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鉄という不思議な生き物の話

LUX技研(愛知)



様々な硬度の鉄を切ってきた
加藤さんに、鉄の話のサワリを
聞いてみたら……楽しかった!

LUX技研という名前を聞いても、
「あぁ、アソコね」と思い当たる方は
ほとんどいらっしゃらないと思います。

ただ、愛知で、チェインギャング67エルカミーノの
加藤さん……というと、アメ車の好きなひとなら、
「あっ、あの加藤さん!!」というひとも多いだろう。

愛車の67年式エルカミーノを駆って、
古くはスキャット、RRC、ビッグエンド……と、
ほとんどのDRAGレースの大会の優勝トロフィー&盾を
持っている。そして、当然のようにJDDAのソレも(笑)

 

日本のDRAGレースの黎明期から、現在に至るまで、
同じクルマでエントリーし続けてきた加藤さんだが、
先日、大病を患われて、いまのところエントリーは厳しい状況。
LUX技研の本業は『鉄を切る!』こと。

ご存知の方はご存知だとは思うが、
鉄という金属には、数え切れないほどの種類がある。
元素記号はFeだが、そのFeに他の金属を混ぜることによって、
鉄という総称で呼ばれるものの、多種多様な性質や硬度を持っている。

加藤さんは、金型の元になる鉄を指定通りにカットする。
この作業を数十年続けてきた方。

 

そして、本業を続けながら、『趣味のレースエンジン製作』を
ずっと続けてきた。加工精度を追求するあまり、
ボーリング&ホーニングも
自身で行なってきた経緯を持っている。

 

もうひとつの『趣味』はオーディオなのだが、
オーディオ機器に凝るばかりではなく、
それ以上にLPレコード(現在ではCDだが)を、
尋常じゃないくらいに買いまくってきたヒトでもある。
藤本も、加藤さんにいろいろとオーディオの話を聞いてきたのだが、
それ以上に、アメリカ音楽の造詣の深さというか、
キチガイじみたレコード収集(というか音楽好き)には、
ただただ、呆れるしかない……という変人であります(笑)

ま、その話はおいておくとして、
今回は、ずっと訪ねたかったLUX技研、
加藤さんの仕事場に訪問させていただいた。

工場の内部には、なんと言ったらいいか、
鉄とも見えない金属の塊がゴロゴロと置かれていて、
それを吊り上げるクレーン、そして、硬度が異常なほど高い
鉄をカットする特殊機械がセットされていた。

これまで藤本が知っているなかで、金属をカットする方法といえば、
レーザーであったり、水(ウオーター)だったり、ダイヤモンドであったり
したのだが、加藤さんのところにあったのは、
「電気で切る」カッターだった。

以前から話を聞いていて、非常に興味深かったのは、
『金属に帯電させる』という方法論だった。

8000V程度の高電圧を金属にかけることにより、
金属が変質(?)していく。

 

「原子というのは、原子核があって、そのまわりを電子が回っているわけですが、
そこに電解処理をかけることによって、元の性質が変化していくんです。
もともと、まわりの電子の数や、原子の組み合わせによって、金属等が形成されている
わけですから、それを変更することによって、元の性格とは異なったものに
なるというのは、当然のことです……」

 

あ、ごめんなさい。理科が苦手なもんで、
このあたりになると、藤本的にはちんぷんかんぷんでございます。

でも、なんとなく言ってることはわかるような気がします(笑)

クルマに関連する鉄の話で面白かったのは、
合金であるシリンダーブロックの鋳鉄が、
温度を上げたり下げたりを繰り返しているうちに、
強度が増していく……ということでした。

つまり、新品のブロックよりも、温度の上下経験がある
ブロックのほうが、強度があるというもの。
ま、これに関しては、素材の強度とブロック全体の強度という
ものは異なる部分があるので、一概には言えないと思うのですが、
素材の話としては、非常に面白い話でありました。

毎日鉄を切っているヒトは、やっぱり違います。

いつも、ここに置いてあるというエルカミーノの
エンジンルームの写真を撮ろうとしたとき、
「あ、藤本さん、気をつけて、感電するよ!」

ギョッとなりましたが、クルマの横に置かれた
棚には、いろんなパーツが置いてあって、
そこに8000Vの電流が流れているのだという。

 

  

エルカミーノに搭載されているエンジンは、
アメリカンV8なのだが、一見すると普通のV8。
しかしながら、内部の構造というか、加工や
使用パーツを聞いてみると……いやあ、強烈。

OHVのローラータイプの話や、材質、
アメリカにオーダーしたことなどの話を聞いていると、
「やっぱり、LPレコードをキチガイじみた買い方するだけあるわ〜」
妙に納得させられましたです、ハイ。

 


☆LUX技研 加藤さんの話

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下に、LUX技研の工房内の写真や、
製作している部品の設計図等を掲載しておきますが、
ハッキリ言って一般人には、な〜んにも関係がありません(笑)

ほっか〜、ほうですか〜、と、表面的な納得をするだけでございます。
でも、金属というものに関わる仕事というのは、
なんでだか、興味があるんですよね。

最近、ボディの凹みを熱湯をかけて直すという方法等が、
YOUTUBEなんかでいろいろと公開されておりますが、
あれも、金属というもの、鉄という合金が持っている特性を
利用したもの。応力や浸炭、表面処理、そして今回教えてもらった
電解処理等を施すことによって、鉄は非常に大きな可能性を
持つ金属として、人類の役に立ってきたわけです。
ま、こんなこと、知ってるヒトにとっては常識なんでしょうが、
一般ピープルには……びっくり仰天でありますよ。

 

   

    

    


あまり、詳しい話を書いてもなんなので、
ササッと駆け足で通り過ぎましたが、
自走で行って、全開走行をして、自走で帰ってくる。
これを信条としている加藤達夫さんでありました。

LUX技研
加藤達夫さん

あまり一般の方には関係がないので、
あえて住所や連絡先は不掲載とさせていただきます。
もし、連絡を取りたい場合は、藤本までメールでもください。

 


↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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