強烈START DASH!のドンカーブート

TESTAROSSA(静岡)

ドンカーブートに550馬力のパワーを持つ
FJ20改2.3Lを搭載した超パワーウエイトレシオ
CBゼロヨン屈指のスタートダッシュを見せつけた!!




 思いっきり久しぶりに、沼津のテスタロッサを訪ねた。
もちろん、ノンアポだった。「あ、石川さん、こんちにちわ」

「……ふ、藤本さん、どうしたんです?」

「いえ、ちょっと、近くを通りかかったもんですから(笑)」

RB2.3Lの一日ボアアップや、ユニークなアプローチで 有名なテスタロッサだが、
知っているヒトは知っている超過激ショップ。

 FISCOで開催されていた頃のCARBOYゼロヨンに
登場したLYエンジンを搭載したZ(若い人は
知らないかも……レース用のクロスフローのL型エンジンです)や、
超軽量のドンカーブートにFJ2.3Lを搭載して、2.5kg/p2の
ブーストをかけたマシンで、スタート時に、目の前から
消え去ったようなパチンコスタートを演じてくれたことをいまでも、
鮮やかに思い出すことができる。

「石川さん、あのドンカーブートが、一番強烈な印象だったって、
仙台ハイランドのスタッフも言ってましたよ(笑)。何年たっても
忘れられないって。ボクとしては、ドンカーブートも凄かったけど、
それよりもサニーバンですね。あれは強烈でした。」

「あ、そうですか、まだ、ガレージの奥にしまってありますよ」

「エッ?」








本当でした。毛布に包まれておりましたが、
原型をとどめて、保存されていました。

ちょっと、感動しました。そして、このマシンを
取っておこうと思った
石川さんの気持ちも、なんだか、
わかるような気がします。

 FISCOでのサニーバンのワンショットを掲載しておきましょう。
いまどき、こんな支え方してたら顰蹙もんでしょうが、
当時のCARBOYゼロヨンじゃ、日常茶飯事(笑)



というわけで、CB伝説に登場した思い出深い
ドンカーブートも紹介しましょう。


©八重洲出版 

 

現在の7秒マシンに劣らないほどのスタートダッシュを持つ
FJ20ターボはブースト2.5kg/cm2のフルチューン仕様!!



ドンカーブートにFJ20改ターボを搭載したテスタロッサの
異色マシンは、CBゼロヨンでデビューした。10年ほど前の話に
なるが、そのころのドラッグマシン作りというのは、現在の
それとはちょっとばかり違っていた。

強力なエンジンパワー、そして軽いボディ。これが大きな
要素だったわけだ。そして、その代表選手がこのテスタロッサ
ドンカーブート。ケータハムのスーパーセブンよりもトレッド、
ホイールベース等が大きいとはいっても、
超軽量マシンであることはいうまでもない。

これに550馬力のパワーを持つFJ20改2.3Lを搭載するのは、
いかにもテスタロッサらしい。サニーやZ等にもFJ20改を
搭載してきたが、このドンカーブートは……やっぱり異色マシン。

OS技研製のロングストローククランクを組んだ2.3Lは、
圧縮比が7.5。70度カムでTD05タービンをツインで装備する。
他の補機類は、トラストウエストゲート、オリジナル
インタークーラー&EXシステム、B&Bクラッチ、
240Zミッション、ファイアストーン10・5-28・5×15タイヤというところだ。

CBゼロヨンのスタート地点で、クラッチをつないだ次の瞬間には、
クルマの動きが見えないほどの強烈なダッシュ力を披露してくれた。
FISCOでのベストタイムは10秒607。北海道ゼロヨンでは10秒1程度をマークしていた。

そのころのゼロヨン状況は、10秒台で足踏みが続いていた。
だれが国内初の9秒台をマークするのか? どのましんが9秒を出すのか?

そんななかで、異色のドンカーブートも9秒候補のなかにいた。
結果的には10秒の壁を破ることが出来なかったものの、
その原因がパワーと軽量だけではない……そう、トラクションの
コントロール、タイヤの選択、ミッションの問題と、その後の
ドラッグマシンを作るうえでのいろいろな参考になった。

このマシンを作り上げたテスタロッサの石川さんに聞いてみると、
4気筒エンジンとはいえ、FJ20を搭載するには、けっこうな改造が必要だったという。

「フレームは、結構切ったりはったりしましたね。なかでも
ミッションは難物。というか、ドンカーブートが小さすぎるんですけど、
このあたりは苦労した部分です。いまはちょっとばかりコンピュータの
調子が悪いもんで、修理してますけど……」

ナヌッ?? ということは、いまも現役のバリバリなのか??
「ええ、元気で走ってますよ。当然FJ20改2.3LのTD05ターボ
仕様で、過給圧もバンバンかけてます」

コンピュータ関係をモーテックを使って仕上げる予定だというのだ。
そして、ストリートをあの時のままの速さで、いや、10年前以上の
速さで……やっぱりテスタロッサ系統は気合いが入ってます。

LYエンジン、ニトロ、そしてFJ20ターボ、そしてどんなエンジンでも
載せるというテスタロッサならではのポリシーから生み出される
マシン群は一種独特。他のショップとはひと味もふた味も違うアプローチは、
当時のCB野郎の心臓を直撃してくれていた。ンッ?? 当時ばかりではなく、
いまもテスタロッサは変わってないし、ますます過激だ。そうだ、
そうなんだ。石川さんって、掛け値なしの過激派……なんだぁ。

写真キャプション1
●トラクション等はそれほど考えていなかったが、スタート時の反動で
ドライバーの首がむち打ち状態になる……そんな気がするほどダッシュは速い。

写真キャプション2
●車重は650kg程度。これに550馬力のエンジンパワーが組み合わされると、
テスタロッサ独特のマシンが出来上がる。ホントに印象が強い1台だ。



もひとつオマケに、

このマシンの製作時の記事を発見しました。



©八重洲出版 

後日追記です。

この記事が掲載され、Facebookで紹介されてから、
懐かしく思っていただけるヒトがたくさんいらっしゃいました。
で、そこで出たのは

「いまは、どうなってるの?」

「サニーはテスタロッサに保管されいるっていうけど、
ドンカーブートは、なくなっちゃったの?」と

石川さんは「いや、先日車検を取って、現存してますよ!」と回答し、
その後、ドンカーブートの現在の写真を撮影(2017.03.02)してくれました。

ということで、現在のドンカーブートの姿を、ご紹介いたしましょう(笑)

「現在は、ターボのMoTecフューエルインジェクションコントロールです。
今後はターボを外して、年寄りでも乗れるようにしようかな?と考えています」

とのこと。

 

まだまだ現役で、存在し続けてくれそうです。

では、また。

 

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〒410-0874 静岡県沼津市松長1065
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