とうとう踏み込んだ……
8秒ZONEというDRAG領域
HKSゼロドラッグが新しい地平を拓く!!
2020年という、なんとも語呂合わせのような
新しい年を迎えて、最初のCARBOYプレイバックは、
な〜にがいいでしょ?と考えていると、
ふと、『8秒台!!』かぁ……と。
現在のレベルで考えると、8秒台というのは、
FR改のマシンが具現化するタイムなのだが、
GT-Rならば、もうずいぶんと前から8秒台というラインは
前半争いに突入している。
だが、今回紹介するのは1989年10月に開催された
CARBOY0→400mであります。
つまり、正味30年前のお話でございますよ。
谷田部の自動車試験場を皮切りに、
FISCOに舞台を移したCARBOY0→400mだが、
悲願の『8秒台!!』は、なかなか実現することができなかった。
ターボが常識化し、タイム競争が熾烈になっていくなか、
それでも、なかなか超えることのできない『9秒の壁』が存在した。
ストックボディをベースに改造を施し、
エンジンパワーを極端に引き出すという手法で進んできた
日本のドラッグレース界だったが、その限界が、そのポテンシャルが、
どうしても『9秒の壁』を超えられない……。
そういう焦燥状態のなかから、一気に抜け出したのがこの回の
CARBOY0→400mでありました。
以前にも紹介したHKSの70SUPRAが、
それまで超えることのできなかった『9秒の壁』を、
一気に乗り越えてしまったわけです。
USA製のパイプフレームにHKS製SPLパワーユニットを搭載。
車重900kg、7M-G改2.7L 850馬力 TO4Eツインターボ
1.6kgブースト 2速AT マークウイリアムズデフ
ファイアーストンドラッグスリック
以上のようなスペックのマシンを、
川崎哲也選手のドライブでCARBOY0→400mに
持ち込んだ結果としての8秒605……。
1989年10月29日付け
上の表は、そのときに掲載した、
CARBOY0→400m歴代ベストET70傑であります。
8秒605を筆頭に、11秒台に至るまで、
これまでCARBOY0→400mにエントリーしたマシンの
ベストタイム順であります。
昨年末に紹介した、L型NAのタイムは、
11秒フラット近辺を争っているもので、
この表内にも、ランナップスポーツZや
オートカルザZ、そして記録更新の
D1ガレージZ等も含まれている。
もちろん、これはCARBOY0→400mのみの
タイム一覧なので、RRC等の記録は含まれていない。
だけど、当時の記録の総合的なものが
存在しない(やればできるかもしれませんが)ので、
この時代のものとしては、ひとつのタイムランキングとして
見ることができると思います。
HKSゼロドラッグに続くのは……
ランナップスポーツZ
タカハシタイヤカマロ
右近ドラッグZ
フレンド河西サニー
柿沼130ドラッグZ
アンフィニドラッグZ
SSシノハラZ
ランキングナンバードラッグZ
アバンス名東ドラッグZ
TEAMシノミヤセルボ
RSファクターZ
……ほとんどがストックボディ改のマシンであります。
このような背景のなか、
HKSスタッフに支えられたゼロドラッグが、
衆人環視のなか、一気に8秒台に突入。
この『事実』が、このあとズッシリと効いてくる。
この『現実』が、このあとのドラッグレースを方向転換させる。
日本の国内で行われてきたドラッグレース、
いやゼロヨンレースが、ここにきて、大きな転換期を
迎えることになるわけです。
この後の展開は……おあとがよろしいよう……でぇ(笑)
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