CARBOY Returns!製作裏側
2018年

昔のCARBOY記事を
印刷原稿に仕立て上げるには?

先日、CARBOY Returns!が発売となりましたが、
よく聞かれることがあるので、
ちょいと舞台裏を……。

昔のCARBOYの記事というものは、いまのようにデジタルデータを
使っておりませんで、カラーポジフィルムを使って、4色分解をかけて、
とまあ、非常に手間を掛けて作られておりました。
で、そいつをHPやブログ、Facebook等に掲載するためには、
誌面をスキャニングして、そいつを加工して……ということが必要になります。

ま、WEBにアップロードするのは、粗い画像でも、画素数が少なくても、
なんとかなるもんです。しかしながら、そいつを印刷原稿にするとなると、
またまた昔のように、画素数の問題が出てきます。

でも、それよりも、重要なのは、元の原稿が雑誌の誌面をスキャニングしている
ために、見開きで表示しょうと思えば、センター部分の『欠落』をどうするか?

そうなんです。最初にカッターで切ってあるために、
センター部分はどうしてもなくなってしまうのです。
ま、丁寧に、一枚一枚カットしてやれば、その『欠落』は
最小限に抑えられるのですが、藤本の場合、性格が大雑把なもので、
ザックザクとカットしておりますので、『欠落』が生じます。

まずは、CARBOY Returns!でも使用した柿本さんのところの
エンジンパーツ写真を見ていただきましょう。

 

■加工前

そうです。上の写真を見ていただければおわかりのように、
カムの端、左側のバルブスプリング、リテーナー、バルブ等が、
悲しいほどブチ切れております。

こいつをそのまま載せるのは忍びない……と、
藤本が拙い手つきでなんとか修正したのが、
下の写真であります。

■藤本修正

ま、なんとか辻褄はあってるようなあってないような、
そんな中途半端なものであることは間違いがありません。
そして、WEB掲載するなら、そこんところを飲み込んでいただければ、
ま、なんとかなるかぁ。そう思っております。

しかしながら、雑誌の誌面に使用して、しかも大きく使うとなると、
どうにもこうにも、ちょっとカッコ悪いです(笑)

そこで、画像修正のPROにお願いをいたしました。
藤本自身が、修正をしても、1〜2時間はかかります。
PROは(というか、八重洲PRセンターの舞草くんですが)
もっと時間をかけてやるようです。

その結果が……下の写真です。

■PRO修正後



どうです。まるで、そのまんまの写真が蘇っております。
デジタル時代おそるべし、であります。
まったく違和感がないどころか、
気づきもしないでしょう。

最初にファイルを貰ったときに、びっくらこきました。
WEB上で「Photoshop職人」等の存在は知っていましたが、
自分でもやった修正を、PROがやると、こうなるのか〜!
ほんと、凄いもんです。

 

というところで、もっとびっくらこいた一枚を紹介。

ここまでできるならっ!と、もうひとつのファイルを
PRO舞草くんに依頼しました。

織戸選手が、ドリコンGPの初代グランドチャンピオンに
なったときのワンショットです。
ドリコンGPフリークさんにすれば、
いま見ても、非常に印象的な一枚でありました。

こいつに、藤本も何度も挑みました。
センター部分の織戸選手の左耳が切れているところを、
なんとか修復できないか?と、何度もチャレンジしましたが、
どうしてもできません。ま、素人の悲しさ、でありました。

■PRO修正前

しかし、であります。
下の写真では、織戸選手の左耳は、当たり前のように
蘇っております。ど、ど、どっ、どうしたらこんなことが
できるんだ?と、再びではありますが、ビックラこいたわけです。

画像修正に詳しい人なら、「あ、できるよ」とか、
「けっこう簡単だよっ!」と言うかもしれません。
しかしながら、素人というのは、自分ができないことを
サラッとやってしまう職人技に、無闇矢鱈と感動するものです。
そして、その感動は、ときに新鮮で、あるときには衝撃で、
そういうものを、たまに感じながら、人生を過ごしているもんです。

 

■PRO修正後

 

藤本自身は30年以上、雑誌製作に関わってきましたが、
写真の修正(昔も存在しました)が、ここまでできるということを、
知識としては知っていても、実際問題、自分がやって出来なかった
ことをサラッと(でもないと思いますが)やられると、
ひとしおの感動があるわけです。

ま、そういう顛末が、CARBOY Returns!という雑誌を作るうえで、
いろんな部分でありました。

誌面のデザインをするうえで、藤本がいつも心がけているのは、
できるだけさりげない仕事をする……ということです。

今回紹介した画像修正についても、
こういうことを言わない限り、誰も気づかないことだと思います。

 

ですが、こういう部分が、仕事をするということの
面白さや楽しさにつながっているんじゃないか?
そう思っております。ま、自己満足でもありますが……(笑)

とりあえずは、そういう制作サイドからの裏話でございました。

 



■ 今だから話せる秘話(笑) ■

↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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