設けられている事がわかる。

↑完成間近のリヤの足まわり……これだけを見ていると、
スバル360とは想像がつかない。どんなレーシングカーだ?

↑こちらはフロント側。いやあ、リヤに比べるとマシだが、
純正状態のボディ&サスペンション強度は想像以上に脆い。

↑室内側にまわってみると、新しくハーネスを設ける必要があった。
後部座席下部にすべてを総括して製作している。

↑アルミプレートにセットアップされた配線……いやあ、
やっぱり尾頭さんの仕事は、スッキリしている

↑こちらは、マフラーの消音器部分。一度上に上がって、
それから下に降りてくる構造。

↑リヤ側から見ると、このようになります。EXポートから、
一度左に、そして上に、続いて下、そして右。

↑試走もOKが出たので、先日、車検を取得。660ccなんですが、
スバル360は360ccの排気量で軽四として登録されているので、
排気量が660ccになると……白ナンバーですと(笑)

 

しかし、ここまで見てきても、とんでもないクルマだと
いうことがわかっていただけたと思います。
CARBOYでも、これまでに様々なエンジンSWAPを
紹介してきましたし、簡単な方法論から、とんでもない奇想天外
タイプまで、いろいろと思い出しますが、今回のDADDY SPLは、
非常に異色というか、永年の経験と根気、
そして、なによりも、

「楽しいクルマを作ろう!」&「楽しんでクルマを作ろうっ!!」

という尾頭さんの気持ちが、ヒシヒシと伝わって……。

 


おっと、尾頭さんが撮影してくれた、スバル360改赤帽SPLの
運転動画です。なんだか、楽しそうです。
「街中最速ですよ〜(笑)」

DADDY Motor Works

引っ越しをして、住所が変わりました。

〒470-1101 愛知県豊明市沓掛町神明13
TEL&FAX 0562-85-9911
http://daddymotorworks.com

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■ DADDY MOTOR WORKS Link ■

 

圧倒的なエンジンSWAP職人!

  NISSANVQ35 in FD3S MAZDA
  スバル360に赤帽エンジン搭載
  FFターセルに3S-G4スロ搭載
  DADDY Motor Worksの行先!?


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よろしかったら、お願いします。


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