2017SACLAM最新音作り探訪!

SACLAM(埼玉)


パイプ管の長さが決めるサウンド
この組み合わせを駆使して、
モナコGPのトンネルSoundを目指す!!

今回、SACLAMさんにおじゃまして、
ビデオ撮影を開始する前に、以前も走ったことのある
トンネルで、SACLAM製のエキゾーストシステムを
装着したS2000を走行させたときのことです。 そこに行くまでの街中では、地味というか、抑え気味というか、
以前のロードスターの排気音とは異なった感触を覚えた。
よく考えてみれば、B6のノーマルエンジンとS2000を比較すれば、
ハイコンプ(11.7)でV-TECがあり、スポーティーカーとして作り込まれた
250馬力のF20Cエンジンなのだから、あのときとは違った
アプローチで作り込まれているのも当然だろう。

そして、その本領は、エンジン回転が高まるにつれて発揮されることとなる。

V-TECが効くまでの回転領域でも、SACLAMが目指す『排気音質』は、
次第に発揮されていくこととなり、オーバーラップが変化する頃には、
独特のサウンドを聞かせてくれることとなる。

外界はピーカンなのに、トンネル内は、何故かウエット状態ということで、
抑えめの走行ではあったが、アクセルペダルの踏み込み角に応じて、
排気音が鳴き始める……8年という時間経過は、SACLAMの特性を、
よりジェントルにしながらも、主張すべきときには、キチンと主張する。
そういう方向にシフトしてきたように思えた。

今回、久しぶりにお邪魔したSCLAMの工房では、
宇野さんが数本のパイプを用意してくれていた。
口径や材質は同一だが、長さだけが異なるステンレスパイプ。

そのひとつひとつを手にとって、片方を掌で叩いてみると……。

長さによって、固有の周波数がある。

そして、掌ではなく、破裂音(エアを炸裂させたもの)を、
パイプに通せば、擬似的なエンジンの排気のように、
エキゾーストノートの感触をつかむことができるわけだ。

 

以前、


「感性に訴えかける排気システム!」

というタイトルで、ユーノスロードスターを使った、
斬新な排気システムのことを紹介した。

 

このとき、聴覚で感じたのは、エンジンが本来発生している爆発音を
利用して、排気管を通過するときに、『甲高いエキゾーストノート』風に
アレンジがなされていることだった。通常なら、高度にチューニングされた
エンジンが5000〜6000回転で発する排気音に、非常に似たものが、
ノーマルのB6エンジンに連結されたマフラーシステムでは、4000回転で
発生しているし、6000回転になれば、8000回転相当の
……これが、8年ほど前のことだった。

 

 

して、今回、宇野さんが、このユーノスの延長線上にあるものを目標として
取り組んでいるのが、S2000のエキゾーストシステム。

 


「排気管は、様々なな要素から構成されています。キャタライザーや
消音システム、そして、パイプ管です。キャタライザーや消音システムを
つなぐパイプの管の長さ、集合したり、分離する部分や、テーパー、
本当に、いろんな要素が影響しあって『音』や『音質』を形成してゆきます」   「それぞれの管が持つ長さと、それに応じた
周波数の 特性を組み合わせて、
最終的な『排気音』を作るわけですが
……基本と原理は単純なんですが、
組み合わせとなると、非常にパターンの
数も多くなりますし、実車に搭載したときの
様々な部分からの影響や干渉も考えなければいけませんから、
メイク&トライならぬ、 メイク&メイク&メイク
&トライ&メイク&トライ&メイク&メイク……と、
メビウスの輪のような連環性のなかから、
現実的な製品を作り出さなければなりませんね(笑)」
つまりは、理論と現実のギャップを埋めていくために、
何度も手を動かすしかない…………ということかしらん?
ま、それしか方法はないのかも。下の動画のなかで、
宇野さん自身がおっしゃっているように、
近年になって、周波数を目視できるようなアプリや、
集音装置等が、安価で手に入るようになり、
だれでもが、やろうと思えばやれそうな時代となってきている。
しかしながら、実際に手を出して、
具体的な答えを導き出そうと試みれば、
眼前にいろいろな不合理さや、
計算上は成立しないはずの事象が顔を出し始める。

 

下のビデオは、「CARBOY2017」というタイトルで、
FRESH!アメーバ を通じてインターネット放映されたもののです。
また、そのアーカイブを、Youtubeにアップしたものです。
他にもイロイロと作っていきますので、
よろしくご支援くださいませ。
CARBOY2017
https://freshlive.tv/carstreamtv
FRESH!アメーバ
https://freshlive.tv

CARBOY 2017 reborn #17 『SACLAM』

Flash Playerが入っていないブラウザー&Android端末の場合は動画を見ることができませんので、
上のYoutubeボタンを クリックして見ていただけますよう、お願い致します。

 

排気効率は無論のこと、排気音質にこだわるSACLAMさんであります。
でも、どうして、こんな方向性を持ち出したのだろう?

「宇野さん、宇野さんの考えるいいエキゾーストノートというのは、どんな音です?」

非常にダイレクトな、あまりにもダイレクト過ぎる質問ではありますが、
あえて、ぶつけてみました。

「F1のモナコGPで、トンネルがありますよね。出ればニースの海岸に出るトンネルです。
あのトンネルのなかでのエキゾーストノートが、私は好きなんです」

「…………で?」

「だから、ああいうサウンドを作り出そうと、いろいろやってるんです(笑)」

宇野さんというのは、面白い人であります。
一見すると、非常に真面目、ちょっと話してみると、非常に丁寧。
もっと話していくと、非常に『変』。

話す話題も、事柄も、興味の対象も、訳のわかった「オトナ」然とした190cmの
身長を持つ宇野さんが、こと、マフラーのサウンドに関しては、まったくの子供同然。
『好きだから、好きっ!』ということになってしまうのだ。

そして、この子供じみたこだわりに魅せられた顧客が、様々な要求をだし、
それを超えようと、自分で泥沼にザッカザッカと足を踏み入れて、
そのなかから、『至上のサウンド』を紡ぎ出そうと格闘する。

「藤本さん、そんなに大層なもんじゃないですよ、
好きな音だから作りたい。それだけですよ(笑)」

 

 

音楽を例に取れば、楽譜や解説書はしっかりと飲み込んだとしても、
いくら正確にコピーをしていったとしても、
『グルーブ感』や『ノリ』、『タメ』等の、
本物が持っている部分を再現することは、
非常に難しい……というのと似ているのかな? SACLAMさんが、最初に立ち上がったときに、
WEBページを製作するお手伝いをさせていただいたことがある。 フェラーリやランボルギーニのエンジンをバラしたり、
ロータスエリーゼの4分の1クレイモデルを作って風洞実験を行なったり、
キットのスーパーセブンを、木箱状態で輸入して、
プラモデル感覚で組み立てみたり……実に様々なことを行なった。

そのあたりの記録は、SACLAMのHP に、いまも掲載されている。

 

そんななかから、エキゾーストシステムの開発という部門が、
いまでは主要な事業になっているわけだが、

冒頭に述べたように、全国的に見ても稀有な排気管作りの方向性は、
宇野さんという、まことにもって『妙な存在』あってのものだと思う。

様々なジャンルのなかで、いろいろと手を伸ばしながら、
自分の考えるクルマという機械の楽しみ方を、
マルチ方向から模索してきた結果、いまの興味は、
非常にシンプルではあるのだが、宇野さんが理想だと考えている
「エキゾーストノート」の追求に収斂している。

ま、子供の頃に、「宇宙飛行士になりたい!」とか、
「F1ドライバーになるんだ!」なんぞと、勝手な夢を見ていた経験は、
誰しもが持っていることだと思うけれど、
自分勝手な夢物語を、いい歳をしたオトナが、見続けるというのいいじゃないですか〜。

いえ、話をまとめようと思ってるんじゃありませんよ。

宇野さんのこと、SACLAMという企業のこと、
そういうことを、じっくりと考えてみればみるほど、
よく、わからなくなってくるんですが、単純に捉えれば、

『自分の好きなことを、やるっ!』

ということに尽きてしまうんじゃないでしょか?

……いつかに、続く(笑)

 

 



おっと、補足ではありますが、

SACLAMでは、現在S660のエキゾースト開発に
取り組んでらっしゃいます。

V10のエキゾーストサウンドは、V10にしか出せないのではなく、
V8であっても、直6であろうが、直4でも、様々な方法論と
理論応用で、サウンドを創り出すことができる。

そうおっしゃるSACLAM理論の、 次なるチャレンジに興味津々です。

SACLAMさんでは、ホームページとともに、
ブログも開設されています。
そのなかで、今回の取材に関連するような
記載を紹介していただきました。
……興味のある方は、下記をクリックしてみてください。

 

排気管の音響構造を模索中


排気音の起点とは?

 

また、質問を頂いたのですが、
SACLAMさんのホームページには、
Lotusエリーゼ関連のものや、


BMW M3エンジンの分解模様、

ケータハムスーパー7のキットカー製作等、

マニア心をくすぐる記事が満載……です。
こちらのほうも、興味があれば、どぞ!

 



SACLAM
〒369-1243埼玉県深谷市永田1098
TEL: 048-584-7117
http://www.saclam.com

 

■SACLAMの履歴 ■

 
感性に訴えかける排気システム!
 
2017SACLAM最新音作り探訪!
 
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