GC10インジェクション2017 STREET仕様

ESCORT(埼玉)

ESCORT取材時に見かけた箱スカ
なんだか、琴線に触れるモノがある
どうしても気になるので、
ボンネットを開けてもらったら……!!


先日、ESCORTの塩原さんのNHRAにチャンレンジした頃の話を撮影にいったとき、
たまたま加工屋さんがいらして、部品の打ち合わせをしていた。

で、なんの気なしに表に出てみると、そこにこの箱スカがあった。
シルバー塗色に黒のF&Rオーバーフェンダー。R仕様じゃなく、いい感じの
ハードトップGC10だな〜と思って、室内を覗いてみると、
そこにセットされていたのは、GT-Rの純正バケットシートだった。

「あ、いいな、こういう感じ、いいな〜」

そう思って、マフラーを見たり、色んなところを見ていたら、
けっこう好みだった。その昔、240Zに乗っていたとき、バケットシートを
買おうか?と思ったのだが、なかなかいい感じのがなかった。
そのとき、いいなと思ったのは、いすゞジャミニの純正レカロ。
レカロマークがちっちゃくて目立たないし、サイズも小ぶりで、
いい感じ……でも、結局導入するまでには至らなかった。

その感覚からすると、GC10のハードトップに、R32バケットは、あり。


その後、撮影場所を2nd BASEに移すことになったのだが、
その箱スカを再度発見。

塩原さんとオーナーの石川さんにお願いして、ボンネットを開けてもらった。

 

……………………………………………………う〜ん。
……………………やっぱ、ESCORT、だわ。

 

その昔、メカニックの宮野さんと話したことがある。
ESCORTの倉庫に、純正のホース類が山と積まれているのを見て、
「宮野さん、どうしてこんなに純正ホースがあるの?」
「持ちがいいんですよ。キラキラしたのもいいけど、やっぱり純正品って、
それなりの品質を持っていて、耐久性もいいんですよ」

そっか、見た目を優先させれば、ステンメッシュだったり、シリコンだったり、
いろんな方法はあるけど、機能性や耐久性も併せて考えた結論が、
純正ホース……ESCORTらしいと思う。

そして、微妙だけど気遣われているのが、エンジンルーム内の塗色。

若干つや消しで、地味ではあるけれど、エンジン本体を引き立たせながら、
外装色のシルバーとも違和感がない。気がつかないヒトは気がつかないと思うが、
こういうところに気配りがあるというのが、いい感じだと思いますね。

 


先程、『地味』だと言ったけれど、見るひとが見れば唸る部分がいっぱいある
というのもESCORT方式。オーナーが専門の加工屋さんなので、自身で工夫したり、
作ったワンオフパーツが、そこかしこにセットされている。

バッテリーのステーや、エアタンクの仕上げ、遮熱板やデリバリーパイプ等、
凝った造りのパーツがいろいろと見て取れる。
調整式のピロアッパーがついている箱スカってのも、いい感じです。

 


もともと、このクルマはキャブ仕様だったようだが、自宅でクルマの
入れ替えをする時に、奥さんがかぶらせてしまったりして、夫婦間の
争点ともなっていた。ま、普通の家庭なら「こんな古い車、捨てちゃって!」と
なるのだろうが……ESCORTで、この問題を解決するためかどうかは定かではないが、
一昨年にフルインジェクション化を行った。

使用するECUはHKS Fcon VーPro。
TWMのスロットルボディに鋳物のインマニ、
デリバリータンクはオーナーの自作品持ち込み。
ちゃっかりと「ESCORT」のロゴ入り(笑)


エンジン本体は、L28改の3.1Lで、エスコート鍛造ピストンに、
RISING製L14タイプ軽量H断面、LD28クランク改。
「カムシャフトは?」と塩原さんに聞いてみると、
「なんだっけかな? 宮野が組んだから、覚えてない……たしか、
そのへんにあったカムを組んだと思うよ」

たしか! そのへん!! てきとう!!!

「あ、思い出した、ミゾエさんの削ったカムだったかな」

いつもの、塩原さんである。

でも、ふっと思った。いま、L型といえば、亀有さんのパーツや、
渡部さんのパーツを使っているのが主流であり、先端。

でも、ESCORT製のL型にはそういうパーツは見当たらない。
いや、でも、考えてみれば、30年ほど前に、6-1タイプのEXマニホールドを
国内で最初に作ったのもESCORTだった。
そのマニホールドを、いろんなチューナーが買いに来たんですからねぇ(笑)

 



 

 

L型チューンというやつは、ほんといっぱい取材をした。
柿本さんのL型、ファクターのL型、MレーシングのL型。
みんなそれぞれの考え方で、独自のやり方でL型を触ってきた。

だけど、最近では、なんだか画一的になっているような気がするのは、
オジサンになってしまったからなのか?

馬力も大事だと思う、高回転まで回せるのも大切な要素だ。
しかしながら、L型というエンジンは、やけに懐が深いエンジンで、
いろんなアプローチをすれば、それなりの結果を返してくれるエンジンでもある。

その昔、S31Zの2by2に、L28改3Lのドーム型燃焼室仕様で、
ちょっとだけビッグバルブ、68度カムにATミッションの組み合わせ
というクルマに乗ったことがある。
過激さも加速も、大したことないのだが、なんだか、それなりによかった。
こういうL型チューンもあるんだ。そう思った。

いまなら、この箱スカのように、イグニッションキーを捻れば、
奥さんでも簡単にエンジンスタート、ちょっと動かすくらいなら大丈夫。
そんな要素も実現できる時代になっている。

クラシカルな外観を保ちつつ、R32GT-Rのバケット、HKS Fcon VーPro制御、
しかも、自分のこだわりのワンオフパーツ……この感じがいいと思う。

 

 

追記 2017年4月1日

car.boy.jpに掲載させていただいた数日後、石川さんのFacebookに
エンジンルームの写真が掲載されていた……。

で、なんの気なしに見てみると、プラグコードが変更になっていた。

「いやあ、前からずっと気になっていたんですが、写真を
撮ってもらったあと、やっぱり気になって……」

黒とアルミ基調のエンジンルームに、赤いプラグコードが
どうにも違和感があったらしい。で、軽い気持ちで、
「エンジンを撮影したデータをくれませんか?」と聞いたら、

「いえ、あと数カ所やりたいところがあるので、
もうちょっと待ってもらえますか?」と。

その結果が、下の写真である。藤本が撮影に行きました(笑)

 

よ〜く見てみると……プラグコードに加えて、ブローバイのホース、
水温センサーの取り出しアタッチメントなどもブラック基調に。
「本当なら、プーリー部分も変更したかったんですが……」と
苦笑いしていた石川さん。


 

本業が、金属の機械加工ということで、別件で
取材をさせていただいたが、それは、また後ほど……。

しかしながら、このエンジンルームにも、
いろいろな『本業』の手が入れられている。
目立つのは燃料のデリバリーパイプや、
エアタンクだが、それ以外にも、細かな
パーツがいろいろと投入済み。

スロットルのリンケージ部分、

インンマニとスロットルの連結部

オイルレベルゲージなど、


いやあ、こういう部分に凝るというのは、
オーナーにとってはたまらない楽しみであります。
いくつになっても、オトコはコドモ……です(笑)

おっと、撮影をお願いしているときに、
ふとマフラーを覗き込んでみたら、
ステンの逸品を発見しました。
出口だけは見ていたんですが、
こんな風になっていたとは。

 

最初、パッと見たときに「いいなぁ」と思った要因は、
細かい部分のフィニッシュと、全体のバランスという
非常に微妙なバランスの上に成り立っておりました。
人間の感覚って、けっこう細かいものを識別しているもんだと、
なんとなく、納得させられるGC10でした。


ESCORT
〒335-0034 埼玉県戸田市笹目4-19-4
Tel 048-421-9443


www.escort.ico.bz/

 




■ これまでのESCORTの履歴 ■

 

 アメリカ本土のドラッグレースに遠征しインポートクラスで連続優勝

   S30Z改Vプロ仕様インジェクション
   GC10インジェクション2017 STREET仕様
  シーマVH41の8気筒NAをZ32にスワップ!!
  アルファロメオにFJ24搭載!!
 

↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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