ブロックをバラしてみると、
なんてこった〜、穴開いてる?
……どうすんべぇか?
1991年10&11月号


従来の常識に囚われないTUNEということで、
ミニのエンジンに70.6φのピストンを入れることにした
……が、その結果、まさかの4番シリンダーにクラックが。
おっと、普通の常識なら、こんなサイズのピストンを入れようと
思いつくことは絶対にない。というのも、シリンダーの
ボアピッチが狭くて、とてもじゃないけれど、
こんな口径のピストンは入らない。
で、採用したのが『オフセットボーリング』という手法。
各気筒のボーリングを標準位置と比較して数o程度
オフセットしてしまうわけだ。
でも、2番と3番の間にはウオータージャケットが
通っているので、寸法は稼げない。
だから、変則的にオフセットしていった結果が……
まさかの4番シリンダー(一番安全パイっぽかったのだが)に
クラック発生。

4番シリンダー問題は、ライナー封入と
ブロック段付き制作でクリア……いやあ
オフセットしまくりのMINIエンジン完成!?
当初の予定は、70.6φピストンに、
クランクシャフトもオフセットさせて、
998cc改1288cc……つまり、1300ミニクーパー仕様。
だが、クランクオフセットの限界があり、
46cc及ばずの1242ccとなった。
ま、これでも、ちょっと吹かして『1300cc仕様』と
ごまかせる範囲(笑)

4番シリンダー問題は、ライナー封入と
ブロック段付き制作でクリア……いやあ
オフセットしまくりのMINIエンジン完成!?


ペースはミニのエンジンだが......
クランクとコンロッドがずれている。
ビストンとピストンピン寸法がずれている。
シリンダー中心が左右にずれてしまっている。
1番と2番シリンダー間の肉厚は紙のように薄い。
4番シリンダーにはオイルの通路がクチを開いている。
コンロッド大端部には半リング状のスペーサーを溶接して、
バルブは国産軽4輪用をコッター溝を作り直して加工している。
当然のことながらバルブガイドは、バルブに合わせて打ち換えている。
ミニの宿命のオイル下がりトラブル用には同じく軽4輪のステムシール、
スプリングとリテーナーは3K用のレーシング1万回転対応のSPLパーツ、
とまあ、加工に次ぐ加工、オフセットに次ぐオフセットを繰り返して、
CB& レーシングサービスYASUがプロデュースするミニ改造計画は進んでいく。
今回は、先月、愕然としたトラブルを克服しての、待望のエンジン組み付け作業。
コイツは気合いが入ります。組み上げてみれば、ノーマルエンジンの構造とは
まったく違うエンジンに仕上がりました。しかし、こいつが国産パーツ流用の
SPLミニチューンのひとつの回答であります。面白いと自画自賛しています。
こんなエンジンで本当に動くの?という不安を胸に.......ミニ改造計画全開中!

オフセットボーリングの結果、
ピストンがシリンダーに入る位置と、
クランクシャフトのジャーナル位置が合わなくなります。
こんなときにどうするか?といいますと……
幅狭のコンロッドを流用して、クランクジャーナル幅と
合わせるスペーサーを製作。
その寸法によって、オフセット分を帳消しにする。
いやあ、なんとも大胆というか、無茶苦茶なやり方であります。
でも、古いエンジンっていうのは、こういう無茶を
受け入れてしまう包容力があるんですね。
超高回転を回す予定なら、このような方法は取らないと思いますが、
それよりも基本排気量を増大させるほうが、
街乗り仕様としては、効果は抜群であります。

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