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S14 SILVIAポン付けTURBO決戦!! その2

SAURUS(埼玉)

STREETを制するためのBOLT ON TURBINE
S14 SILVIAポン付けTURBO決戦!! その2  

ブーストアップに飽き足りないキミは
どのポン付けタービンを選べば正解か??  

この楽しい難問にビッタリの解答を出すべく
ザウルス&CBポン付けクラブが敢えて
POWERチェックなしで徹底比較する!!

STREETを制するためのBOLT ON TURBINE

前回チェックしたHKSのGT2530&トラストT517Zに続いて
噂の斜流タービンや東名本気タービン、そしてアペックスAXタービンと
役者がバッチリ出そろいました……さて、どのタービンがどんな性格を持ち
どんなフィーリングを味わわせてくれるのか?コイツをシッカリと確かめよう
ストリートでブーストアップじゃ届かない領域を手中にするタービン決戦続行中!!

 

お待たせいたしました!! 前号が発売されてから、
数え切れないほどの電話問い合わせが、CB編集部、
ザウルスに殺到いたしました。曰く、

「ね、ね、もうタービンテストって全部終わってるんでしょ?
 どのタービンが一番よかったんです?」

「雑誌で言えないこと教えて!」

「いい子がいたら紹介して……」

おっと間違い&勘違い電話も含めて全国のシルビア
フリークから、次のテスト結果を一刻も早く知りたい!
という問い合わせの嵐でした。

でも、ここでもう一度言っときます。

CB&ザウルスでは、本気でこのテストをやってますし、
わかったことは全部CB誌上で公開します。

メーカーさんにとっては言いがかりに近いことや
言ってほしくないことそんなこともバシバシ言わせてもらいます。
イイものはイイ。悪いところは悪い。

そして、わからないところはわかりましぇ〜ん!!です。

後半戦となる今月のタービンチェックは、前回のHKSさんの
GT2530、トラストさんのT517Zに続いて、
パワーエンタープライズさんのPE1420Hi、
東名パワードさんのCTS、アペックスさんのAX53B70、
そして最新S15純正タービンと、気になるタービンを
4種類ドドーンと実践チェックします。

それぞれのメーカー担当者さんには、ストリートで一番
いいと思っているサイズを選定してもらいました。

そのテスト結果、フィーリングチェックに関しては、
各々のタービンの解説を参考にしていただきたいのだが、
最後には、全タービンの性格を知るためのCB&ザウルス
独自のチェックを掲載しております。

各回転毎のブーストの立ち上がり&加速感、低回転域の
フィーリング、ブーストの安定度、次なるステップへの
期待度、実際に作業したうえでの作業性……そういった
ものを正直なところチェックしました。

一見すると同じようなポン付けタービンですが、やっぱり
実際にテストをしてみると、いろんなことがわかります。
そして、開発スタッフがどんなことを考えながら、
あるいはターゲットをどこに設定して作り上げてきたのか?
ということが、うっすらとではありますがわかったよう
な気もします。これらのタービンのうち、どれを選ぶのか? 
そいつはキミのシルビアの使い方、自分のドライブテク、
加速フィーリングの好き嫌いといった面をジックリと、
キミ自身でチェックして、そうして思い切って選んで
いただきたい……CB&ザウルスはそう思ってます!!

48キャプ 指定外21w×4行
キャプ1
●コンピュータのセッティングは、走行しながら現車
合わせのセッティングを行なう。そして、そのタービンに
最も適した燃料セッティングを行なう。
その後全開でテスト走行に……移る。
キャプ2
●ブースト圧がまちまちだと、性能比較にならないと
いうことで、今回は1.10kg/cm2に設定する。だが、
アクチュエーター式で、ブーストが若干上がったり、
変動するケースもある。
キャプ3
●タービン単体でもアクチュエーターのセッティングを
行なっているが、念のため組み付け後もどのあたりで
圧が抜けるかをチェック。各々のタービンは
0.7〜0.8kg/cm2でバルブが開く。
キャプ4
●燃料に関しては、550ccのノズルをセットし、GT-R用の
燃料ポンプ、そしてZ32のエアフロと、基本装備を
シッカリとしてあるので、全噴射という
ところまでには行かなかった。
キャプ5
●少しでもフィッティングの問題があるとエンジン
ルームのチェック。走行は同じ条件になるように
夜間に行ない、数度の走行後、一番きれいに
データがとれているものを採用した。
キャプ6
●下は今回のテスト車を提供してくれたオーナーの
月舘さんである。実はザウルスのフロント担当で、
タービン交換テスト後は……S14ノーマルに
戻ってしまうのが悲しい??

ウワサが噂を呼んでいる斜流タービンである。

パワーエンタープライズがプロデュースするS14専用に
開発されたタービンは、一見小型に見えるのだが、
その内容は非常に濃い。

届いたタービンキットを開封してみると、内部には
タービンとアクチュエーターがセットされていて、
その他は……なし。ヤケにすっきりしているのだが、
こいつはこのタービンキットの価格設定を考えて
いただければ納得してもらえるはず。他社製品が
20万円弱なのに対して、PE1420Hiは13万円。

ノーマルアクチュエータータイプなら10万円なのだ。
当然、ノーマルのオイルライン&水ラインは純正流用、
S14用に最小限のパーツ構成で開発されたのだ。

自社テストではアウトレットパイプ(エクステンション
ですね)とEXマニホールド等の補機類を組み合わせて、
1.35kg/cm2で370馬力というパワーを実現しているのだ。
この小さなハウジングの外観から考えると、メチャ健闘
してくれるタービンキットといえる。

さて、組み付けに関しては全く問題はない。今回用意した
ザウルス特製のオイルラインは仕様できなかったが、
S14の純正ラインをセットしてやればOKだ。

そして……チェック開始。その容量の問題から予想された
ように、低回転域のフィーリングは非常にいい。S15の
ノーマルと似たラインで立ち上がっていくのだが、
その感触はS15よりもずっといい。アクセルのツキもよく、
全体的な加速のフィーリングはノーマル風なのだが、
確実に速くなっている。

ブーストが上がり気味だということを考えても、シフト後の
ツキ、加速に移る感触、タービンの立ち上がり、そのまま
フルブーストとなってからの加速……S15タービンよりも
全体的に鋭く、速さに直結している。他のタービンと
比べても、マイルドな加速感だが、ワインディングや
ドリフト走行等の、実際のステージでの使い勝手は、
ノーマルよりも非常にいいというべきだろう。

ただし、ブーストを他と同一にしようと下げてみた
のだが、下がりきってくれない。これまでザウルスでは、
ノーマルアクチュエーター改造のPE1320Loを何台か
製作してきたが、こういう現象は始めてだった。
プロフェックを外しても、1.15以上に上がるのだ。

アクチュエーターのバルブ開弁チェックは行なっているし、
そのときは0.75〜0.8kg/cm2でキチンと開いていた……
このあたりはちょっと不明だが、ま、Hiアクチェエーター
仕様を選ぶ場合には、ブースト設定も高めになるから
問題はないのかもしれない。

低中回転域では抜群のフィーリングを見せるPE1420
タービンだが、その分高回転域では他のタービンと
比べてしまうと苦しくなる。

5000、6000回転と回していくと、徐々に加速感が
少なくなっていくのだ。ノーマルよりは加速感があるのだが、
他のタービンのサイズが大きめだから、そのあたりが
比較ポイントになってしまう。

ただし、これはパワーエンタープライズからコンプレッサーが
大容量タイプのPE1720が近日中に発売されるから、
高回転域を重視したいひとは、そちらをチョイスする
というのも手だろう。たぶん価格設定も、従来通り
低価格で提供してくれる……はずだと思う。

このタービンにハイカムを組んでやれば、少しは
違ってくるとは思うが、それよりも、パワーエンター
プライズで行なわれているように、大容量のアウトレット
パイプと等長EXニホールド等を使ったステップアップを
考えたほうが、このタービンのおいしいところを保持
しながら高回転域のフィーリングも変わってくるだろう。
タービンの基本性能がいいのだろう。マフラーからの
排気音もノーマルとほとんど変わらないし、
使い方を考えるとGOOD。

 

50-51キャプ 指定外20w×4行
キャプ1 15*5
●アクチュエーターのスイングバルブとタービンの
EXハウジング出口とは、7分ほど隔壁がある。
これは、以前GTタービンでも同様のものが
設定されていた。
キャプ2 15*5
●PE1420のHiタイプでは、ブースト1.35kg/cm2で
370馬力というデータが計測されている。これは
アウトレットやEXマニを組み合わせた仕様で計測されたものだ。
キャプ3
●IHIのボールベアリングタービンは、パワー
エンタープライズからS14用のボルトオン用と
して容量等を設定されたもの。ノーマル
アクチュエーター仕様のLoタイプもある。
キャプ4
●タービンをEXマニホールドに装着する点等は
他のタービンと同じくノーマルと逆に作業を
勧めていけばいい。続いてオイル&水パイプを
装着しようとしたら……ンッ??
キャプ5
●ザウルスで作った専用オイルラインが装着できない。
他のタービンと、ちょいと内部構造が違うのだ。
上の写真はHKSのGT2530。
内部の構造がこういうふうになっている。
キャプ6
●これがPE1420のオイル戻し用の穴である。
といってもノーマルのS14用のパイプを使えば全然OK。
キット内容はタービンとアクチュエーター
のみで、ノーマルを最大利用する。
キャプ7
●で、このように、ノーマルのオイルラインを装着した。
通常は、このバンジョー部分、パイプ部分を曲げたり、
潰したりしないように作業すればOKなのだ。
キャプ8
●ここでEXマニホールドに装着し、エクステンション、
遮熱板とせっとしていく。このあたりはノーマル配管を
使っているので問題はない。通常の作業をすればOK。
キャプ9
●で、エンジンルームにセットで組み込んでやる。
この場合、マニホールドガスケットが破れたり、
剥がれたりしている場合は新品を使う。
念のため用意しておいたほうがいい。
キャプ10
●フィッティングも問題はない。ただし、オイルラインを
曲げないように、パイプを潰さないようにと、気を
配ってやることは必要だ。くれぐれも無理に突っ込まないこと。
キャプ11
●上の遮熱板を装着してタービンはエンジンに
ドッキングされた。あとは、ノーマル外しの逆に、
外したパーツを装着していくだけでいい。順番を守るように。


■DATA分析


低回転のフィーリングは非常にいい。というかノーマルと
ほとんど遜色のないフィーリングで回っている。
アクセルのつきもいい。ブーストの立ち上がりがいいので、
ノーマルよりもグッと速くなっているのがわかる。
ただし、タービンサイズの関係もあって、4000、
5000回転と踏んでいくとノーマルほどではないが、
加速感が少なくなってくる。ただし、全体的な
フィーリングとして確実に速くなっている。


■パワーエンタープライズでは、S14用のタービン
キットとして2種類のものを発売している。
ノーマルのアクチュエーターを使用するLoタイプと、
強化アクチュエーターを組み合わせたHiタイプだ。
Loタイプはブースト設定が0.8〜1.0kg/cm2で使用するもの。
Hiタイプはそれ以上で使うときに選択して欲しい
というわけだ。そして、極力コストを低減するために、
ノーマルのパーツをできるだけ流用するということで、
キット内容はHiタイプでもタービンと
アクチュエーターのみというシンプルさである。
S14専用に開発されたものなので、このタービンを
S13シルビアに装着するときは、オイルラインを
S14用ノーマルを使ってやる必要がある。純正ラインを
使用する場合には全く問題がない。このタービンは
サイズは小さめなのだが、ブースト設定1.35kg/cm2で
370馬力以上をマークするというポテンシャルを持っている。
このときの補機類は専用アウトレットとEXマニを
組み合わせている。また、S13では同様の仕様で
340馬力程度だという。また、パワーエンタープライズでは
コンプレッサーを大きく設定したAX53B70に近いサイズの
PE1720を近日中に発売するするというので請うご期待!!
DATA■S14用ボルトトオンタービンPE1420
Hiアクチュエーター仕様 13万円 Loアクチュエーター仕様10万円

まず悪いところから列記していこう。東名パワード製の
S14専用ポン付けタービンであるCTSタービンは、
交換後のセッティングに乗り出してすぐに「ちょっと
低回転域が少ないな〜」と感じる。これはノーマルと
比較した場合でもそうだが、他のタービンと比較した場合でも、
一番下がないと感じる。3000〜4000回転あたりのレスポンスは、
明らかに他のタービンに比べてよくない。

その分、高回転域で凄いものを見せてくれるか?と期待して
踏み込んでいくと……予想していたよりも、トルク感が若干少ないのだ。

もちろん、このように言ったからといって、ストリートで
使えないとか、そういうレベルの話ではない。ノーマルから
このタービンに付け換えたら、若干下がないと感じるけれど、
4500回転あたりから始まるターボらしい特性を味わって、
ウン、これだよな!という感じになるはず。

そういう意味でのターボらしい立ち上がりであり、
回っていきかたなのだ。これは、ガソリンの入り方でも証明されている。

空燃費を濃くしていっても、それほど加速感が上がって
くるわけではないのだ。どちらかというと絞り気味に
していったほうが、レスポンスもあるし、加速感も悪くない。

3000〜4000回転域の元気のなさというのは、タービン単体で
組み込んだときのもの。東名パワードでは、タービン単体の
ことだけではなくて、このタービンとノーマルエンジンの
ドッキング時に、オリジナルのカムシャフトを組み込むことを
設計段階から考えられている。

タービンを交換して、ハイOKという予定なら、他のタービンを
選べばいいだろう。だけど、そこから細かなフィーリングUP、
トルクの変化を煮詰めていきたいと考えているのなら、
カムシャフトを入れることを前提として考えられた、
大容量タイプのこのタービンは、俄然魅力的になってくる。

エキゾースト側は、サイズ的にはGT2530と同じなのだが、
ハイフロー化されているので、余裕があり、ブースト圧の
安定度というのは、今回テストしたタービンのなかでも
断然トップ。排圧に影響されないということが効いているのか、
ビシッとブーストは一定でかかり、高回転域でもタレていく傾向は見られない。

元気のない4000回転以下とは違って、4500〜5000回転あたり
からググッとくる。そして、そのままこれぞターボっていう
感触で7000回転オーバーまで回っていく。それ以上もOKだろう。

ただし、トルク感というのは最初に言ったようにそれほど
感じられない。加速テストの結果を参考にしてもらえば
わかるのだが、タイム的に遅くはないのだが、体に感じる
加速感に乏しいのだ。このあたりは、タイプは違うものの、
GT2530タービンとよく似ている。

たぶん、東名パワードを始めとしたメーカーさんは、
GT2530というタービンを研究して、それを超える性能、
独自の性格……そういうふうに開発を進めてきたからだろう。

東名パワードから発売されているカムシャフトは、
ドリフト走行等も照準に入れられたトルクコントロール用の
カムシャフトなのだ。作用角こそ高くないものの、
そのプロフィール、リフト量の組み合わせで、
このタービンを使いながら、トルクカーブがスポーティ
傾向にセットできるように作られている。

もちろん、面倒なバルブタイミングの設定がいらない
ポン付けタイプで、ノーマルのスプロケットにセット
するだけでOK。設計時に狙ったバルブタイミングが、
それだけの作業で実現できる。しかも……価格が安い!! 
IN&EXの2本セットで4万8000円。一本あたりの単価が
2万4000円!!(ま、この計算は小学生でもできるか?)。

林師匠も、このタービンはぜひカムを入れてテストを
してみたい……そんな期待度ワクワクなのが
このCTSタービンである。

 

 

 
52-53キャプ 指定外20w×4行
キャプ1
●エキゾースト部分のアップである。スイングバルブと
エキゾーストフィン部の間に隔壁はない。ハイフロー化
されているので排圧の変化にも影響されにくいのだろう。
キャプ2
●右の写真でもわかるように、コンプレッサー側の羽根は
GTタービンと比べるとずいぶん違っている。カム
シャフトとの組み合わせで性格はずいぶんと変わるはずだ。
キャプ3
●東名パワードから発売されているCTSはギャレット製。
もちろん、サイズや羽根の形状等は東名パワード
オリジナルのタイプとなる。大きめな容量を持つタービンといえる。
キャプ4 14*6
●タービンを交換して作業を進行していくと、各々の
違いが現われて面白い。この東名パワードのCTSの場合は
ノーマルと同様ポンッと付く。ヒートプレートも加工不要。
キャプ5
●熱の問題等があるので、ザウルス特製のオイル&水ラインを
セットする。ノーマルのラインでもOKだ。ただし、
遮熱等の作業をしておいたほうがいいだろう。
キャプ6
●エキゾーストマニホールドとドッキングさせてやる。
これくらいのタービンなら、マニホールドも等長タイプを
組み合わせて、更なる高性能を狙うのもいいだろう。
キャプ7
●各種ガスケット類が付属しているので、交換時には
新品ガスケットを使ってやるといいだろう。ただし、
ヘッド面に残っているガスケットはきれいに取り除いておくこと。
キャプ8
●フィッティングに関しても問題はない。ノーマルタービンを
組み込むのと同様に作業をすることができる。
でも……このタービンで何基目だったっけ? もう覚えてないよ。
キャプ9 12*7
●遮熱板をセットし、サクション側のパイプ、インター
クーラーのパイプ……もう頭で考えなくても、体が覚えている。
サクサクと作業が進んでいく(?)わけであります。

■S14に的を絞り、おまけにドリフト走行等のステージも
想定して作り上げられたタービンである。対応出力は350馬力。
ボールベアリングを採用し、標準で強化アクチュエーターを
装備している。そして、一番のポイントとして上げられるのが
豊富な東名パワード製のカムシャフトとのマッチングを
考慮して設定されていることだろう。メタル製のEX
マニホールドガスケットを装備していることも評価ポイントとなる。
ハイパワーを狙い、中速域でのレスポンスやトルク感は、
カムシャフトと組み合わせることでタービン単体としては
難しいラインを作り出すことが可能だ。ラッシュアジャスター用
には256度の11oリフトのポン付けカム、ソリッドピポット用
には260度の11oリフトが用意されている。
そして、驚くのはその価格である。ノーマルのスプロケットに
セットするだけで適正なバルブタイミングをセットできる
ポン付け仕様のカムシャフトは、2本セットで4万8000円……安いでしょ!!
タービン単体としてもEXハウジングのサイズはGT2530とほぼ同等。
やや小さめにセットされているせいで、カムなしでもOK。
ただし、他のタービンやノーマルと比較すると、
下がない……というふうに表現しているが、ストリートでは
十分使える範囲のことである。そしてコンプレッサー側が
大きくセットされ、このタービンを組んだときの高回転域の
フィールアップの大きな要因となっている。
DATA■大きめの容量を持っているのが東名パワードの
CTSタービン。価格は18万5000円で強化アクチュエーター
各種ガスケット付き。ポン付けカムの設定もあり。


■DATA分析


ノーマルと比較すればの話だが、低速域は苦手である。
3000〜4000回転でのフィーリングがよくないのだ。
ただし、これはタービンの設定がそういうラインを
狙っているから。そのかわり、4500回転以上の領域では
ブーストも安定して、7000回転以上まで引っ張る気に
させられるタービンだ。ガスはやや薄めのセッティングがベスト。

2種類のサイズを持つAXタービンだが、今回テストしたのは
AX53B70という大容量のタイプのタービンだった。

予想通り半分、予想外半分という結果なのだが、低回転域の
弱さが、このタービンの弱点の最大のものだろう。
3000回転から、ブーストが立ち上がってくる4000回転
付近までのトルク感が少ないのだ。

タービンが立ち上がってからも、本格的な加速感は
4400回転からとなる。これはボールベアリング
タービンに共通している性格で、AXタービンだけの問題ではない。

だが、ひとたびこの回転領域に足を踏み入れると、
AX53B70タービンは、今回のテストしたタービンの
なかでも出色の加速フィーリングを見せてくれる。

テスト時には、1速でゼロヨンスタートせずに50km/hまで
加速。そこからゆっくりと加速して60km/hで2速に
シフトアップ、そこからは全開で踏んでいくのだが、
このときのホイールスピン度が最も高かったのもこのタービンだ。

だから、通常ではホイールスピンしすぎるので、
スタート前にバーンアウト方式でタイヤを暖め、
そして上記のテスト方法を試みた。

ホイールスピンしながらの加速感、そして、そこからの
加速感、7000回転までの加速はストレスを感じさせることなく、
グングンと元気に回っていってくれるのだ。

同じような条件でテストしているからこそわかるのだが、
加速感という体感フィーリングは、非常に重要なものなのだ。
タイムが速いということ、加速Gがきついということ、
それとは違った意味で、ドライブフィーリングを左右するのが、
この加速感という体感なのだ。

そういう意味で、このタービンの加速感は、全般を通してみると
No.1ということができるだろう。排気音は静かなほうだ。
だが、やや高音な感じも受ける。

これで3000〜4000回転の領域がなんとかなれば……
というのは贅沢な要求なのだろう。だが、ストリートでは
よく使う領域なので、このあたりは好みが分かれるところだろう。
ストリートの扱いやすさ、峠での感触を追求するなら、
他の選択もあると思う。

このAX53B70は、テスト中に気にかかることがあった。
というのも、プロフェックBを使っている状況のなかで、
ブーストが安定しないで、1.10kg/cm2に設定しているのに、
1.05〜1.15という間で大波小波状態で浮動するのだ。

空燃費のセッティングは、ガスはそれほど入って
いかないのに、数値は低め(つまり濃いということ)
になるのだ。このあたりの感触は、ずいぶんと他のタービンと違う。

まあ、全体的に見ればよくできたタービンキットだと思う。
価格と装備品のバランス、取り付け説明書等もいい。
ただし、オイル&水ラインの遮熱だけでOKとしているが、
ボディ側にはレジスター等の装置があるので、
できれば遮熱板を付けるように考えてもらえるか? 
あるいは装着する人間が、独自で処理しておかないと、
後々トラブルに発展するかもしれない。

このタービンは、HKSのGTタービンの特性を徹底的に
分析し、独自の味付けで、これを超えようとした
タービンキットだということができる。GTタービンは、
先行モデルではあるけれど、なかなかのポテンシャルを持っているモデル。

AX53B70は、このGT2530タービンよりも大きめのサイズで、
低回転域の性能を切り捨てた分だけ、中回転域、高回転域での
性能を高めようと選択されたハウジング類を組み合わせたもの。

カムシャフトを入れたときの感触、加速感もテストしてみたい
と思う。ただその領域では東名パワードのCTSに及ばないか??


キャプ1
●まずは詳しい解説書を読む。AXタービンは詳しい
取り付け説明書がついているので、その通りに作業を
進めていけば間違うことはない。まず梱包されているパーツを確認。
キャプ2
●装備が充実しているAXタービンキットは、各ホース類の
遮熱対策がされている。というか、耐熱布を自分で巻いて
遮熱してやるのだ。だから、ノーマルの遮熱板は付けにくい??
キャプ3
●本当なら、ステンレスのワイヤーを使って錆びないように
してやりたい。きれいに仕上げるならワイヤーツイスターを
使用すればいいが……持ってないから丁寧に仕事をする。
キャプ4
●遮熱したラインをタービンに装着する。オイルライン1本、
ウオーターライン2本の計3本のラインが、キットに含まれている。
これは非常にポイントの高い装備といえるだろう。
キャプ5
●この状態で遮熱板を付けようとしたら……非常に付きにくい。
もちろん、ステーもないので……ま、これだけホース類に遮熱
しているから……あとはボディ側に遮熱が必要か。
キャプ6
●エキゾーストマニにセットしたAXタービンをセットしたところ。
あとはこれまで通りパーツをプラモのように組み込んでいく
だけ……と思ったら、もうひとつ問題発生。
キャプ7
●AXタービンには付属のホースカバーと接触するために、
マニ上部の遮熱板と干渉してしまうのだ。 で、両者が
当たる部分をマジック等でマーキングしてやる。
キャプ8
●そして、そのマーキングした部分をサンダー等で削り取って
やる。この作業が必要となる。切削作業の後は、エッジの
処理をキチンとしておくこと。手を切る……ぜ。
キャプ9
●加工が終わった遮熱板を装着してみる。ウン、コレなら
バッチリでしょ。フランジタイプの他のタービンと、ホース
バンドタイプのAXの違いが、ここに出るわけだ。
キャプ10
●他のキットは、サクション系のパーツを装着していくと
元通りのノーマルに戻るのだが、AXタービンの場合はちょいと
違って見える。このあたりはポイントが高い……か??
キャプ11
●マニホールドにセットされたAX53B70タービン。付属の
遮熱布を巻いたオイル&水ラインを始めとして、多くの付属
パーツが付いているのはお得感たっぷり。
キャプ12
●PE1420同様、IHI社のタービンなので、エキゾースト側の
眺めは似ている。エキゾーストハウジング内では、アクチュ
エーターのバルブと羽根が完全に分離するタイプだ。
キャプ13
●S14用のポン付けタービンキットには2種類がある。サイズの
大きめなのが、今回テストしたAX53B70タービンキット。
小さなタイプはAX53B60で、GT2530に近いサイズ。
キャプ14
●大容量のコンプレッサーハウジング&70φインペラーの採用で、
高回転域でのハイブースト使用が可能になったのがAX53B70だ。
テストベンチで320馬力以上を記録する。
55カコミ 15w×34行
■S13/S14シルビア専用に開発されたIHI社製のAXタービンは、
AX53B60とAX53B70のふたつのタイプが用意されている。
各々の対応出力はAX53B60が340馬力、AX53B70が360馬力で、
コンプレッサー&エキゾーストハウジング、インペラーと、
微妙に違った設定で構成されている。
水冷ボールベアリングを採用しているのは、他社と同様だが、
タービン性能のよさと共に、豊富なフィッティングパーツが魅力。
取り付け説明書も懇切丁寧だ。AX53B70の価格は19万8000円。
この金額でフィッティングが充実しているというのは、
ある意味でパワーエンタープライズ製のPE1420の13万円という
価格とも通底しているものがある。調整式のアクチュエーターも
同等のもので、ハウジング類のサイズ、形状等には違いが
見られるが、IHI社製のタービンのポテンシャルを感じさせるキットである。
このAXシリーズのIHIタービンには、AIRICK(エアリック)
といって、コンプレッサーハウジングとインペラーのクリアランスの
減少を目的とした製法を採用している。様々な部分でタービンの
革新が続いているのだが、それが少しずつ性能に貢献
してきたというのが実感……である。
DATA■水冷ボールベアリング機構を持つIHI製AX53B70は、
対応パワー380馬力の大容量タイプ。価格は19万8000円で、
調整式の強化アクチュエーター&豊富なフィッティング付き。


■DATA分析
全体的なバランスのよさではこのAXタービンが一番だろうか? 
低回転域こそ弱いのだが、レスポンス自体は悪くない。ブーストが
安定していないのは気にかかるが、低回転域の問題さえ気になら
なければ、そのままでもよし、カムを入れても可能性は大きい
……ちょっとほめすぎかもしれないが、それだけの実力はある。
本格的な加速は4400回転あたりから始まる。
現状では6000回転以上はやや弱い。

 

いやあ、やっと5種類、いや6種類のタービンの
交換&実走チェックが終了いたしました。

まずは、連日の深夜に及ぶ
作業をしてくれたザウルスのスタッフのみなさんに感謝
いたします。ホントあんがとさんです。

で、純正2種類、ポン付けキット4種類のタービンテストを
終えた総合評価でありますが……予想はしていたものの、
各々のタービンは、それぞれのメーカーさんの開発目標、
コスト調整、そしてフィーリングの好き嫌いと、
いろんな要素が複雑に絡み合って、どれひとつとして
同じようなものがありませんでしたですね、
ハイ。これは楽しかったです。

S14シルビアがノーマルエンジンのままで、ブーストアップ
用の最強装備を備えた状態で、付け換えながらチェックを
したわけですが、各タービンの回転領域でのブーストの
立ち上がり&加速感の比較、低回転走行時のストレス度、
ブーストの安定度、シフト後のブーストの立ち上がり&体感、
カムを入れた場合の期待感、取り付け時の作業度と、
いろんな面から、相対&絶対比較混合で点数を付けてみました。

基準は不満が3点、普通が5点、満足が7点、最高!が10点
といったところです。この結果を参考にして、キミのシルビアに
最適マッチのタービンを選んでいただきたいと思っとりますが、その前に注意です。

今回は同一条件ということで、ブースト圧は1.1kg/cm2に
そろえてテストしています。

タービンによっては、まだまだ
ブーストをかけてもOKのものもありますし、
これでいっぱいのタイプもあります。

そして、排気のエクステンションはノーマルを使っていますが、
これを大容量タイプを使うことで性能が変わるものもあります。
このあたりの差があるので、各タービンに関しては、
もう少し性能を追求する余裕があるということです。

圧倒的な高回転を求めるならGT2835/3040、T67/78と
いったフルタービンキットです。だけど、チューニングの
価格、扱いやすさといった問題も含めていくと、
ストリートでの実力派は、今回テストしたポン付けSPLだと
……思います。燃料&点火セッティングをシッカリと取ってやれば、
全開OK、パーシャルOKのストリート仕様として、
ほとんどのひとは満足できるだけのポテンシャルを持っています。
あとは、キミの走り方と好みに合えば……バッチリです!!(藤本愼一)



ネーム1
HKS GT2530
■みんなの研究ターゲットとされただけあって、総合性能は、
まだまだ魅力たっぷりということをあらためて認識した。
ただし、価格面では後発に水を開けられているので、
その部分の改善を望みたい。

ネーム2
TRUST T517Z
■唯一水を使わないので装着が簡単。しかも、加速感、
高回転域でのフィーリングと双方兼ねそろっている。
低回転域はAXタービンもあり、オールマイティな
走行性能を持っていると考えられる。

ネーム3
PE PE1420Hi 
■低回転域はノーマルと同程度の扱いやすさを持ち、
アクセルのツキもいい。S15タービンよりも立ち上がりの
早さ、感触も明らかにいい。その分高回転域は加速感が少ない。
だが価格面では圧倒的優勢を誇る。

ネーム4
A'PEX AX53B70
■今回テストしたなかでは一番総合得点が高かった。
だが、弱点は低回転域のフィーリング。それ以外では加速感、
区間タイム、パンチ力はポン付けタービンの実力No.1。
S14ノーマルを徹底的に研究した??

ネーム5
TOMEI CTS
■ターボらしい加速フィーリングをもっていること、ブーストの
安定感ではこのCTSが一番。だが大きめのサイズのせいか、
これぞっ!!という魅力に乏しい。ただし、
カムと組み合わせれば可能性度No.1!!

ネーム6
NISSAN S15
■全般的にS14タービンを高性能化したタービンと考えればいい。
だが、チューニングタービンという感じで装着すると、
やっぱノーマルの限界を感じさせられるはず。
チューン入門用として格安品を探す!?

ネーム7
NISSAN S14
■S15が登場して、そのタービン性能はちょいと古っぽく
感じられる。ブーストアップチューンを施しても、やはり
その欠点は高回転域のパンチ力、そして回転の伸びだ。
6400回転が加速感の上限だろう。

 

 


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S14 SILVIAポン付けTURBO決戦!! その1

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