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ゼロから始めるROMチューンVol.1
1992年6月号


秋葉原のPCショップで
仁王立ち……ここから始まる
ROMチューン作戦!

いまでは、ROM自体の流通量が極端に減少し、
そんな方法あったの?と聞かれるほどに
なってしまった『ROMチューン』

最初のキッカケは、マインズさんだと思いますが、
日産車に搭載されているECUのなかの
リードオンリーメモリー(ROM)内のデータを
変更することで、ブーストを上げたり、
タービンを変えたり、エンジン内部をモディファイしたり
……そういうケースに対応できるような、
燃料&点火マップを変更するという手法でありました。

もちろん、リードオンリーですから、読み書きはできません。
もともとハンダ装着されているROMを取り外し、
新しいROMに変更データーを書き込んで、
取り外しができるようなゲタ的なアダプターをセットして、
いろいろと内部データーを変更していく。
ま、大体で言うとそんな感じであります。

しかしながら、CARBOYで取材に行ったときに、
「ここのデータがこうで……」
「このときの点火時期を全体的に……」
とまあ、小むづかしいことを、わかった風な相づちを
うちながら聞いて、パソコン画面のMAPを撮影して、
『これがROMチューンだ!』と記事展開していたのが、
当時のほとんどの雑誌でありました。

でも……それじゃ、わかりましぇ〜ん。
まったくもってわかりましぇ〜ん。

 

 

そこで、ドンタコス体当たり的に考えたのが
「まったくもってパソコンやデータのことを知らない人間が、
イチから、いやゼロから始めてみたらどうでしょ?」
という、非常にプリミティブな企画でありました。

こういう記事を担当するのは、誰がいいでしょ?
と考えているときに、たまたま、編集部の深田くんと、
秋葉原に行く機会がありました。
といっても、深田くんの用事があったわけではなく、
どこかへ行く途中で、藤本の買いたいパーツがあったので、
付き合ってもらったわけです。

で、捜し物をして、値段比較をしているときに、
フッ、と気がつきました。
付き合ってもらっている深田くんが、
店内の中央で、棒立ちになっていたのです。

「ゴメンね、深田くん、付き合わせて……」

「いや、まったく、全然、理解できないモノや言葉が、充満しているもんで」

……ピンッ!ときました。
深田くんだ。それまでコンピュータのコの字も興味がなかった
まったく純粋無垢の素人さんが、ここにいるじゃありませんか。

で、当時セントラル20にいた田中さんに電話してみた。

「田中さん、ぶっちゃけて聞きますが、ROMのデータを
素人がいじって、エンジン壊したり、火が出たり、爆発したり、
そういうことって、あります?」

「いや〜、極端なことをすれば、そういう可能性はありますが、
ま、そういうことはすくないですよ〜」

これで決まりだった。

 

 

さっそく、1回目は、藤本と深田コンビでセントラル20さんに行って、
大体のガイダンスをしてもらった。

でも、2進法のことや、データ領域、マップ、係数、基本増量……
それまで聞いたことも見たこともない言葉の羅列の2時間。

深田くんの頭の中は真っ白。

   ◇       ◇       ◇

しかしながら、人類というのは凄いものです。
あれだけ真っ白になりながら、ゴミECUを集めてきて、
ハンダ外しから始めていくうちに、深田くんは
グングンと変貌していきました。
何回目かの取材を終えた頃には、付け焼き刃の藤本なんか、
問題にならないくらいの知識量と経験値を積み重ね、
どんどんとROMチューン道を突き進んでいくことになるのです。

 

 

いやぁ、人間って凄い。
藤本的には、いまだにROMチューンやフルコンセッティングのことを、
あんまり知らないまんまであります。
取材経験値があるもんで、なんだかんだと話を進めていきますが、
本当のところは、あまり理解しておりません(笑)

ということで、本邦初の『ゼロから始めるROMチューン』
この企画は、メーカーさんには嫌がられましたが、
強烈なインパクトを読者さんに与え、
後続のプライベートROMチューナーを、
全国的に輩出していくことになります。

 

 



■CARBOY企画特集 ■

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