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オラァ……アメリカさ行ってきただ〜!
1992年4月

CARBOY0→400mから
本格kドラッグレースに
少しずつの方向転換……!?


アメ車が嫌いだった……いや、正確ではない。
アメ車を扱っている業者さんと、関わりたくない。
そう思っていた。国産のチューニングショップは、
プライベーターも交えて、エンジンを壊しながら
手探り足探りで、いろんなことを習得していったのに対して、
アメ車ショップ(ごめんなさいね、30年以上前のことです)さんは、
エンジンを輸入して、適当なボディを誤魔化しながら売りつけ……。

あ、悪口はやめときます。
まっとうなアメ車商売をやっていたヒトも知ってますし、
一生懸命V8エンジンと格闘していたヒトもいます。

それに、いまのアメ車ショップさんは、最新のテクノロジーと、
ECU制御に真面目に対処しているところが多く、
まったく当時とはカンケーがありませんです、はい。

  ◇       ◇       ◇

でも、当時、アメ車嫌いだったCARBOYですが、
アメリカンV8エンジンというのは、
本当によくできたエンジンだとは思っていました。
ま、L型みたいなもんです。
それに、L型NAを使って、
当時で8秒台の記録を出したことも
知ってました。

しかしながら、谷田部の自動車試験場を皮切りに
CARBOY0→400mを10年近くやってきて、
このままじゃ違うな〜、もっと違うナニか……。
そう思っていた矢先のアメリカ取材だった。

 

当然のことながら、ドラッグレースのビデオは
見たことがあるし、とんでもないタイム、強烈な加速
そういった『知識』というものはあるにはあった。

ですが、『知識』というものは、どこまでいっても
『知識』にしか過ぎないものだと、ドラッグレース場に
行って、あらためて思い知らされました。

ドラッグコースの脇に入って(プレス特権というやつです)、
マシンの撮影をしようと思ったのだが、
撮った写真が、微妙にピントがずれている。

「???????」

原因がわからない。
で、『置きピン』という手法を使った。
走ってくるマシンにピントを合わせるのではなく、
撮ると決めた場所にピントを置いて、
あとはシャッターを押すだけ。

これならピントがズレることはないはず。

でも、その結果は……「??????」

やっぱりずれている。

考えに考えて、出した結論が、
「自分自身が後ろに反っている……」ということ。

つまり、スタート後の強烈な加速をするマシンと、
数mしか離れていない場所(200m地点くらいでしたね)で、
シャッターを押すときに、怖いもんで、後ろにのけぞっていた
……そういうアンバイでございました。

そうなんです。
それくらいドラッグマシンというのは『怖い』ものでした。
F1も見た、それも身近で、ル・マンの300km/h以上のスピードも、
数mの間近で見た。でも、それとはまったく次元の違う
『恐怖感』が、ドラッグレースにはありました。

それまで静止していたクルマが、数秒後には
400km/h、いや500km/h以上の速度に到達するという
『恐怖感』は、他のどのレースでも味わうことができないスリルでした。

そして、『音圧』というものが、いかに凄いものか
ということを体感したのもこのときでした。
ビデオでは、YOUTUBE(当時はありませんでしたが)でも、
絶対に味わうことのできない世界がありましたですね、はい。

その凄さは、スタンドの最上部(30mくらいの高さで、
コースからは100mくらい離れているところ)で、
身体の前面が震える……わけです。
一度でも体験したひとならわかっていただけるのですが、
コースに向いた面が震えるんです。
それくらいに強烈な音量と音圧。

巨大なPAシステムをセットしたハードロック会場での音が、
音圧が、可愛らしく思えるほどの『暴力的!』なレベル。

その後CARBOY0→400mからJDDAへと、
ドラッグレースの裏方として動く出発点は、
このあたりにあったのだと思います。
国内においても、7秒のラインから6秒台に入っていく段階。
終速で言えば200マイル(320km/h)を超えていくあたりから、
『恐怖感』というものが発生し始めます。

いやあ、あれ程嫌っていたアメリカンV8が実現する
『恐怖感』の世界、記事だけではなかなかうまく伝えることが
できないんですが、この後、CARBOY主催で
「アメリカンドラッグレース観戦ツアー」を
何年にもわたって実施したことからも、
わかっていただけるように、この凄さを、
少しでも伝えられたら、体感してもらえば……
そんなふうに考えたスタート地点でもありました。

ま、そういうことですんで、30年近く前のことではありますが、
いまでは、当時よりももっと暴力的にステップアップしている
そういうことも考え合わせながら見ていただければ幸いです。

 

 

 



■CARBOY企画特集 ■

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