思いっきり気ままで
独善的なTOOLの特集は
役には立たないが……
いみじくも、本文中で語っているわけだが、
「楽しいことってのは、無駄なことなのだ。これが『鉄則』である」
工具なんてものは、そのあたりに尽きる。
こうも言っている。
「ノーマルのファミリーカーが1980円の工具セットなら、
CARBOYオススメのTOOLは……チューニングカーなのだ!」
下のタイトルページの写真は、
レンチの握りの部分をアップにしたものです。
知らないひとが見れば「ナンジャラホイ?」
でも、興味があるヒト、工具にこだわりがあるヒトなら、
「フムフム、アレね」とニンマリしていただけるはず。
ネジを締めることができればOK。
ボルトが回れば御の字。
100均だって使える工具はいっぱいあるし……。
ほんと、最近の100均はすごいものがある。
だけど、1991年当時百均どころか、
ネット通販も、アストロプロダクツも、
それどころか、工具専門店というのも、
そんじょそこいらには見当たらなかった時代であります。
なにを隠そう、藤本も最初のスナップオンは東急ハンズで買った。
片目片口レンチ(コンビネーションレンチですね)が5000円ほどした。
えっ? セットで? 冗談言っちゃいけませんよ。一本です。
最初は、KTCのミラーツールを買ったんですが、
当時の私は、『Snap-On』というロゴに憧れてたんですね〜。
こんな調子じゃたまったもんじゃないと、
ヒーレースプライトをメンテするときは、
インチ工具が必要になったので、
アメリカから直輸入した。
送料を入れても、ずいぶん安かった。
…………だが、ヒーレーにレンチを当ててみると、
なんだかカコカコしている。「??????」
そんなはずはない。インチでしょ、oじゃないでしょ?
でも、確実にカコカコしている。
知り合いに聞いてみたら。
「藤本さん、ひょっとして買ったののアメリカインチ?」
なんじゃ、それは。コーヒーじゃあるまいし、
インチにアメリカンもブルマンもないでしょが〜。
「英国車やるときは、ブリティッシュスタンダードです」
ひえ〜、なんと、インチはインチでも、ちょっと違うらしい。
直輸入したのは、メガネにコンビネーションのロングとショート、
それにソケット一揃い……う〜ん。
このときばかりは唸りました
いまも、工具箪笥(子供のおむつダンスを使ってます)の
奥の方に鎮座しとります(泣)
ま、そんなことはさておいて、今回紹介する
『工具大全』という特集は、あんまり役にはたちませんが、
物欲だけは刺激してくれます。
ここに登場する工具の半分くらいは藤本個人の所有物でした。
だから、Snap-Onに関しては、ほとんどが古いロゴです。
ま、チタンのコンビネーションはお借りしましたが。
工具BOXやカバン等も私物です。
そして、当時のこだわりとして、鉛のシートを購入して、
それで工具を覆ってしまうという暴挙の撮影をしました。
手で押さえて、工具のフォルムを浮き立たせるようにして、
想像力を働かせていただこうと趣向したわけです。
8分の3のハンドツールに始まって、2分の1を追加し、
バイク整備用に4分の1サイズを揃えて、
レンチ類はSnap-Onからスタビレーに宗旨替えをして、
ドライバー類はBellaに変更し、
面白い工具があれば、ドンドンと増殖させ、
個人的にも、ドンドンと工具は増え続けました。
無駄金をいっぱい遣ったもんだ……そう思います。
いまなら、アストロプロダクツを始めとして、
もっと安価で、性能が良くて、工夫が凝らされている。
そんな工具がいっぱい手に入る時代になりました。
国産工具のポテンシャルも、ずいぶん上がりましたし、
いい時代になったと思います、ホント。
複雑な工具や、SST的なものも手に入るし。
ま、そんな時代格差を考え合わせながら、当時の
高級TOOLへの憧憬を感じていただければ幸いです。
ここから下のページは、
別の意味での工具オタクである尾登伸介さんが
書いたものです。
実践的でありながら、独創的な尾登方式が、
徐々にCARBOYに登場し始めた頃のものですが、
書いて踊れるイラストレーター&ライターとして、
CARBOYの重要な一員となっていきました。
最初のキッカケは、CARBOY誌面の
COFFEEブレイクへのイラスト投稿だったんですが、
その頻度の凄さと、独特な作風から、
編集部内では尾登画伯の別名を持っていました。
イラストだけではなく、ペイントも特異で、
JDDAエントリーのドラッグドライバーのうち、
何名かはオリジナルのヘルメットペインティングを
依頼したこともありましたね。
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