シーマVH41の8気筒NAをZ32にスワップ!!
ESCORT(埼玉)

大排気量NA時代の先駆
Z32にVH41の8気筒SWAP!
排気量の差がSPORTSマシンを生み出す!!

ESCORTが生み出すマシンには、独特の雰囲気がある。
他のSHOPとは、異なった印象を、いつも感じるのだ。
その原因を探ってみると……非常に微妙な部分に行き着く。
大幅にモディファイされているわけではないのだ。
これ見よがしにドレスアップされているわけでもない。

だけど、なんか、違うのだ。

EXマニホールドの曲率しかり、パイピングの収め方もそうだし、
配管や配線の取り回しが、いかにも『玄人好み』なのだ。

そうか、『玄人好み』なのだ。

うん、自分でも、80%ほど納得した。
凝った造りのワンオフパーツや、きれいなラインの部品、
素人目に、凄いっ!と思わせてくれる仕事は、他のSHOPでも
たまに見かけることができる。だけど、ESCORTは、違う。

多分に、オーナーである塩原さんの性格が影響しているんだと思う。
アッピールポイントを尋ねれば……「いや、別に」である。

その昔、ESCORTは、入りにくい店として評判(?)だった。
営業時間なのに、電話に出たくないから出ない、とか
店に来たお客さんに、いまは話したくない気分だから話しかけない、とか
強烈な噂が飛び交っていたことがあった。

ま、本当のところはどうなのか?だが、セールストークが上手い
人種ではないことだけは確かだ。
だけど、20年、30年前からのお客さんが、ずっと続いていることや、
プロが頼りにする駆け込み場所でもある。

そんなESCORTが、2002年に作ったのが、今回紹介するSWAPマシン。

ノーマルの大排気量エンジンを、ただSWAPしただけ……という
非常にレアなケースである。だけど、その効力は絶大。
ボアアップやストロークアップという方法もあるけれど、
単純に大きな排気量を持つエンジンを搭載すれば、
それだけでクルマの印象は180度変貌する。

あたり前のことだが、そういうことをあらためて思い知る一台である。

もちろん、V6エンジンが入っていた場所に、2気筒分を追加するわけだから、
いろいろな部分に改良の手が入れられている。
だけど、そういう途中経過を感じさせないほどに、
VH41エンジンが、Z32のエンジンルームに収まっている。
このあたりが、ESCORTなんだなぁ。

というところで、ESCORTのSWAP術を堪能していただきたい。



                                                      ©八重洲出版 
 

CARBOY2002年12月に掲載されたものです。

※以下、当時のまま掲載させていただきますので※
※価格、仕様等は変更されている可能性が大です※

これまで考えもしなかった方法でエンジンとボディ、
ミッションとボディ、タービンとエンジン
……この新しい組み合わせのなかから
出現した快適な最新TUNEを探る!!

■DATA
シーマ用VH41ノーマル移植
GT-R用エンジンマウント&ブラケット溶接
ステアリングシャフト延長
インタークスロットル部角度変更
エキゾーストマニホールド無加工
シーマ用ECU ROMチューン
VH41用インジェクターノズル
R33 GT-R用ラジエター
■VH41改造箇所一覧
ステアリングシャフト延長
ステアリングリンケージ改
スターター位置変更
GT-R用エンジンマウント流用
R32GT-R用クラッチマスター
ミッションベル加工
プロペラシャフト20mm短縮
インマニ角度変更
R33GT-R用ラジエター移植
フロントパイプ改造
タコメーター改造
エンジン本体込み150万円

 

エンジン本体は、まったくのノーマルである。
そいつをシーマからZ32に移植しただけ。
なのに、アクセルをひと踏みした瞬間から
チューニングカーの雰囲気が満々。

もちろん、高回転域までいくと、ノーマルは
ノーマルでしかない。カムが変わってるわけでも、
圧縮比が高くなってるわけでもなんでもない。

シーマに搭載されているときは、普通に回り、
そこそこトルクがあり、街乗りでは不自由がない
……この程度のエンジンだったはずなのに、
クルマが変わっただけで、これほどまでにフィーリングが変わる。

エンジンスワップというのは、
やっぱり絶大な効果を持つチューン方法なのだ。

これまでずいぶんと長い間、ターボ全盛の時代が続いた。
ターボにあらずばスポーツカーにあらず。そんな風潮のなかで、
NAチューンというのは、常に二次的な存在だった。

だが、今度発売されたZ33やNEWスカイラインに搭載
されているエンジンはNA。ターボモデルが絶版となり、
今後スポーティモデルとして登場する可能性は少ない。
こういう状況のなかで登場したエスコートのZ32チューンは、
今後のチューニングの方法のひとつとして、非常に示唆的な
存在といえるだろう。

 

その昔、L20エンジンが標準搭載されていたS30Zは、
S130Zから採用されたL28エンジンをスワップしただけで、
全く違うクルマに変貌してしまった。そして、そのL28を
ベースにチューニグを施していくと、本当の意味での
スポーツカーへと成長していった。

排気量の威力は絶大なのだ!
ターボだって、排気量を擬似的に上げる装置!!

だから、レース等では、ターボ装着車は、
NA比で1.4倍の排気量を持つものとみなされていた。

シーマに搭載されているVH41エンジンは、V型8気筒で
4.1Lの排気量を持っている。VG30が3Lで、ターボが付いていれば、
排気量換算で4.2Lとなる。もちろん、ターボチューンを施せば、
最高出力差はもっと大きくなる。

だが、ターボとNAを比較すると、実走フィーリングの
差はピークパワーの差程大きくない。

現在、このVH41エンジンはROMチューンされて
290馬力の出力を誇る。NAの290馬力というのは、
なかなかに使える数値なのだ。クラッチをつないで
走り出すと、排気量の差というのがどれほど大きい
影響を及ぼすものかが、実感できる。クルマが軽いのだ。

トルクのレベルが違うので、クルマの重量は同じなのに
(エンジン重量からいえば重くなっている)、アクセルの
動きに応じて、軽やかに動くのだ。

もちろん、エンジン本体がノーマルだから、高回転域の
パンチ力や、最高回転数といったものはノーマルのままだ。
でも、ストリートでの使用&高速クルージングを前提にすれば、
これで充分と思える。

ターボのように暴力的な加速ではない。だけど、Z32が
スポーツカーだと感じられる動力性能は、これからの
時代にぴったりと合っている。もちろん、これ以上の
性能を求めるひとにもエンジンチューンの道は残されている。

だが、まずは、この大排気量を生のまま味わいたい。

スロットルボディもVH41のものを使う。角度を
調整して、 Z32のエンジンルームに沿わせる。
サクションパイピングはオリジナルで製作したもの。

インテークマニホールドは、ボンネットと干渉する
ので、フライス盤でサラッとさらって寸法調整。
こいつにエンジン位置自体を下げて収めた。
これがVH型のブロック。より排気量の大きいVH45
もあるのだが、これはスターターの位置がどうにも
できなくてZ32には搭載できなかった。
ラジエターはGT-R要のものを使った。
IN&EXの方向が違うので、VH41
エンジンに合わせてパイピングかこうが
必要だった。容量は十分のようだ。
クラッチマスターシリンダーもR32GT-R用に交換。
この結果、エンジンとすれすれに収まった。プロペラ
シャフトは20o程度短くする必要があった。
 
 
ESCORT
〒335-0034 埼玉県戸田市笹目4-19-4
Tel 048-421-9443


www.escort.ico.bz/



■ これまでのESCORTの履歴 ■

 

 アメリカ本土のドラッグレースに遠征しインポートクラスで連続優勝

   S30Z改Vプロ仕様インジェクション
   GC10インジェクション2017 STREET仕様
  シーマVH41の8気筒NAをZ32にスワップ!!
  アルファロメオにFJ24搭載!!
 

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