『PORSHEを抜く』という時代があった!?
1984年頃

昔は高値の華であったポルシェターボという存在に
王手をかけた国産チューニングマシン達


PORSHEは、長い間スポーツカーフリークのなかで憧れであり、
そして、一般人には、なかなかに手の届かない存在だった。
もちろん、フェラーリもあったし、ランボルギーニもいた。
だけど、ライバルというか、目標は常にPORSHEだった。

この撮影をした1984年というのは、CARBOYを創刊して3年目。
手探り、アシ探りで国産車のチューニング世界に足を踏み入れて、
次第に手応えを感じつつ、その実力が明らかになってきた頃だった。

L型改、13B改のメカチューンが、300馬力近い出力を発揮し、
PORSHEという『一般人には手の届かない存在』に、
勝負を仕掛け、そして、並び、追い抜いていく……そんな時代だった。

そういう意味では、PORSHEのドライバーは、可哀想でもあった。
いきなり国産車が、それも派手な排気音の改造車が、
つっかけてくるんだから(笑)

しかしながら、そんないい時代(?)は、それほど続かなかった。

メカチューン全盛時代に、ターボが登場し、それをモディファイした
ターボチューンが、加速度的に進化を遂げていくにしたがって、
PORSHEという存在は、見向きもされない存在へと変貌していった。
……ごめんなさい、PORSHEオーナーの皆様。

コンプレックスなんですよ。貧乏人の。
新車でPORSHEを買えない一般人の僻みだったんですよ。
でも、動力性能という面に焦点を当ててみれば、
日本のチューニングマシンというのは、とんでもない
進化を遂げてきたわけです。

いまじゃ、フェラーリやランボルギーニだけではなく、
ブガッティやベイロン、マクラーレン……と、なんとまあ、
とんでもないクルマが偏在するようになりましたが、
1枚1万円だったREハウジングを購入して、
リューターで穴を掘れば、掘っただけパワーが出てきた13BREや、
中古のクランクとバイクのピストンを流用したL型が、
そんなクルマと比肩する、いや、凌駕する性能を発揮するような
チューニングという『魔術』に夢中になった結果、なんです。

下の一枚の写真は、まさに、そういう時代の背景のなかで
撮影されたものである……が、真ん中のポルシェは、
どう言って借りてきたんだろう? 藤本の記憶にはありません。
たぶん、知り合いから借りたんだろうけど、


「抜かれるために貸してください」とは言わなかったはず(笑)

 


 

「RSヤマモトがチューニングしたVG30Zは、谷田部の最高速テストで、
257.7km/hを記録した。現在最速のVG30Zだ。T04ターボに、HKSの
排気バイパス、インタークーラーにFコン、デュアルスポーツの75φマフラーを
装着……というのがチューニング内容だ。このVG30Zに対して、RE雨宮チューンの
13Bサイドと、RSヤマモトL28改3.1Lをぶつけてみた……」

もはや、ポルシェは目標ではなく、台頭してきたターボチューンが、
それまでのチューニングNAマシンのライバルになってくる。
そういう意味を持った写真撮影であった。

ただし、写真をじっくりと見ていただければわかると思うが、


これは『合成写真』であります。

右ページと左ページは、2枚の写真であって、
真ん中で接ぎ合わせております。
だから、SAと130Zがそれぞれ1.5台分ずつ写っております。

ま、このあたりは交通事情ということもありますので、
ご勘弁いただきたいところですが、こういう撮影は、
基本的にゲリラ撮影で行います。

このときのカメラマンは檜山さんだったっけな?
撮影用のクルマのリヤゲートを開けて、
体にシートベルトをぐるぐる巻きにして、
後方に体を乗り出しての撮影だった。

カメラアングルを見ていただければおわかりのように、
ポルシェを挟んだ3台の並走写真は、かなりのローアングル。
どれだけ体を乗り出して、路面ギリギリのところまで手を伸ばして、
撮影したんだ? そんなことを思い出します。

別に、命がけというほどの危険を犯しているわけではないけど、
警察車両と遭遇していたら……大目玉を食らうことは確実。
そして、それよりも、締切に間に合わないという大失態を犯すことが、
怖かったというのが、本当のところかもしれない(笑)

 

 



■ 今だから話せる秘話(笑) ■

↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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