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本格的に始まったドリコンGPシリーズ開幕戦!

1990年06月号(スポーツランド山梨)

色んな要素がギッシリと詰まった
1990年ドリコンGP開幕戦
ビックリ仰天のアクシデントから
あの三人組のデビューまで……

 

最近、よく耳にする話だが、
昔のドリフトと、現在のドリフトを比較して、
「昔のは、テクも稚拙だし、見栄えもしない」
そういうヒトがいる。

ナニ言ってるんですか〜。

そりゃ、動画で両者を比べたら、迫力やスモーク具合、
進入スピードや、ドリフトアングル……いっぱい違います。
そりゃそうですよ。ドライバーもマシンも、見せるドリフトを
演じるために、ドンドンと『進化』してるんですから。

 

でも、村尾くんの項でも書いたけど、


『最初に150km / hでサイドを引いたっ!』
ということが重要なんです。

それがOKなら、それを見た人間は、
「あ、150km / hでサイドを引いても大丈夫なんだ〜」
そう思うんです。そしたら、150km / hが160km / h、170km / hと、
ドンドンとスピードを上げていくもんなんです。

でもですよ。今回紹介するドリコンGPは、1990年のものです。
いまから30年近く前のことでありますよ。

自前のクルマで、なにやら噂のウワサになってるドリコンGPってやつに、
いっちょエントリーしたろうじゃありませんか〜。
そう思って、参戦してきたヒトたちの集団でありますよ。

そういう『いわゆる一般人』の方々が、ここ一番!と気合を入れて、
思い切った行動に出るわけです…………そこんところを、
こんぐかったままに、同一平面上で比較するというのは、
非常にナンセンスなことなんでありますよ(笑)。

 

ま、そのことはそれくらいにして、
1990年というのは、ドリコンGPが本格的に稼働し始めた年であります。

異様なまでの人気にあやかって、年間4戦のサーキット転戦方式で、
前代未聞のドリフトイベントをぶちかまそう!と、
藤本もそれなりの気合を入れておりました……ホンマか(笑)

で、優勝は800万円のM3を駆る小林選手が獲得したわけだが、
優勝ドライバーをかすませてしまったのが、
カルタスのアクシデントであり、狂気の3人組の集団暴走でありました。

ドリコンGPというのは、ドリフトが上手いかどうか?
それが重要なポイントではあるんですが、


それだけじゃない要素が重要視されるイベントでありました。

そこが、他の凡百イベントとは異なっているところです。

ドリフトの巧拙だでではなく、そのドライバーが、
どういう気持で、走っているのか?

噴出口を持たない若いヤングが、ドリフトという道具を手にして、
そいつを人前で披露するときに、どういうアッピールをしようとするのか?

これが、非常に大きなポイントになってくるわけです。
言ってみれば、ドリコンGPというのは、ある意味『人間勝負!』でも
あるわけですね。その人間が、どんな魅力を持っているのか?
それを、観客が発見するイベントなんですよ。

もちろん、コクピットのなかにいて、シートベルトに固定されている
ドライバーのことは、表情どころか、思考具合はまったくわからない。

だけど、だけど、ね。

わかっちゃうんですよ。何故か。

そいつがどういう気持で、アクセルを踏んづけているのか?
ナニを考えながらコーナーに激入していくのか?

そういうことが伝わってきちゃうんですよ。

わかりやすい例えで言えば、普通に街中を走っていて、
前のクルマがなんだか妙な動きをするな〜とか、
けっこう焦ってるみたいだな〜とか、
運転の荒いやつだな〜とか、
マナーがなっちゃないな〜とか、
いろんなことが伝わってくるわけですよね。

それと、基本的には同じことです。

クルマの動き、ちょっとした兆候で、ドライバーの
心理状態や、興奮具合が、伝わってきちゃうんですよ。

おっと、ついつい語ってしまいました(笑)

でも、それが真実です。

だからこそ、アッピールしたいという気持ちが
ピースサインを出させるんです。

コーナリングしながらピースすることに、こだわるんです。
自分の気持ちを伝えたい……からです。

ま、カルタスくんは、その気持ちが強すぎて
クルマが転倒するまでいっちゃったわけですが(笑)

以下は、当時の記事の再録です。
いま書くとしても、同じ……ですね(笑)

ドリコンGP を勝ち抜くためには、ひとつの約束がある。
ドリフトがうまいとか、ライン取りがきれいだとか、
そういうことは当然のことだけど、

厳しい審査買を思わず「オオツ!」と唸らせるためには、
ひとつの技が必要なのだ……

ただドリフトしてるだけなら、
「アッ、そう、ドリフトが好きなのね」で、
チヨンである。

女のコにいわせれば、
「いいひとだと思うの。でも、それだけよ。
彼氏にどうかつて? 冗談こきゃあがれ〜!」
と罵倒されるのがオチである。

で、いいヒトドリフトにならないためには、
一体全体どうすりゃいいのか?
この答えは、一度でもドリコン会場に足を運んだ
ことのあるキミなら知っているはすだ。
「魅せること」だ。

ドリフトを見せるんじゃなくて、ギャラリーを魅了することなのだ。

このためには、ギャグでもいい。
あるいは、コースいっぱいを使ってもいい、
とにかく、クルマの動きで、自分のドリフトを
表現することだ。

ま、このド観性カルタスほどには頑張る必要(?)はない……けどね。

 

もう、もう頼むからやめちくり〜。
そんなに頑張らなくても、そんなにテーツーノーズで、
コーナーに入んなくたって、アーッ! ぶつかる。
ゲーッ!クラッシュだ〜。

ギャラリーの80%が心臓病だったら、このトリオは間違いなく
業務上過失致死(?)に問われるに違いない。
それほど過激なヤツラだった。

これまでグループ交際クラスにエントリーしてきたマシンは、
どれくらい整然とドリフトをさせるか? 
これが勝負だった。

だけど、こいつらの頭のなかは、どこか違ってる。
ブッ飛んでいるのだ。普通の神経の持ち主なら、
こんな突っ込みは絶対にしない。

コーナリング中は、歓声も拍手も、この3台のマシンには送られない。
ただ、ただ息を呑んで見ていて、コーナーを抜けてから、
ものすごい拍手と歓声がわきおこる……やっぱスゲエ。

 

 

 




↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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