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ポルシェのエンジンTUNE2017

PROMODET(埼玉)

空冷ポルシェのヘッドチューンの現在

 

L型エンジンのチューニングKNOWHOWを
投入して開始されたプロモデットの
PORSHEチューンのいまを取材してみた

car.boy.jpのホームページでは、
その記事の内容によって、ジャンル分けをしている。
当時のCARBOYとプロモデットの企画である
「ポルシェSCR計画」に関しては、

FACTORYジャンル

「国産感覚でやるポルシェTUNE」

で紹介しているが、

ここでは、現在プロモデットで行われている
ポルシェチューンが、どのように変化をしたのか?
あるいは、変化をしていないのか?

そのあたりを重点的に取材してみた。

取材時の様子に関しては、

CARBOY 2017 reborn #9 『プロモデット Part 1』

そして、

CARBOY 2017 reborn #10 『プロモデット Part 2』

で、VIDEO化しているので、ご覧いただければ幸いです。

概要から申し上げれば、基本的にポルシェチューンに
変化は……ない。言い換えれば、当時プロモデットの
小峰さんが導入した「L型ノウハウ」を、ポルシェヘッドに
応用するという手法は、それだけ劃期的だったということ。

当時、ポルシェチューンといえば、アメリカ製のカムシャフトに
交換したり、あるいは大金を叩いて、ドイツ本国に送って……と
いうような大層なことをしなければならなかったし、
国内では、チューニングとは呼べないほどのライトチューンが、
「ポルシェのチューニング常識」としてまかり通っていた。

だが、そこにターンフローのL型と同じようなポート研磨、
セット&フル荷重の大きなスプリングの応用という2大要素を
持ち込んだ小峰さんに、先見の明があった。

国産エンジンをチューニングしている人たちにとっては、
当たり前のことではあったのだが、それをポルシェに施して、
その結果がどうなるか?ということは不明だった時代だった。

さて、2017年現在、プロモデットではどのようなことが
行われているのだろう? 以前と違っている部分から紹介していこう。

まず、注目したいのは、バルブガイドである。

写真を見ていただければわかるように、ポート内部には、
バルブガイドの先端が突き出している。

以前は、ポート内部のガイドは、抵抗軽減のために
削っていたのだが、現在では、しっかりとバルブを
支持するために長さを確保する方向でセットされている。

また、反対側には、脱落防止用の段差が付けられ、
ここでもしっかりとバルブガイドを支持するように
考えられている。このバルブガイドは、ナプレック製。

 

こちらは、L型エンジンのヘッドである。
ターンフロー型なので、IN&EXのバルブガイドが、
1気筒あたり2個ずつセットされている。

そして、ポートを見てみると、典型的なL型の加工ポート。

 

たまたまプロモデットを探索していたら、ポート研磨室
(というか研磨コーナーか)を発見。小峰さんに合わせた
L型ヘッドを据え付け、ポート&燃焼室加工をする用意が、
いつでもできるようにセットされていた。

そして、左サイドにセットされたコンプレッサーは、
ちょっとめずらしいオイル供給式のもの……

と、
話していたら、小峰さんが取り出してきたのは、
なにやら見たことがない部品、というか、冶具というか……。

これは、ポルシェのヘッドを合体させるもの。
もともとが水平対向方式のポルシェなので、
ヘッドは左右に分かれてふたつ存在する。
その3気筒ずつ別体式になったヘッドを、
どうして再び合体しなければいけないのか?


「オレは、ずっとL型でやってきたから、ポートを
削っているときに、全部いっぺんに見えないと、
どうもやりにくいんだよな〜(笑)」

この冶具は、小峰さんにとって、L型のポート研磨を
するように、ポルシェヘッドを研磨するための必需品。

ただ、空冷式のポルシェの場合は、ヘッドに水穴がないこと、
そしてクロスフロー方式なので、片側にひとつのバルブしかなく、
ポート研磨の余裕度が非常に高いので、L型よりは、
神経を遣わないという。聞いてみれば納得の話である。

ま、世界的に見て、ターンフロー方式のエンジンで、
高出力&高回転仕様を作るという無茶なことをやっているのは、
日本のL型くらいなもの。本来であれば、スポーツエンジン用に
開発されたクロスフロー方式のドーム型燃焼室を持った
ベースヘッドを使ってやるべきなんだろうが、
当時、日産から供給されたLYヘッドが希少で、
高価でもあったため、日本では普及しなかった。

というか、その常識を飛び越えるほどに、L20からL28に
換装し、その上で3Lや3.1Lといった排気量を獲得した
L型のヘッドチューンが、全国規模で展開されたのだから、
特異な状態であるのは、仕方がなかったのかもしれない。

 

プロモデットのポルシェチューンの、もうひとつの
ポイントは、バルブスプリングのセットアップである。

ノーマルのポルシェに組み込まれていたスプリングは、
スポーツエンジンだとは思えないほど荷重の少ないものだった。

これを、L型と同等のレートを持つタイプに入れ替えた。
プロモデットのポルシェ改エンジンが、
「あそこは、レース用のエンジンを積んでいる」とか、
「GTレースで、外人のドライバーが『ストレートであんなに
差があるのは、どこかレギュレーション違反しているに違いない
再車検して貰いたい!』と恐々に主張した」のも、

ポートとスプリングという、当たり前といえば当たり前の
部分のモディファイの結果である。

ノーマルが30kgo程度しかないセット荷重を、60kgo付近に、
フル荷重もそれに応じて荷重アップされているスプリングは、
外径が大きく設計されているので、そのままではヘッドに
収まってくれない。

だから、ヘッドをざぐって、シートリングをセットし、
スプリング&リテーナーを装着する方法を取っている。

リテーナーは軽量のチタン製で、こちらもナプレック製。

 

取材時に発見したのだが、バルブの頭部形状は、
上の写真のように、


3本の溝が設けられている。

国産エンジンのそれであれば、
一本溝であることが多いのだが……。

このことから考えられるのは、ポルシェ側が
一般市販エンジンの仕様と、スポーツモデルの仕様、そして
チューンされるエンジンに応じて、部品をコントロールしている部分と、
それ以外の部分の基本性能ということ。

40kgoというやわいスプリングを組んでいるくせに、
バルブのコッター溝が3本というのは、過剰品質というか、
押さえるところは押さえているというか……ま、さすがポルシェ。

これと同じことは、クランクシャフトにも言える。
水平対向という基本構造を持っていることもあるのだが、
ポルシェに組まれているクランクシャフトは、ビックリするほど
ウエイトが薄く、強度的にも大丈夫か?と思うほどの
寸法設計ではあるのだが、実際問題として、この部分で
トラブルが発生することはほとんどないという。

必要にして十分。そのあたりの見極めができているという証拠だろう

 

 

それと比して、トラブルが発生しやすいのはピストン。
上の写真のように、サイド部分に、ビックリするほどの傷が。
このような症状は、空冷ポルシェに関して、けっこう多いという。

ピストンにトラブルが出れば、シリンダー側にも影響する。
ポルシェの場合、ピストン交換の必要が生じたときは、
シリンダーも同時に交換ということになる。

この出費は痛い(笑)

以前の「国産感覚のポルシェチューン」では、
シリンダーを修正ホーニングで済ませて、
そのシリンダー内径に応じたピストンを製作するという
手法で、なんとか切り抜けたのだが……。

シリンダー自体は、クーパーリングを採用していて、
それほどトラブルが出るということはないようだ。
一般的なチューニング仕様なら、ステンレスの
クーパーリングで十分対応するし、それ以上となると、
ベリリウム製にするとも聞いた。

 

プロモデットのエンジン室には、様々なパーツや
ヘッドがチューニングやOHを待っていた。
そのなかで目を引いたのは928用のV8エンジン。
ツインカムヘッドを持つタイプで、4本のカムと
クランクシャフト等を1本のコグドベルトで駆動するという、
なんとも無茶な負荷をかけるタイプのエンジンだったが、
そいつが、OHを待っていた。

いやあ、無駄に豪華なエンジンです。

 
 
 

小峰さんがポルシェに関わり始めて、もう20年以上の年月が
過ぎようとしている。そんななかで、徐々に増えていった
ポルシェ用のSST。水平対向の空冷エンジンは、
色んな部分が、非常に『合理的に構成されて』いるせいで、
組んだりバラしたりする側にとっては、知恵の輪のような
手法を要求されることも少なくない。

ま、なんとかごまかしながらやることもできるし、
自作SSTで凌ぐこともできるのだが、
やはりというか、専用に開発されたSSTのポテンシャルは高い。


プロモデットの2階には、ポルシェ用の様々なパーツが、
再生&塗装されてストックされている。年式的にも、
使用状況的にも、過酷なものがある空冷ポルシェの場合、
このようなストックは、お客さんにとってはありがたい存在。

「でも、L型も、いつでもできるように準備してんだ〜」

いきなり小峰さんが喋り始める。いつかは……と思って、
L型のエンジンのストックや、パーツの確保、
そのあたりは、ずっと続けてきているという。
下の写真は、L型用に作ったアルミ製の大容量オイルパン。
冷却性能と質感にこだわって製作されたもので、


「PROMODET」の文字入り。

仕事の殆どがポルシェとなったプロモデットだが、
基本ラインにあるのは、プライベート時代から慣れ親しんだ
L型なのだ……そう思わせてくれる象徴的なパーツかもしれない。

 

 

以下の写真は、取材当日にドック入りしていたポルシェ。
オールドスタイルのシックなタイプと、
走行会仕様のハードなタイプ。聞けば、オーナーは同一人物。
とすれば、自分の趣味の世界を満喫できる環境と財力を併せ持った
方だろうし、羨ましいけれど、

世の中はそんなもんでしょ(笑)

 
 

どちらのマシンも、一般的なポルシェチューンとは、
ひと味もひと癖もちがったもので、そういう意味では
プロモデットならではということができるだろう。

 
 
プロモデット小峰さんとの雑談(笑)
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〒3430827 埼玉県越谷市川柳町3-106-1
Tel 048-986-6444


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