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S30ZにRB26DE改NAエンジンを……

テスタロッサ(静岡)



例によって、突然沼津のテスタロッサさんに
お邪魔したら、楽しそうなプロジェクトが進行中
S30ZにRB26DEのインジェクション仕様を!




例によって、突然沼津のテスタロッサさんに
お邪魔したら、楽しそうなプロジェクトが進行中
S30ZにRB26DEのインジェクション仕様を!

テスタロッサは、沼津市の国道1号線沿いにある。
だから、というわけでもないのだが、国道1号を走っていると、
「ちょっと、寄ってみるか〜」と、ふらりと訪問することになる。
今回で3回目の訪問であります。

最初は、法師サニーが存在していることや、
ドンカーブートが現存していることにビックリして、

その次は、ECUの話をしたり、変わった仕様を見せてもらったり、
そんなとりとめもない話をしながら、徐々に、石川さんという
チューナーが、どういうことをしているのか?とか、
どんな考えを持っているのか?といったことが、
少しずつわかって(?)きた。

特異なタイプであると思う。

若くしてスリーテックに入り、いろいろなエンジンを
モディファイしながら、もう何年、いや、何十年になるだろう。

CARBOYでも、様々な取材を依頼した。
前に紹介したLYヘッドもそうだし、LZエンジンや、
LYのターボといった、なかなかお目にかかることのできない
エンジンや仕様を、誌面で紹介してきた経緯がある。

そして、もうどれくらい前になるだろう。

テスタロッサが持っているイメージと、
真逆とは言わないけれど、意外感があったのが、
RB20DETの『日帰りボアアップ』だった。
もちろん、日帰りでボアアップができるわけがないのだが、
予め用意していたボアアップエンジンと、
当日来店したお客さんのエンジンを『交換』するという
とんでもない手法を使って、本当に『日帰りボアアップ』を
実現してしまったのだ。

今回伺ったときに、その話をしたら……。

「そうですね、2、3年くらいは、毎日ほどやりましたね。
当時は、メカニックも6名くらいいて、それこそ、寝る間も惜しんで
という状態でしたから……1000台、いや1500台くらいになりますか(笑)」

???????

1000台? 1500台? まさかそんなことが。
そう思っていたのがわかったんでしょ。
石川さんが見せてくれたのは、当時の仕様書というか、
注文書の束(というか、ファイリングされたものがどっさり)。

本当に、本当に、それだけの数の注文があったんだ〜。

「3年で、毎日ほどやれば、1000台位になりますよね、最終的には、
7、8年くらいはオーダーがありましたから」

思い起こせば、そのころのスカイラインブーム、
GT-Rが登場して、誰も彼もがGT-R、だけど、
GT-Sオーナーも、それに劣らず存在したわけだ。

先日、ダイヤモンドエンジニアリングさんで、
「RBエンジンのスリーブ化による蘇生術」という話を
紹介したが、当時のボアアップではRB20DETを2.3Lにしていた。
その人気仕様に続いて数が出たのは、RB25DETスワップだったという。

日本全国から注文が殺到したRB20DET改や、RB25DETスワップ車両は、
いま、どんな風になっているんでしょ? 存在しているんでしょか?
それとも、誰からも顧みられることなく、スクラップ化してるんでしょか?

L型の後継エンジンとして誕生したRBエンジンだが、
RB20DE、RB20DET、RB25DET、そしてRB26DETTといった
バリエーションを持って、相当数のクルマが存在していたのだが、
いまとなっては、直列6気筒というディメンジョンが災いしてか、
あまり存在感がないというのが現状だろう。

ヨーロッパ車でも、直列6気筒エンジンを搭載する車両は激減。
より効率的な、もっと省燃費指向のエンジンに、その地位を
取って代わられている。

4発には4発の、6発には6発の、いいところと短所、
そして乗り味の差というものが存在する……そんなことを、
考えるやつは、もう時代錯誤の4文字で切られてしまう時代なのかもしれない。

でも、直列6気筒が、エンジンルーム内で稼働しているという
雰囲気は、いいものがあるんですけど。

……そういえば、こないだ見たYOUTUBEで、
武田邦彦さんという大学教授が、面白いことを言っていた。



曰く、ガソリンはたっぷりある。
曰く、省燃費ばかり追いかけるのはおかしい。
曰く、クルマに乗るのは楽しさを求めるから。
曰く、 TVや新聞は、嘘ばっかり言ってる。
曰く、……イロイロ。

おじさんも、いいことを言います。
自動でブレーキを踏んだり、運転したり、
電気で走ったり、いろいろなことを
メーカーさんは追求していますが、
クルマに乗るということは、楽しむということは、
『無益なコト』を楽しんでいるようなもんです。
恋愛だって、ファッションだって、趣味だって、
楽しいことというのは、ほとんどが『無益なコト』に属します。

直列6気筒という、時代遅れとも捉えられがちなエンジンが、
どうにも捨てきれないのは、効率や省燃費といったジャンルでのみ
クルマが評価される時代にたいする反発心かもしれません、ね。

 

ま、そんなノスタルジックなことを考えながら、
工場内をウロウロしていたら、L型とRBエンジンが、
隣同士で置かれている……なんです、これは?

ブロックが高いので、これはRB30ブロックに、
RB26DETTヘッドを組み合わせたもの。
こうやって、L型のとなりに置いてみると、
両者の違いが、ハッキリとわかる。

「あ、そのエンジンは、こっちのS30Zに載せるんです」
一度、搭載した状態で写真を撮ったので……というので、
iPhonの画面で見せてもらった。

隣にあったS30Zは、エンジンルーム内も、キレイに整備され、
インジェクション仕様の準備もしっかりとできていた。

 

 

装着予定のインジェクションの仕様はというと……。
イギリスのJenvey Dynamics社製のスロットルボディとリンケージ、
そして、ソレックス用のインマニをドッキングする。

Jenvey Dynamics社製のスロットルボディを使用する最大の利点は、
キャブレター用のインマニが流用できるというもの。
石川さんの説によると、このJenvey Dynamics社というのは、
NISMOの関係者が、イギリスに渡って創設したものだとか。
それまでキャブレター仕様だったエンジンに、フィッティングできる
スロットルボディを、国産エンジン用に、いろいろと開発しているメーカー。

 

インマニというのは、インジェクション化を考えるうえで、
非常に重要なポイントになるパートなのだ。
藤本的には、せっかくのインジェクションなんだから、
キャブレターには不可能な(油面問題があるから)、
斜めのセットアップが欲しいと思ってしまうのだが、

「でも、藤本さん、ポートが横に向いてるんだから、
横でいいじゃないですか」と一蹴されてしまった(笑)。

おっしゃるとおりです。EXマニだって、排気ポートから、
上方にグイッ!と立ち上がっているタイプものが多いけれど、
管長を稼ぐという意味では納得できるのだが、
そもそも排気ポートが横を向いているヘッドに、
そういうEXマニを取り付けても……となる。

RB26DETT改は、前述したように、RB30ブロックに、
RB30クランクをWPC処理したものをセットし、
RB25DE用のオーバーサイズピストンと、
コンロッドの偏心加工を行なってピストン位置調整を
行なった状態のものを組み合わせたNA仕様。

これに、Jenvey Dynamics社製のスロットルボディを、
Linkコンピューターで制御。

L型の場合と違って、RB26DETTは、もともとがインジェクション仕様。
イグニッションコイルを始めとして、インジェクション化はたやすい。



 

そして、このRB26DETT改エンジンを、S30Zに搭載するために、
絶対的に必要なのがオイルパン、です。

以前なら、RB26DETTをS30Zに搭載するときには、
RBエンジンが搭載されていたZ31のオイルパンを
流用することが行なわれていたが、このオイルパンは
すでに廃盤になってしまったので、それに対応したものを使用。

これは、OMRさんから発売されているもので、
その仕上がりもいいし、細部や付属品等も、非常にしっかりと
構成されている。先日、旧車天国でお会いした、
Blueprintの森元さんが設計したもの。これも、奇遇。


 




☆RBエンジンSWAPのこと

動画が見れない場合は、上のYoutubeを クリックしてくださいませ。

で、何気なく、後ろを振り返ってみたら……以前、
工場の片隅で、毛布をかぶっていた法師サニーが、
馬に乗っかってるじゃないですか〜。


下の写真は、FISCOで行なわれていた頃の
CARBOY0→400mのもの。こいつが、
どうして、こういう状態で引っ張り出されてきたんだろ?

「いえ、クルマを置いておく場所が、うんと広くなったので、
このクルマも、キチンと見てもらえるようにしようかな、と」
と、石川さん。

FJ20改ターボを搭載したこのマシンは、
非常に衝撃的であり、CARBOY0→400mに登場した
チキチキマシンのなかでも、最右翼ともいえる存在だった。


  

藤本はお会いしたことがないのだが、
法師さんがボディを作り、石川さんがエンジンを、
そしてドライバーは浅見さんという、3名の共同作業で
作り上げられたチキチキマシンは、いま見てもチキチキ(笑)

ドライバーズシートに身を沈めてみれば、その視界の悪さは、
天下一品でしょう。あ、その昔のトラストTE27カローラーも、
視界の悪さは同等かも? って言っても、知りませんよね〜。


 

以前お伺いしたときに見せてもらった『クルマ置き場』には、

様々なクルマが……。

もちろん、ドンカーブートも。そういえば、
このカウルは、由良さんが作ってくれたんですって。

 

テスタロッサには、様々な種類のクルマが入っている。
旧車から欧州車、新車から変わり種まで……これだけ多彩な
エンジンビルダーというのは、そうそうお目にかかることがない。
だから、ついつい……突然訪問したくなってしまうの……か(笑) 

 

 





テスタロッサ
〒10-0874 静岡県沼津市松長1065
0559-67-5111

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