安物だろうが規格外であろうが
スペシャルな効能を有する
品物に目がない……

ブランド主義……ではない。
いや、ちょっとあると思います。
Snap-onと聞くと、ちょっとグラっと……。
しかしながら、凡人の性のおかげで、
最初はなにもわからないままに、
Snap-on製品を買い始め、
マニアのように収集するわけですが、
そのうちに、内なる疑問が湧いてくる。
「本当に、自分にとって、コイツは有能なのか?」
永久保証や、メッキの厚さ、格好のよさ、
いろんな『勲章』を、ひとつずつ剥がしていくと……
「本当は、梨地のほうがいいんだけど」
「使ってみたら、もうちょっと薄いものが」
とまあ、物欲半分の欲求不満が生じてくる。
で、行き着くところは、他人とは違う価値観であります。
安かろう悪かろうではなく、安物にしかない満足感。
それを選択した自分という存在への満足感。
そういった、非常に捻じくれ曲がった価値判断の世界に、
一歩、また一歩と、足を踏み入れていくわけです。
ですんで、他人の推奨する『逸品』というものに、
非常に興味をもつわけです。
CARBOY誌上で、連載企画として掲載していた
『逸品修行!』というコーナーは、
また、後ほど紹介することになると思いますが、
1996年に始めて、2008年まで12年間続きました。
142人のヒトに取材をかけて、142個の『逸品』を紹介しました。
そのきっかけといいますか、黎明期のモノ談義を
ご紹介したいと思います。
基本的には、紹介者の意向を最優先させております(笑)








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