SHOP&TUNER訪問記 

アウトストラーダ(神奈川)

単なる世間話をHP記事に
してしまおうという暴挙!?

 

以前、「25年以上前のFRターボが8秒台!?」というページをアップしたのだが、
そのときのキッカケが、アウトストラーダの佐々木さんとの世間話だった。

佐々木さんは、サラリーマン経験や、パーツメーカーでの営業経験もあり、
いろんなひとたちと付き合いながら、インジェクションシステムを開発したり、
柿本レーシングのメカニックとして、あるいはSSターボのメカニックとしての経歴を
持ちながら、独立して『AUTOSTRADA』というお店を始めた。

藤本は、D-Fit開発時代は知らなかったのだが、柿本さんのところで知り合い、
その後、谷田部のテストのときに、思いがけず佐々木さんと再会。

「あれ、佐々木さん、どうしたんですか?」
「いやぁ、いまSSターボさんにお世話になってるんですよ(笑)」

そんな再会から、もう20年以上経ってしまったが、
折りに触れ、いろいろな話を聞いたり、バカな世間話を繰り返してきました。

SSターボ時代に、藤本がお願いして、SW20をベースにした、
10秒フラットのマシンを作る計画に賛同してもらって、
その後、1998年6月号から1999年12月号に至るまで、
1年半の連載に付き合ってもらったのだが、
その間に、実際にエンジンを組みながら、
チューン計画を練りながら、
ECUのセットアップをしながら、
いろんな佐々木さんの側面を知ることができた。

 

ま、SW20に関しては、「FACTORY」のページで
詳しく掲載していくつもりですが、
今回は、ブラッと立ち寄ったアウトストラーダの訪問記であります。

実は、佐々木さんのところに立ち寄ったのは、5月の初頭でした。
もうずいぶんと時間が経つのですが、HPで紹介する「コレッ!」という
題材が見つからなかったんです。
だから、写真は撮ったし、話も6時間位したんですが、
どうしたもんかな〜?と迷っていたというのが本当のところでした。

でも、ある朝、起きたときに、フッと思ったんです。

「雑誌じゃないんだから、取材対象がヒトであってもいいんじゃないか?」

そうです。CARBOY2017の動画も、イロイロなところにお邪魔をして、
相手の方と、いろいろクッチャベッている様子を動画にしているだけです。

これは、以前から藤本が思っていた、

「取材対象の事柄に関しては、写真や文章で雑誌掲載してきたけれど、
それ以外の世間話的なものや、関係のない事柄に関しては、
一切発表することがなかった……でも、そんななかに、非常に面白い
ことが、いっぱい詰まっているんだけど……」

これを動画にしてみようと思ったのがキッカケでした。

同様にして、動画ではなく、文章で、写真で、世間話をHP化することも
アリじゃないんでしょうか……ま、勝手にそう思いついたわけです。

というところで、アウトストラーダさんにお邪魔したら、
入口にV8エンジンがあった。それも、新品。
アウトストラーダでは、これまでスバル系の仕事が多かったと
聞いていたが、いきなりのV8……。

「あ、これは、お客さんの要望で、BMWに搭載する予定なんです」

サラッと言ってのける佐々木さんだが、よく話を聞いてみると、
お客さんの要望ではあるのだが、最近のV8エンジンにちょっと興味があって、
新品なんだけど、全部バラして、内部をチェックしたという。

 

「不安要素はないんですが、高回転域を使うと、腰下、
クランクまわりがどうかな?という感じですね」

藤本も、新しいアルミブロックの高圧縮仕様のV8エンジンというのは
馴染みがないもんで、ジロジロと見せてもらったが、
あらためて、『V8』というエンジン型式を考えだしたアメリカ人に、
敬意を表したいと思った。もちろん、NHRAを走っているV8等の
知識が加わってのものなのだが、8気筒という多気筒を、交互にセットして、
直列6気筒よりは、遥かにコンパクトに、そして、左右のバンク部分の
寸法は必要なのだが、EXシステムの自由度や、インテークを集合させた
利便性……昔の人は、うまく考えたもんだ!

 

しかしながら、現在の日本においては、アメリカンV8というのは、
残念ながら主流にならない。イメージとして、大排気量&燃費が悪い、
音がうるさい等のマイナスイメージばかりが蔓延しているからだろう。
しかしながら、エンジンの細部を見ていくと、アメリカはアメリカなりに、
いろいろと考えているのだということが理解できる。

先日取材したAJITO&9SECONDSの長谷川さんのところでは、
フラッシュメモリーを利用したメインコンピュータTUNEが
行われていたが、従来のアメ車とは異なった、新しいV8チューンは、
手が入れにくくなってしまった日本車(魅力がなくなった?)とは異なり、
いろんな魅力に富んでいる。

「最近ね、V8に興味があるんですよ。ただ、いまのところ、
お客さんがいないので(笑)。でも、いろいろとやってみると
楽しいんじゃないか?と思えるんです。近頃使っているのは、
Linkというコンピュータなんですが、これを使えば、手頃な価格で、
キチンとセットアップすることができると思います」



2柱リフトには、この6.7LのV8を搭載する予定の
BMW(型式は知らない)がエンジンルームを
すっからかんにして待ち受けていた。

通常の雑誌ライターなら、
「あ、スゴイですね〜、完成したら、是非取材させてください!」
そう言うところだろうと思うけれど、
なぜだか、藤本には、あまりそうは思えなかった。
どうしてなんだろう?と自分で考えてみると……。
いま、興味があるのは、佐々木さんが、V8エンジンを使って、
どのような新しいチューニングレンジを拡げてくれるのか?
これまでのV8イメージとは異なったアプローチで、
派手ではないけれど、乗って面白いV8を作るのか?

そのあたりに興味があるのだ。
いろんな人が、「自分のクルマも、こうなるのか!!」というものを、
なんとか作り出せないか? そういうところにいってしまう(笑)


「そうなんですよね〜。地味だけど、クルマのことわかってるな〜って、
そういうラインが好きなんですよ、ボクは。これまでも、いろんな
チューナーと言われるヒトが、いろんな仕様やクルマを作ってきましたけど、
ボクがいいな〜っと思えるクルマづくりをするヒトって、意外に少ないんです」

地味なクルマ……かぁ。

いいな〜。ことさら目立って、どうだっ!って感じよりも、
地味で目立たないけど、乗ってて楽しくて、長く乗りたいクルマ。
そういうクルマを評価するヒトって、けっこう少ないけど、
藤本としては、そのあたりを、キチンと評価できて、いろんなヒトに
紹介できる人間になりたいな〜と、思っております。

「佐々木さん、ちょっと聞いていいですか? 佐々木さんがいいな〜って
思ったチューナーって、誰??」

「ええ〜っ、聞きますか? それ(笑)」

「是非」

「機械的なセンスや作り方なんかは、柿本さんかな〜。で、亡くなったけど
RSヤマモトさんとか、ABR細木さんとか、テスタロッサの石川さん……あ、
歳上のヒトばっかりですね(笑)チューニング云々よりも、クルマのこと
全体というか、バランスみたいなものを、わかってるというか」

と聞いてびっくりした。自分なりに、佐々木さんの答える人選を予想していたのだが、
ほとんどぴったしカンカンでありました。

佐々木さんとは5歳位違うのだが、なんとなく、感じがわかった。

昔、山本さんが作ったグロリアだったっけな?
TDタービンの小さいのにして、インタークーラーも普通のやつ、
まちなかで乗っていたら、ほとんど気にならないオッサングルマ。
でも、高速で100km/h巡航していて、そこからアクセルを踏んでいけば、
240〜250km/hまで、ストレスなく加速していって、渋滞にハマってもOK。
一度、そのクルマを谷田部に持ってきたときに、

「山本さん、まるっきりのオッサングルマですね〜(笑)」
と言ったら、
「ホントだよ、藤本くん、まるっきり(笑)」
とニコニコしていた。

日本のチューニング業界のなかで、注目されるチューンドカーというと、
やれ何百馬力だとか、最高速がどうだとか、筑波で何分とか、
そういうわかりやすい判断基準でだけで語られることが多い。
だけど、そうじゃないんだ……と思う。

アルピナは、決してそういうクルマを作らない。

一般の(スポーティカー好きの)ヒトが乗って満足度が高い程度、
乗り飽きない仕様、長く乗れるクルマ。そういうものを作ろうと
わざとチューン度を抑えたクルマに仕立て上げてくる。

ま、佐々木さんと、そういう他愛のない話をしていると……。

「そういえば、最近、知り合いのヒトが、昔のNHRAの
プロストックマシンを、エンジン・ミッションレスで購入したんですが、
それをボクがやることになったんです。だから、最近のV8エンジンを
使って、どうすればパワーやトルクが出て、どこまで使えるのか?
そんなテスト的なことができそうなんです」

 

 

 

上の写真が、そのクルマらしいのだが、
ただただドラッグマシンを作って走らせるというのではなく、
新しいV8エンジンを、いろんな形で手を入れていくための、
ひとつのステップだと、佐々木さんは考えているよう。

ま、蓋を開けてみないと、話は始まらないが、
これからの展開に、注目しましょう。

 

 

アウトストラーダ
〒252-0244 神奈川県相模原市中央区田名3090-6
Tel 042-712-9744
 Facebook Addresses



■ SHOP&TUNER訪問記 ■



↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


TOPへ戻る

↑イロイロな記事がありますので、
Contentsページをご覧になってくださいませ!