4A-Gの究極進化形となる9A-G仕様

RS YASU(栃木)

ロングストローク化を
加速させる7A-FE流用
9A-G SPL仕様登場!!

 

4A-Gの究極の排気量アップを紹介したいと思います。
1600ccの排気量を持って登場した4A-Gですが、
ノーマルのままでは、いかにも非力。
で、ボアアップ版の4.5A-Gが登場したわけですが、
そこにHKSさんが、5A-GZクランクシャフトを登場させ、
排気量アップ作戦に、一気に火がつきました。
RS YASUでは、ボアアップにストロークアップの
5.5A-Gを作ったのを始めとして、ドンドンと排気量を拡大し、
ついには、1996年に4A-Gノーマルの81φ×77oの1586ccから
83φ×90.5oの1958ccとなる9A-Gまで作ってしまった。

一般の4A-Gショップでは、7A-FEブロックを流用した
7A-Gまでは、なんとか作ることができたのだが、
偏心ボーリング等の作業が必要となる8A-G以上のモデルは、
いまだに、製作することができていない。

この裏には、内燃機加工を行う戸井田さんという存在と、
アイデアを出し続けたRS YASUのタッグが必要条件だった……。

というようなわけで、とびっきりのボア&ストロークアップ術、
楽しんでみてください。




4A-G改9A-G■TUNE DATA
●ボア&ストローク83φx90.5o
●排気量1958cc
●圧縮比12~12.5
●83φメタルヘッドガスケット
●CAI8DE改83φピストン
●7A-FEコンロyド
●7A-FEクランク&ブロック
●ストローク偏心加工
●フルフロー加工
●特注タイミングベルト
●アルミ大容量オイルパン
●オイルポンプ加工
●5A-FEフライホイール
●ノーマル比2.5倍大容量サージタンク
●ノーマルインジェクター使用ツインノズル
●320/304度カム対応コンビュータ

 

しかしながら、4A-Gというエンジンは、しぶといというか
、粘り強いというか、近来まれに見るエンジンだという
ことができそうだ。1600ccの排気量、DOHC機構、
そしてトヨタ製、AE86というシャシー……色々な
理由が考えられるのだが、登場以来数え切れないほどの
チューナー、プライべーターがそのチューニングの可能性に
チャレンジしてきたという「事実」は、このエンジンの魅力を
何よりも雄弁に語ってくれる。

なかでも異色チャレンジを繰り返してきたのが、流用チューンで
おなじみのレーシングサービスYASUである。

ボアアップ、ストロークアップはもちろんのこと、
限界ボアアップや新型パーツを使ったモデルチェンジ、
キット化、そして何よりもそのチューニング対象とする
エンジンの数とバリエーションはすごい。

今月は、そんなYASUの最新4A-Gチューン情報が届いたので紹介したいと思う。

トヨタのハイメカツイシカムシリーズの新しいエンジンである
7A-FEというエンジンが登場したことによって、
4A-Gチューンの可能性がグ、グーンと広がったのだ。
まず、アウトラインから話してみよう。4A-Gと7A-FEという
エンジンのブロックは、水穴、オイル穴が一緒なのだ。

つまり、7A-FEブロックの上に
4A-Gヘッドを搭載すれば、
それだけで動いてしまうというわけだ。

もちろん、細かい部分は色々と問題もある。だが、基本的な
部分が共通ならば、あとは工夫とアイデアで何とかなってしまうもの。
7A-FEのブロックを使うメリットは、ふたつある。

ひとつは何といってもそのロングストローク。4A-Gが
77oのストロークを持っているのに対して、7A-FEは85.5o。
それだけで8.5oの差があるのだ。

L型を例に取れば、L20クランクが69.7o、L28クランクが79o、
そしてLD28クランクが83oだ。つまり、L20とLD28では13.3oの
差であり、L28とLD28では4mのストローク差がある。

だから、4A-Gと7A-FEクランクのストローク差が8.5oというのは
ものすごいことだということが分かってもらえるはず。

おまけに、メインジャーナル径は同じだから、
流用することが可能という面でもよく似ている。

ただし、ひとつだけ違うのは、コンロッド大端部が入る
ジャーナル部分の口径が、L型の場合は共通だったが、
7A-FEと4A-G(後期型)では48oと42oという差がある。
だが、この6mの差が、今回の4A-G改9A-Gのキーポイントだ。

というのも、情報通のCB野郎なら知っていると思うが、
YASUのチューンの特徴は、ノーマルパーツをうまく流用する
ことだけではなくて、クランクシャフトの「偏心」加工を
ミックスさせた大排気量化チューンにもあるのだ。

つまり、46oというジャーナル径を、ただ4A-Gの42oに
合わせて削るのではなく、削る中心をオフセツトさせること
によって、さらにストロークを伸ばしてやるわけだ。

                                        ©八重洲出版 

 

もちろん、この加工には、高度な技術と長い時間を必要とする。

YASUでは、この加工を信頼できる内燃機加工屋さんの
「カトー」の戸井田さんに依頼している。

バイトの刃を送りながら、
その材質の硬度、密度などをチェックしながら、削る量を
決定するためには、長い経験と豊富なノウハウが必要とされる。

だから、他のチューニングショップでは、この偏心加工が
一般的ではない……のだろうが、チューニングの方法論としては秀逸である。

とまあ、ちょっとばかり芸の入った加工によって、7A-FEクランクは
4A-G用のチューニングクランクに生まれ変わる。

ふたつめのメリットは、ロングストロークとも関連してくるのだが、
7A-FE用のブロックは4A-Gよりも15o高い点だ。
この結果、コンロッドの寸法は長くなる。

チューニングエンジンの傾向として、ショートピンヘッド化していることは、
詳しい人なら知っているだろう。これは、できるだけコンロツドを長くして
、振る角度を小さくしたいということでもある。

4A-Gチューンに、7A-FE用のブロック&クランクを使うメリットと
いうのは分かってもらえただろうか?

                                        ©八重洲出版 

大雑把な計算をしてみると、偏心加工したストローク&標準的な
ボアアップを組み合わせてみると、チューン後の排気量は、
4A-Gの81×77oの1586ccから83×90.5oの
1958ccと、372ccの増加となる。しかも……4気筒である。

 

372ccという排気量の増加率が、
どれほどのものかを想像してもらいたい。

 

4A-Gで、1気筒当たり約500ccなのだ。往年の2T-G改2Lに
相当するわけだが、当時とはバルプの数も、燃焼効率も
違っているので、その性能差はもっともっと大きくなるはずだ。

各部の加工や、パ-ツの選択などの細かいデ-タに関しては、
ノーマルパーツとの比較写真やデータを参考にしてもらいたい
と思うが、「流用のYASU」の名に恥じないだけの内容充実&
低価格指向は、ハッキリと分かってもらえるはず。

今回の9A-G計画で、最大の難関となったのは、コンロッドの選択と
タイミングベルトだった。ベルトは、国内の物だとちょうどいいものが
ないのだ。工業用のものならあるのだが、耐久性の聞で不安が残るので使えない。

コンロッドも、帯に短しタスキに長し……色んなコンロッドを
注文して実測し、組み合わせを考えた結果、今のところは5E-FE用を
使用する予定だが、これだけは変更になる可能性もある。

排気量が飛躍的に増大する9A-Gだが、ただ排気量アップによる
トルク増大だけをねらったエンジンではない。少し前のCBでも
紹介したように、YASUでは「キャブ仕様に負けないパンチ力のある
インジェクション仕様」を目指している。だから、インジェクション
システムを最大限に生かすパルプタイミングでセットする
ハイカム(320/304程度)を組み込む予定だ。

もちろん、ストリートに対応するために、アイドリング問題を
解決するコンピュータ&フューエルシステムが必要になってくる。

これについては、アイドリング系統を別経路で取ったツイン
インジェクターシステムを開発中だ。ツインインジェクターとは
いっても、ノーマルのノズルをツイン使用するので費用的にも安心だろう。
このためのサージタンクは、ノーマル比で2.5倍の容量を持ち、
排気量アップ&高回転域に対応するように考えられている。

トヨタでは、ロングストローク化に対応して、ジャーナル径変更、
ハイブロック化などの設計変更をしたつもりの7A-FEだが、
その変更パーツを使ったチューンバージョンが、こんな形で
登場するとは……予想できなかったはず。

でも、「立ってる者は親でも使え!」と昔から言う(?)ように、
ノーマルパ-ツの性能向上が著しい最近のエンジン事情だから、
コストがかからずに高性能を期待できる流用チューンは、
その効果が2倍、3倍と期待できそうだ。

早く火を入れてみたい。初体験の4A-G2Lのトルクを味わってみたい。
ワクワクドキドキの4A-GのNEWバージョン……こいつはホントに楽しみだ!!

下のビデオは、「CARBOY2017」というタイトルで、
FRESH!アメーバ を通じてインターネット放映されたもののです。
また、そのアーカイブを、Youtubeにアップしたものです。
他にもイロイロと作っていきますので、
よろしくご支援くださいませ。

Flash Playerが入っていないブラウザー&Android端末の場合は動画を見ることができませんので、
下のYoutubeボタンを クリックして見ていただけますよう、お願い致します。

 

パリエーションが
豊富なYASU流4A-Gチューン

■7A-FEというエンジンが出現したおかげてで、
これまでよりも4A-Gチューンのバリエーションが
ググッと豊富になった。RS YASUの4A-Gチューンを、
排気量別に分類していくと、

ノーマル排気量の4A-Gハイコンブ
→83φボアアップの4.5A-G
→HKS 5A-GZクランクをイ吏った5.5A-G
→限界ポアアップ85φの6A-G
というラインアップに加えて、
ノーマル7A-FEクランク&ブロックを使用した7A-G
→83φボアアップの8A-G
→偏心ストロークアップした9A-G

…………となる。いやあ、ホントにすごいわ。

4A-Gというエンジンを中核にして、
色んなピストン、クランク、コンロッド、
そしてブロックが入り乱れてのボア&
ストロークアップ争いだが、どうも
これからはボア83φのラインに、
ストローク85.5oといったところが、
4A-Gチューンのメインになってきそうな
予感がする。ブロック代金などが余計に
かかるが、ここは低価格設定を期待したい。

 



Flash Playerが入っていないブラウザー&Android端末の場合は動画を見ることができませんので、
下のYoutubeボタンを クリックして見ていただけますよう、お願い致します。


〒329-1216 栃木県塩谷郡高根沢町桑窪2170-8
0286-76-0195

http://blog.livedoor.jp/rs_yasu/

 




■ これまでのRS YASUによるエンジン開発の履歴 ■

 

最新式TOYOTA AE86の2017年仕様

  ブロック偏心が可能にした8A-G仕様
  4A-Gの究極進化形となる9A-G仕様

 

シェア
↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


TOPへ戻る

↑イロイロな記事がありますので、
Contentsページをご覧になってくださいませ!