AE111用スロットルボディを
応用したNEWハチロク用の多連
スロットルを発見しました!
以前紹介した、3次元CADを使った部品設計の
Blueprintの森元さんのところで、見慣れないものを発見しました。
なにやら、グネグネと曲がりくねったパイプの下部に
スロットルボディが4個。インマニを見てみると、
水平対向エンジン用のものみたいだけど……。
「トヨタ86です。マニホールドなんかの周辺部品を設計しました」
ハチロクと聞くと、ついAE86を思い浮かべてしまう藤本ですが、
そうですよ。時代はとっくに変わっていました(笑)
「AE111のスロットルボディを流用して、トヨタ86に
独立式のスロットルシステムを導入したいということで」
前回もお知らせしたように、愛知のJHK projectさんが
企画&販売 する製品のようで、すでにデリバリーも開始されているという。
上側から見ると上記のようになりますが、
ここで、参考のために、TOYOTAさんの構造図を掲載しておきまし
なんとなく、位置関係はわかっていただいたと思いますが、
ひとつ、気になるところがあります。
そうです。純正状態では、スロットルは、4気筒分まとまってるんです。
当然ですよね、集中型のシングルスロットル仕様ですから。
でも、そのかわりに、各気筒にひとつづつのスロットルボディを
セットするわけですから、純正のスロットルボディは不要になります。
だから、森元さんが設計したものには、スロットルボディがあるべきところには、
ただのパイピングが存在するだけであります。
でも、ですね。
じゃ、新設したAE111の多連スロットルボディは、
一体全体、どうやって動かすんです?
AE86のように、4個のスロットルが一列に並んでいれば、
いろいろな方法が考えられます。
しかしながら、水平対向で、2個ずつのボディが
エンジンの左右に泣き別れている場合は……どうすんの?
リンケージでつなぐという方法もあります。
でも、エンジンを渡ってリンケージをセットしなければいけないし、
第一、いまの時代の進んだスロットル制御があるのに、
そいつを無視して、前時代的なリンケージ制御というのも……。
その鍵は、インテークパイプの裏側に隠されておりました。
ググッと視線を潜り込ませてみると、そこに、
純正のスロットルボディ様が、鎮座ましましておりました。
そうです。純正のスロットルボディと、それを制御するシステムが
指示する『スロットルバタフライの動き』を、そのまま、
AE111スロットルに『伝達』するシステムを作り上げていた。
これは、偉いです!
これらの写真で、様々な動きをするスロットルボディと、
AE111スロットルを連動するリンケージの模様をお伝えしましょう。
通常のスロットルのON/OFFに加えて、様々な最新制御の
コントロール信号も、このようなリンケージを使うことで、
キチンと正確に、多連スロットル制御に伝わります。
大事なことですので、もう一度言います。
これは、偉いですっ!
上の写真は、スロットルボディを裏側(?)から見たところです。
インマニのフランジ面との具合や、リンケージの位置関係がわかるはずです。
下の写真は、トヨタ86のインテークパイプ&ポートの関係図です。
合わせてみていただければ、どういう構造変更をしているのか?が
わかっていただけるはず。
おっと、ここで質問です。
どうして、せっかくTOYOTAさんが作り上げた吸入システムを、
こんなふうに変更しなくちゃいけないのか?
そうです。なにも、こんなことしなくてもいいじゃん。
ノーマルでいいじゃん……そう思ってるヒトは、純正のままでいてください。
元祖AE86のオーナーたちが、どうしてAE101やAE111の
多連スロットルを移植したいと思ったのか?
そして、苦労してシングルから多連に変更したオーナーが、
どんな感触を抱いたのか?
それと同じことが、ここでも言えると思います。
ぶっちゃけ言えば、AE101やAE111の多連スロットルも、
TOYOTA製品であります。
AE86には搭載されなかったものが、どうしてAE101やAE111では
採用されたんでしょう? 少しでも性能向上のため……じゃなかったでしょうか?
もちのロンでありますが、1個のスロットルと4個のスロットルの
製造単価を比較すれば、一目瞭然であります。
そして、それに付随するパーツ類、補機類等を考えると、
両者の原価差は相当大きくなります。
ま、そこいらへんをなんとかしようとするのが、
『TUNING』というジャンルであります。
望まないヒトには、まったく価値がありませんが、
ほしいヒトにとっては、かけがえのないシステムであります。
OBEUシステムを利用した
エンジンマネージメントシステム
『ECUTEK』の紹介
OBDUというシステムをご存知だろうか?
いまのクルマには、たいてい装備されているシステムですが、
クルマの情報を見るためのツールであります。
ダッシュボードの下っかわにセットされていて、
そこに専用のアタッチメントを差し込んで、パソコン等と接続し、
エンジンの状態を知ることのできるシステムです。
日本ではそれほど多くないのですが、ヨーロッパ等では、
随分昔から(OBDUのUがないOBD時代)こいつを使った
エンジンマネージメントシステムが、いろいろと開発&使用されておりました。
藤本も、何度かこいつを使った事例を取材しましたが、
いまでは、本当にいろんなことができるツールが、
いろいろと流通しています。
あ、別項で紹介したAJITOさんの外車のROMチューンも、
このOBDUを使っての通信をしている方式でしたね。
で、このOBDUツールであるイギリス製の『ECUTEK』ですが、
森元さんは、上記のトヨタ86の多連スロットルを制作するうえで、
いろいろとセッティングを重ねてきたわけでして、
そのときに使用したのがこのエンジンマネージメントシステム。
「独立スロットル仕様を開発するためには、ただ、ひとつの
スロットルから多連仕様にしただけでは完結しません。
当然ですけれど、このシステムをエンジンにセットアップして、
その性能を引き出してこその多連仕様ですから……」
もちろんではあるけれど、複雑な動きをする純正スロットルへの
信号を、機械的なリンケージ動作に変換し、その結果として、
トルクフィーリングやピークパワー、MAXトルク等の性能が、
純正品よりも優れているという『根拠』がなければ、
誰も多連仕様には手を出さないでしょ。
「開発するなかで、セッティングを重ねながら、多連スロットルでの
ベースデータを構築してありますから、必要な方には販売することも
できます。純正コンピュータの製造品番等の切り分けが必要なので、
単純に点火&燃料データを変更すればOK!とはいかないんです」
そっか、そうか。いまのクルマは複雑なんです。
現在デリバリーされているトヨタ86用のAE111スロットルボディ流用の
多連スロットルシステムは、国内で『ECUTEK』を扱っているお店も多いので、
そちらでセットアップすることを前提にしているが、
『ECUTEK』から提供されるベースデータだけでは、イチからのセットアップが
必須となります。セッティングデータを作るのが大変なヒト向けに、
こちらは、Blueprintsさんからの販売も可能ということです。
新規でエアフロなしのセットアップって、けっこう大変なんですよね〜。
そのあたりを身にしみてわかっているヒト用の、『ECUTEK』情報でした(笑)
☆Blueprint森元さん独立スロットルのこと
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設計 Blueprint
企画&販売 JHK project
営業MOBILE:090-1093-6630
〒448-0007愛知県刈谷市東境町新池71−2
http://jhk-project.com
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