A Happy CB OF THE YEAR!

1991年1月

なくて七癖、ニンゲン十色、
三つ子の魂百までも……
CB OF THE YEAR 1991

藤本は、和装趣味であります。
10代の頃から、折に触れては着物を着ていた。

それが、加速度を増したのは、3.11大震災のあとだった。
それまでは洋服趣味で、原宿のBeams Internationalや、
UNITED ALLOWの地下にある、世界から洋服バイヤーが
買い集めてきたものを買い、革靴に凝り、JHON LOBに、
そしてJ.M.WESTONに……でも、ふっと気がついたのだ。

オイラが死んだら、この革靴の群れは、
どうなるんだ? 棺桶に入れてもらえない。
娘には履いてもらえない。
ましてや、他人様に中古の革靴なんか、
貰ってもらえるはずもない。

それぞれの1足は、イギリス製はグッドイヤーウエルトであり、
イタリア製はマッケイであるわけだが、底を貼り替えれば、
一生保つという『いわゆる一生モノ』であります。

そんな1足が2足になり3足になり、ついには20数足あったとして、
オイラがこの世からおさらばするときは、自分の父親の衣類がそうであったように、
ビニール袋にひとまとめにされて、ゴミとして出されるしかない。

んでもって、イタリアのミラノの『クラシコ・イタリア』に
足を踏み入れていた自分だが、現地のイタリヤ野郎には、
どうしてもかなわないということを、何度も思い知らされた。

で、3.11大震災のあと、仙台ハイランドが復興なったあたりで、
急激な心理転換が起こりまして、それまでも嫌いでなかった
和装趣味に、コペルニクス的転回をしたわけであります。

しかしながら、今回紹介させて頂く1991年度の
『CB OF THE YEAR』の時点では、まだまだ洋装趣味の渦中にありました。

全国投票を行なった結果の、チューナーランキングを元に、
関西から柿本さん、向井さんを招聘し、関東の雨宮さん、山本さんに
八重洲出版に着ていただき、貸衣装の紋付羽織袴セットを、
藤本が4人分着付けさせていただきました……が、なにぶんにも、
自分で着るのはいいんですが、他人の着付けというのは、
非常に難しいものだと、やってみて痛感させられました(笑)

 

当日の模様は、同月掲載の『ヤマモトくんの毎度っ!』に
詳しく述べられているので、割愛させて頂くとして、
明治神宮での撮影のために、八重洲出版からタクシーで東京駅まで行き、
そこから山手線で原宿駅に、そして徒歩で明治神宮……とまあ、
一般的な撮影とは、ちょいと異なる手法を取った。

でありますが……、いま、思い出しました。

着付けをしている最中に、
なんだかんだと世間話をしていたわけですが、
柿本さんが、唐突ともとれる発言を……。

「アマちゃんは、若い女の子がすきなんやてな〜。
まだまだ、分かってないな〜!」

ドーンッ!!!!! であります。

柿本さんとすれば、ジョーク半分、親しみを込めて半分の
発言だったのかもしれませんが、現場ではそう受け取られませんでした。

ムッとした表情のアマさん。仲介を諦めた山本さん、
聞かなかったことにしようとする向井さん……。

でも、柿本さんの発言は、ドンドンとエスカレートして、
藤本的には「ええい、どうとでもなれっ」と(笑)

本文中には、次の記載があります。

「この4人のチューナーの取り合わせを考えて、面白いなと思うのは、
それぞれに特徴というか、主義主張というか、人間のアクというか、
そういうものが人一倍ハッキリとしていることだろう」

そして、そのときの写真キャプションの最後には

「あんまり寒いので、おでんを突っつきながら、
 ジンワリと和む4人……であった」

いやあ、このときの、言葉にできない雰囲気と、それでもなんとか、
ことを穏便に済ませたいという平和主義的な藤本の、葛藤と
投げやりさと、チャランポランさが、ミックスされた文章です(笑)

おっと、いま思い出しました。

おでんを突っついたあと、八重洲出版に戻って着替えを済ませ、
その後、4人のチューナーさんを、近くの料理屋さんに招待しました。

お酒が飲めないアマさん、お酒が入ると陽気な山本さん、
いつでも丁寧な向井さん、そして、マイペースな柿本さん。

四者四様の宴であったことを報告いたします。

 

 

ま、そんな昔話を聞いていただきながら、
本編であります

『CB OF THE YEAR 1991』

読者投票の結果である諸部門の紹介を
いろいろと行なったわけでありますが、
今回、再発見したのは、日産自動車さんに
CARBOYから『表彰状』を掲載していたことでした。

な、なんなんだ〜。
違法改造雑誌が、天下の日産自動車様に、
上から目線で『表彰状』ですと?

でも、ジックリと読んでいただきたいと思います。
CARBOYは『日産フリーク』なのであります。
これは、創刊当時、いや、藤本がCARBOYに関わった頃から、
ずっと日産派なのであります。


そして、まだまだ続く『CB OF THE YEAR 1991』

ドリフトの織戸選手、ドラッグのオートカルザ、
この両者は、CARBOYの2本柱であった、
『ドリコンGP』と『CARBOY0→400m』に、
突如として現われたスターでありました。

自動車整備士だった織戸選手と、和歌山のプライベートチームであるオートカルザが、
かたや『ドリコンGP』初のグランドチャンピオンに、
一方はターボ急成長の『CARBOY0→400m』で、L型メカの新記録をマーク。

1991年という年は、そのときはわからなかったのですが、
チューニングというジャンルにおいて、画期的な年度であったと、
いまなら納得することができます。

違法改造というスタートラインから出発した
CARBOYという雑誌が、闇雲にいろんな分野に手を出し、
あがきながら、面白いもの、楽しいことを、
手探り足探りで、記事展開してきたなかで、
いろんなスターが誕生し、それぞれが、独自のベクトルで、
活動範囲を拡げていった……そういう年であります。

よく言われることですが、

「その作家の処女作には、その後のその作家の可能性のすべてが含まれている」

CARBOYは雑誌であり、複数の人間の集合体であり、
処女作というのが、創刊号であるなら、そんなものは微塵もありませんでしたし、
その後の可能性というのも、ナニがナンなのか? まったく見当もついておりませんでした。

しかしながら、創刊後10年を迎えたのが、今回紹介する
『CB OF THE YEAR 1991』であります。
10年目だということは、まったく意識しておりませんでした。
でも、なんだか、『CAR OF THE YEAR』という出来レースっぽい
ヨソイキのイベントではなく、CARBOYならではの企画ができないか?

そういう『気運』があったのだと思います。

プライベーターというジャンルを切り開いていくなかで、
様々な人間が登場し、有名になり、全国的な存在になっていったわけですが、
なかでも、『白鳥雅人』という存在は、本当に稀少な存在であると思います。

といいながら、藤本は、白鳥くんの取材を、一度もしたことがありません。
当時、CARBOY編集部の同僚だった渡部くんが、白鳥担当(?)で、
ほとんどの取材は、渡部くんが行なっておりました。
ですから、白鳥くんの実体は、藤本的には知らないままであります。
いま、こういう風なホームページを作り始めて、
白鳥くんと連絡を取りたいと思っているのですが、
連絡先を知りません(笑)

コレを見ていたら、白鳥さん……連絡いただければ幸いです。

でも、直接知っていようがいまいが、

『白鳥雅人』は『白鳥雅人』であることは微動だにいたしません。

読者投稿ページである「プライベートチューンレポート(略称PTR)」からは、
全国規模で、様々なプライベーターが奇想天外な、そして奇妙奇天烈な
チューン方法を競い合ってきました。また、機会があれば、紹介していきたいと
思っておりますが、藤本的には『白鳥雅人』の前に『白鳥雅人』なく、
『白鳥雅人』のあとに『白鳥雅人』なし……いやあ、言い過ぎちゃいましたか〜(笑)

 

同様に唯一無二の存在だったのが、『○○○○○』であります。

『○○○○○』の前に『○○○○○』なく、
『○○○○○』のあとに『○○○○○』なし……こちらは言い過ぎでもなんでもありません。

ただ、ここで本名を明示すると、本人が再び図に乗ってしまうので、
ここでは伏せ字とさせていただきます(笑)

上のページでは、『○○○○○』さんに、後追い取材を行なっておりますが、
わざわざ聞くまでもなく、テキトウに、想像と誇張をまぶせて書いてもよかった
……というのが本当のところであります。

しかしながら、非常に個性的な存在というのが、このときには、
キラボシのごとく登場しました。そして、その後その牽引力は衰えることを
知りませんでした。

CARBOY2017は、2017年度の1月からスタートし、1年経っても続いております。
本年度からは、『CARBOY2018』として、新たなスタートを切ることになります。

そこで、一休宗純禅師の『狂雲集』という詩集に掲載されている一句を、
ご紹介して、本年度のご引き立てを、御願い……たてまつります〜。

 

門松は冥土の旅の一里塚

めでたくもありめでたくもなし

 



■ 今だから話せる秘話(笑) ■

↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


TOPへ戻る

↑イロイロな記事がありますので、
Contentsページをご覧になってくださいませ!