L型チューニングバイブル今昔
1985年

30年経っても……
やってることは
あまり変わってない?

 

 

今度、3月28日に発行となります
「CARBOY Returns!」という本ですが、
Facebookに掲載させてもらったところ、
昔のチューニングバイブルシリーズを「持ってるよ〜!」と
いうコメントをいただきました。

 

そいつは、藤本が24歳のときに作った
「CARBOY チューニングバイブル」というやつで、
その1年後に「CARBOY ターボチューニングバイブル」を作りました。

ま、そのころは、CARBOYガレージが全盛でしたので、
その作業を中心に、いろいろとまとめながら1冊の本にしたわけです。

そして、次の年、1985年には、「L型チューニングバイブル」です。

ま、こうやって、表紙を並べてみますと……30年経っても
やってることは変わってないですね。ホント(笑)。

どうしてだか、好きなんでしょね。


黒バックに機能部品の組み合わせ。

 

3冊目で、ようやく自分の好きなものというか、
そういうものがハッキリしてきたような気がします。
このとき、八重洲出版の先代社長さんが、
「こんなんで、いいのか?」と聞かれたことを思い出しました。

普通の雑誌なら、もっと派手に、もっとインパクトのある写真を使って、
ゴテゴテッと文字を並べて……ま、そんなところが常識でありました。
ですが、このダイヤルゲージでカム山のリフト量を計測しているような
絵柄の写真が、小さく、ほんとに小さくあって、
内容を表わす文句も、下の方に、グレーの文字でちっちゃく。

なんなんだ?という感じでありますね〜。

一体全体、この本は、ナンの本?
だから、先代の社長さんも「こんなんで、いいのか?」。
それに対する答えは「いいんです。地味な方が目立ちますからっ!」
よくもまあ、若造の勝手な言い分に頷いてくれたもんです。

それいらい、本を作るときは、好き勝手に作ってきました。

そのときの自分がいいと思ったもの、かっこいいと感じたこと。
そういうことをそのまんま。ま、いってみりゃ子供ですね。

でも、子供だからこそ、自分の興味の向かうところに
ダイレクトにいくんだと思います。

そういう意味で、この「L型チューニングバイブル」は、
当時のL型というエンジンが持っているパワーと破壊力と、
そして可能性というものを、いろんなひとに知ってもらいたい。
そういう気持ちで作ったもんでした。

 

だから、なかに掲載しているのは、L20型やL24型、
L26型にL28型と、当時流通していた、いろんなL型を
ベースにしたチューニング方法が掲載されています。

流用ピストン、コンロッド、クランク、
そして加工によるビッグバルブ化、ハイカム組み込み、
キャブセッティング……当時、日本中のヤングちゃんたちが
夢中になったエンジンでした。

そのうち、いつのまにかではありますが、
L20型やL26型といったタイプは、忘れ去られたようになり、
L28改だけがもてはやされる時代になっていき、
パワー競争、タイムバトルが展開されていくわけですが、
いま、よく考えてみると、L20型やL26型ベースの
チューンというのも、案外悪くない……そう思えるのです。

もちろんではありますが、L28改はパワフルです。

そして、現在では、インジェクション制御の独立式スロットル、
多連イグニッションコイルといった高性能パーツが組み合わされ、
ものすごい性能を発揮するようになっています。

でも、意外というか、ホントのところというか、
L28改であっても、ハート型燃焼室ではなく、
ドーム型のままで、ポートもそこそこ。
圧縮比設定が10.5あたりで、74度カムを入れて、
シートリング外あたりのビッグバルブもどき……。

そういったナンチャッテ仕様でも、意外に楽しいクルマなんです。
もっと言うなら、ソレタコデュアル仕様でも、
気分的にはなかなかなんですよ。

 

最近取材したなかで、亀有エンジンワークスさんで、
L20改のピストン&コンロッドがありました。
昔なら「え〜? L20改? ちょっと……」てな感じですが、
こいつにロングストローククランクを組み合わせることによって、
なかなかの性能を手中にすることができます。

こいつは、今昔換算をしてみますと、
L26改やL28改のナンチャッテ仕様と、近い気がします。

 

いま、L型に興味を持って、昔のことなんか知らんもんね〜!
そういう若いひとに、能書きばっかり聞かせずに、
乗ったら楽しかった。意外に面白かった。
そういうクルマやチューニングを提案していければ……。

そんなことを考えております。

そういう目で、30年以上前に製作した
「L型チューニングバイブル」は、ちょっと新鮮でした。

おっと、Private CLUB発行の「L型チューニングバイブル」も
藤本が作りましたが、あちらのほうは、エンジンのバラシから
組み付け、セッティングまで、いちいち写真と解説で
追っかけ続けた内容でして、表紙は同じですが、中身は正反対であります(笑)

もう、廃刊となっておりますが、ご要望があれば、なんとかデジタルデータで
公表したり……いや、ちょっと面倒くさいから、そのうち(笑)

 

ま、こんなふうな、とりとめもない話ではありますが、
いま、藤本が、いろんなチューニングショップの方や、
メーカーの方と話しながら、これからのチューニングの生かし方、
もっと面白いクルマ、いまの時代に楽しめる仕様というものを、
漠然とではありますが、追求してみたいと思っております。
そんな話を、これから、ときどきではありますが、エッセイっぽく
お届けしたいと思っております。

こいつをヒントに、実際のクルマづくりに役立てていただければ
…………めっちゃ嬉しいです!

 

 

 

 



■ 今だから話せる秘話(笑) ■

↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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