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決着は0.02秒……非常にシビアな勝負だった!

1987年2月(FISCO)

国内最速を狙った
最新鋭TURBOマシンが
FISCOに大集結!!

 

決着は0.02秒……非常にシビアな勝負だった!

決勝にコマを進めたのは、予選タイムの上位8台。

テスタロッサドンカーブート
アメリカモータースZ
オートセレクトストリートドラッグZV
トラストスーパーカローラパートU
エスプリドラッグスーパーZ
BLAST Z
グランbyTBO
藤田エンジニアリングRX-7

予選1位&2位を占めていた
ビルドサニーとランナップスポーツZが、
トラブルが原因か、決勝リタイア。

波乱含みの決勝トーナメントを制したのは、
オートセレクトストリートドラッグZVだった。

決勝ラウンドの対戦相手は、
エスプリドラッグスーパーZ。


400m地点で、0.02秒の差だった。

0.02秒というのは、数字にしてみれば
100分の2秒なのだが、100分というのは、
言うまでもなく1秒を100回に割った数値。

日常生活で、こういう単位に遭遇することは、
まず、ないと言っていいだろう。

しかしながら、タイム形式で開催される
レースシーンでは、『100分の』、とか、
『1000分の』といった単位で、
勝敗が分かれるケースが、ままある。

ここで、ふと気がついたのだが、
このレースの勝者である、
オートセレクトストリートドラッグZVの写真が、
最後の決勝ページに掲載されているものの、
巻頭に登場していない……ということ。

タイトルページの次に来るのが、
『0.02秒差のレクイエム』というタイトルと、
エスプリドラッグスーパーZのリヤビューであります。

多分、というか、当時の自分の感情を推測してみると、
リヤに書かれた「777」という数値。
カタカナ読みすれば『ラッキーセブン』であります。
その、「777」というゼッケンを背負ったマシンが、
最後の最後の決勝戦で、僅か、わずか、0.02秒の
タイム差で敗れ去ってしまった。

そういうことに、心が傾いていたんでしょう。
オートセレクトさん、大変、申し訳ございませんでした。

 

そして、エスプリドラッグスーパーZに続いて
登場させたのが、TESTA ROSSAドンカーブート。
このマシンの現在の状況を、お伝えしたことがありますが、
FISCOで見たドラッグマシンのなかで、
スタート直後の速さという面で見ると、
このマシンがトップクラスだったと記憶している。

以前、仙台ハイランドのドラッグ担当者と話をしたときに、


「私も、CARBOY0→400m見に行ってましたよ!」
「どんなクルマが印象に残ってます?」
「TESTA ROSSAドンカーブートですねっ!」
「そうですか〜」
「はい、あのスタート後の消え方は、どんなクルマとも
違ってました。強烈な印象は、いまでも覚えてます」

そうなんですよね。
ランナップスポーツZが、谷田部で強烈なウイリーをしたとき、
ビルドサニーが初の10秒台に突入したとき、
BLASTサニーが、アシリベツの砂山を駆け上がった瞬間……。
非常に印象的なシーンというのは、
それほど数はないけれど、何十年経っても記憶に残っています。

そんな記憶の両車が、スタート前に、並んでいる写真が、
下の写真です。

 

ピンクのサニーに乗り込もうとしている川崎選手。
それを見ながら(?)ヘルメットを装着する柿本さん。
その後ろに居並ぶ、強烈なチキチキマシン軍団。
……異様なほどに、時代を象徴しているワンショットであります。

トラストスーパーカローラには、
5M-Gターボエンジンが搭載されていましたし、
はるか後方に見えるカウルは、
北海道から遠征してきた札幌死喰魔クオーターマイルSPLでしょうか。

この日のFISCOには、総勢34台のマシンが集結しました。
そのどれをとっても、チキチキ度は半端じゃありません。
全国各地&津々浦々で、夜な夜なベルトサンダーと溶接機を
駆使して、誰とも違う独特マシンを作り続けた人間たちが、
当時は、数え切れないほど存在したわけです。

そんなことを思い出すと、
なんだか、たまらないような気分になります。
1987年……もう30年にも、なりますかぁ〜。


 



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よろしかったら、お願いします。


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