毎夜毎夜のキャブセッティングで
ほとほとキャブレターが嫌に
なってしまった……頃がありました!
上のタイトルページに登場しているのは、藤本の240Zです。
最初はブルーメタの中古を50万円で購入して、
当時、1万6000円の本郷三丁目の風呂なし共同トイレに住んでいながら、
2万3000円(だったと思う)の駐車場代を払っておりました。
その後、CARBOYガレージで、エンジンを
いろいろとチェンジしながら、企画のベース車として使い、
そのうち、内堀通りで皇居堀の立木に激突して、クワガタのように
成り果てて、フレーム修正して、ソアラホワイトに全塗装して、
最終的に50万円で売ったクルマです(笑)
この240Zに搭載したエンジンを列記してみますと……。
まず、購入時に搭載されていたL24型をベースに、
エンジンOHと、圧縮比UP、ポート段付き修正、68度カムという
典型的な『ファインチューン』を施した後、
L26改3L→L28改3L→L28改3.1L→L28改3.2L
→L28改3.3Lときたところでスリーブが落っこちて断念。
というベタなエンジン遍歴の末、L28改ショートストローク2.8Lに落ち着いた。
……ということは……エンジンの仕様を変更するたびに、キャブセッティングが必要。
シリンダーブロックを変更したときばかりではなく、カムを換えるたびに、
セッティングが必要になってくる。基本的なところは、CARBOYガレージでやってくれるのだが、
細かい部分となると、自分でやるしかない。
慣れない手つきで、ジェットを取っ替え引っ替えしながら、
キャブ地獄にはまり込んでいく。
当然、昼間はできないので、夜間営業。
本当なら、240Zのエンジンルームには、
純正のランプが付いているはずなのだが、
購入時からなかったので、懐中電灯を灯しながらの作業。
いまのように、LED、いやせめて蛍光灯のライトがあれば
よかったんだが、ないので懐中電灯を頼りに。
で、知ってる人は知ってると思うけど、キャブセッティングというのは、
片手ではできない。両手を使う。となると、必然的に懐中電灯は、
口でくわえるしかない(笑)
で、そうやって作業をしていると……出てくるんですよ。
咥えた懐中電灯の側面を、よだれというやつが、ドンドコ。
あれが、嫌でした。
で、「こんなの、室内から、ダイヤルをクルクルッ!と回して、
セッティングすることはできないのか?」と、真剣に思いました。
だから、サブコンやフルコンが登場したときは、
「コレだっ! コレですよっ!」と狂喜乱舞。
CARBOYの特集でも、コンピュータチューン等の道を一気に進むこととなった。
時代の趨勢というのもあるんでしょうが、藤本的には、よだれが出ないという
ことが、コンピュータ路線を進むうえでの、なによりのメリットでした。
とまあ、世迷言はさておいて……。
21世紀の現代において、30年以上前のキャブセッティングKNOWHOWが
はたして役に立つのか? ということでありますが、
当然のことながら、ここで紹介しているセッティングのレベルは、
ごくごく入門者用のものであります。
現在のL型のキャブセッティングは、もっともっと高度なレベルに
達していますし、使用する機材や、ベースとなるキャブレター、
ジェットブロック等も、様々な変遷を経てきています。
いま、キャブにしたいヒトがいるのかどうかは別として、
完全な入門編、あるいは、キャブレターという存在を
知らない人が、読んでくれれば、それなりに、説得力はあるかも。
この時代は、SOLEXかWEBERが両巨頭。OERなんかもありましたが、
90%以上の確率で、どちらかを選択しました。
当時、SOLEXはトキワ気化器、WEBERはFET極東が扱ってましたね。
そして、これからは、2年後のCARBOYに掲載した、
車種別のベーシックなキャブセッティングのデータ&ノウハウです。
登場するクルマを見ると……いやあ、時代を感じますね。
昭和のクルマ、ですなぁ。
いまでは、手の届かない価格が付けられているクルマもあるし、
中古車として探しても、見つけられないやつもあります。
でも、軽くて、簡単で、それなりの吸気音を楽しんで……と、
いまなら、キャブを触ってもいいかな?とも思います。
実は、240Zのあと所有したSRコブラも、オースチンヒーレースプライトも
キャブ車で、ずっとキャブとばかり付き合ってきた藤本でありました(泣)
では、おあとがよろしいようで〜。
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