小粋なSPOONの……広告
〜2001年


いつもいつも、「へえ〜っ!」と
感心したSPOONの雑誌広告
……その要因は?

 

 

雑誌というのは、大きく分けて
編集記事と広告の2種類で構成されている。

藤本が関わるのは「編集記事」でありましたが、
多少は「広告」も制作していました。

で、普段は、他社の「広告」はあまり見ないのですが、
ときどき「???」と目を留めるときがあります。

HKSさんの広告を制作していた視覚生産工房さんとか、
……あと、あんまりないか(笑)

しかしながら、いつも気にしていたのは
東京は杉並区にある『SPOON』さんの広告でした。
藤本の事務所が吉祥寺にありますので、
杉並環八沿いのスプーンさんとは、本当にご近所であります。
原付きで走れば10分位でしょうか。

しかしながら、CARBOYでの取材というのは、
本当に限られた回数しか行なっておりませんでした。

ですが、ホンダのムック本を作るときに、
初めてというか、ジックリと市島代表のお話を聞きました。

……非常に興味深かったです。

「あ、そうか、このヒトのこういう感覚が、
あのような広告を生んでるんだ〜」
そう感じたことを覚えています。

残念ながら、それらの広告は、CARBOYの
デジタル化作業の途中で、
他の膨大な広告と一緒に、
紙ゴミにしてしまいましたが、
かろうじて残っていた一枚を……。

で、市島さんのどこが、一般的なチューニングSHOPや
メーカーと違うのか?という解説を、以下に掲載させていただきます。

面白い存在ですよね。

藤本の知り合いが、本田技研の開発部にいたもんで、
いろいろな裏話を聞いた上での記事……でした。

 

2001年CARBOY別冊「ホンダツインカム」
掲載原稿より

   ◇       ◇       ◇

どうしてこんな豊富な
パーツを持っている??

 

スプーンのカタログをジックリと見ていると、
いろいろと気がつくことがある。
まず思うのは、異様なほどの品揃えである。
サスペンションい始まって、ブッシュ、
シフトリンク、ロワアームバー、
タワーバー、ブレーキキャリパー&ローター、パ
ッドエアクリーナー……このあたりまでは普通だが、
ここからドンドンいろんな種類のパーツが顔を覗かせ始める。
ベンチュリープレート、EK9後期用スポーツコンピュータ、
VTECコントローラー、エンジンASSY、
アルミブロックブレース&オイルパン 
2ピースビーム溶接ヘッドガスケット、
ウエストバルブ、軽量ロッカーアーム、バルブステムシール、オイルポンプ……。
な、な、なんなんだ、一体全体、このパーツの品揃えはなんなんだ?

……………………………………………
…………………………………………………スプーンという
メーカーが送り出しているパーツのことを話すためには、
まずはここから話を始める必要があるだろう。

本社のエンジン室の隣にある部品庫には、
ビックリするほど大量のエンジンパーツが在庫されている。
純正品もあるが、スプーン独自の製品も多数在庫されている。
そして、製品が梱包されている箱を見てみると、「本田金属」、
「DAIDOHメタル」といったメーカーから納品されている。

といってもピンとこないひと(普通のひとは
ピンとくるほうがおかしい?)に説明させていただくのだが、
これらのメーカーさんは、ホンダの部品を作っているメーカーなのだ。

量産車のパーツを始めとして、レース用の部品まで、
これらのメーカーがホンダの研究室が開発&テストした部品を、
設計図に基づいて製作しているわけだ。

スプーンから発売されているパーツは、
ほとんどがホンダが発注しているメーカーと
同じところで製作されている、ということ。

日産に例えて言うなら、日産の開発部が作った
レース用のパーツを販売しているのがニスモ。
N1ピストンやタービン、強化メタル等が販売されている。

もちろん、スプーン=ニスモというつもりはない。
だけど、そんなふうに考えてもらえば、ス
プーンから販売されているパーツの素性がわかりやすいということなのだ。

もちろん、すべてのパーツがそうであるわけではない。
独自に製作したパーツも存在する。

だが、多くのパーツは、スプーンとホンダ関連の会社との
共同開発の結果生み出されたもの。

「レースをやるためには、量産車の部品では
どうにも保たないという部分が出てきます。
このときに対策品を作ったり、壊れない材質に変更したり、
そういう流れのなかから、スプーンの製品が生まれてきたんです。
だから、機能品がこれほどラインナップされてしまったんです(笑)」

代表の市島さんは、根っからのレース人間。
N360時代からシビック、そしてS2000と、
様々なベース車を使ってレースに情熱を燃やしてきたひと。

強化タイプパーツを使い
ホンダワールドを満喫!!

 

基本的に、スプーンが扱っているパーツには
3タイプある。完全な純正品、
強化タイプの純正(?)品、専用開発品である。

このなかで、純正品というのは納得できるだろうが、
興味があるのは強化タイプの純正品だろう。
これが前述した、ホンダパーツを製作している
メーカーで製作されているものだ。

例えば、バルブのステムシールは、テフロン素材を使い、
リップ数を減らすことで摺動抵抗を減少させている。
これは、高回転指向のエンジンを製作しようと思うと、
動弁系のパーツを見直していく必要がある。

このときに、バルブのステムシールの摺動抵抗が
少ないということは、バルブの作動時の抵抗が少ないということ。
ただし、量産車のように10万km以上の保証をすることはできない。
つまり、オイルが下がってもしょうがないよ……ということだ。

生産車では許されないことが、スポーツ仕様では歓迎される。
コストの面、耐久性等、メーカーが生産車には採用できないと
思ったパーツ、開発が終了したもののオクラ入りとなった
パーツというのは想像以上に多く存在している。

そういうパーツをスポーツチューン用に活用できれば
……これがスプーンの強化タイプの純正品である。
基本性能は申し分ない、そしてスポーツ的な性能もOK。
こういうパーツを、スプーンという会社を通じて、
一般ユーザーが手に入れることができるというのは、
非常に価値があることだと思う。

冒頭に述べたように、スプーンのカタログを見ると、
このようなパーツがいっぱい掲載されている。
ボクたちとしてはメーカーのスポーツコーナーが作っている
カタログと同じように見て、そのなかからセレクト
していけばいいのだから、非常に嬉しいカタログだということができる。

随所に掲載されている純正パーツの寸法、データ等も、
以上のようなことをふまえたうえで読んでみると非常に興味深い
……おっと、ついついカタログ話が長くなってしまたが、
これが『スプーン』というやり方である。

今後も、NEWシビック、インテグラ、S2000と、
ホンダ車のスポーツパーツが、スプーンから発信
していく予定だから、ホンダ党のキミは目を離さないほうがいいだろう。

スプーン製品をベースに
自分なりのホンダ生活!!

メタルガスケット、アルミキャリパー、オイルポンプと
いったパーツは、型を起こす必要から、
ちょっとやそっとじゃ作れないパーツ。

それがある程度リーズナブルな価格で提供されるというのも、
スプーンならではのいい部分だといえるだろう。

「ホンダ車の凄さというものを、ユーザーの方だけじゃなく、
いろんなひとにわかっていただきたいと思っています。
素のタイプRというクルマの凄さ、よさ、楽しさを
もっともっといろんなひとに知ってもらいたいんです。
ただチューンのためのチューンをするんじゃなくて、
オーナーが満足でき、楽しめるためにはどうすればいいのか?
 そのあたりを考えて今後もパーツを提供していきたいと思います」

市島さんは、根っからのレース好き、
そしてホンダ好きなのだろう。

単なるパーツメーカーとしてではなく、ホンダオーナーに
少しでも「ホンダに乗っててよかった!」と思ってもらいたいのだろう。

ホンダをもっともっと楽しむために、
スプーンを活用するというのは、いい方法だと思う。
基本となるパーツの入手先として、非常に安心できる
……おっと、ただヨイショしている記事ではないから……ネッ!!

 



■ 今だから話せる秘話(笑) ■

↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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