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3S-G TWINエンジン搭載の暴挙Z!

菅原克範(長野)

各エンジンに一基ずつのツインターボ、
インタークーラーはフロントが空冷式、
リヤが水冷式の異種格闘技状態Z!!


1995年12月 CARBOYゼロヨンに登場した オートザム野辺山ツインパワーZ を紹介!

 

実を言うと、このあと、ドライバー&ビルダーの菅原さんに連絡を取ろうと
何度か電話をしたのだが、通じなくて、そのままに……なっている。

もう、20年以上前のことになるので、もう、
そのままにしておいたほうがいいかとも思うが(笑)

ま、それはそれとして、菅原さんには、本当にすまないことをした。

この年の前、つまり1994年のCBゼロヨンにも、菅原さんはエントリーしていた。

たしか、S30Zの3.1Lメカチューンだったと思う。
記憶に残っていなということは、ごくごく一般的な仕様だったのだろう。

で、当日、FISCOのBパドックで、菅原さんに呼び止められた。
「あの、まだ、写真撮ってもらってないんですけど……」

「あ、そうですか、カメラマンが、いま回っているので、藤本が
撮っといてと言っていたと言ってくれますか?」

「わかりました……」

ま、当日は、パドックの配置から、ドライバーズミーティング、撮影の指示、
スタート地点での取材、タイムのチェック、トーナメント表の製作、
最終コーナーでバーンナウトしてるクルマの注意とチェック……とまあ、
いろいろとあるもんで、けっこう忙しくしておりました。

で、最後まで終了して、表彰式をやって、八重洲出版に帰って、
フィルムを現像に出して……受け取ったフィルム60本ほどを、
フィルムビュアーとルーペを使ってチェックしていくわけですが……。

ないんですよ。

菅原さんの写真が一枚もない。
パドックでの置き写真も、走行写真も、一枚も、ない。
「あっちゃーっ! なんで? どうして?」と思っても後の祭り。
ま、勘弁してもらおう。

結果として、そのときの掲載号では、菅原さんはいないも同然の扱いだった。

そして……1995年度の申込みはがきを読んでると
(だいたい2日はビッチリかかりましたね)
『昨年度は、普通のZだったので、写真も撮ってもらえないくらいでした。
今年は、ちょっと変わったZを製作中ですので、お楽しみに……』という
菅原さんからの応募がありました。

昨年度のすまなさを挽回するために採用したのですが、
CBゼロヨン開催当日、同じようにBパドックをチェックしていると、
なんだか、不格好なZを発見(無茶苦茶言うな〜)。
前後共にオーバーフェンダーが装着されているが、
そこからタイヤがはみ出している。

どうなってるんです? 

ちょっと変わったZというのは、コイツですか?
イカツイにはイカツイですけど……んっ? んんっ??
なんだか、変です。とっても変です。リヤにエンジンが搭載されてる。
それも3S-G? じゃ、じゃあ、フロントは空っぽ……じゃない。
こっちにも3S-Gが載ってるじゃないですか。
こいつは、ツインエンジン??????????????????

そうです。前年度の反省を込めて作ったのが、ツインエンジン仕様。
正直、痺れました。その熱意に。

パドックの参加者のうち、気がついた順に、このクルマのまわりに
集まり始めた。いや、いや、いや、ちょっと、これは……。
「フロントとリヤのアクセルの同期は……」
「ドラシャはどうなってるの?」
「シフトはどうやるんだろ」

まわりに集まったドラッグ野郎が、口々に疑問と批評を口にする。

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結果からいえば、このマシンはタイムアタックができなかった。
写真撮影のために、コースを流してもらったのだが、
前輪をフロントエンジンで、
後輪をリヤエンジンで駆動するという方式を実現するために、
アクセルリンケージを2方向にひっぱり、同じサイズの
ギヤ比で同サイズのタイヤを装着……おまけにターボ。

各エンジンに一基ずつのツインターボ、
インタークーラーはフロントが空冷式、
リヤが水冷式。仕上げはまだまだだし、
タイムに結びつくのかどうか?という見通しも
わからない。だけど、強烈なのだ。

自分の考える仕様のクルマを作る。
この意思の強烈さに、CBスタッフのみならず、
当日FISCOに集まったドラッグ野郎たちは感動した。

 

…………と、思い込んでいた。

しかしながら、三重のムラヤマR&Dの村山くんと話をしていたら…………。

「ああ、ごつかったな〜、あのツインエンジン。アクセルワイヤーが2本
あったもんね。あれは、凄かった」

「えっ? 村山くん、そのときに、FISCOに来てたっけ?」

「違うよ。中国自動車道で見たんや。ローダーに積んで、
いやあ、けったいなクルマやなと思ってたら、セントラルでじっくり見て、
そしたら、エンジンがツインやもんやから、ビックリしたんよ」

「えっ? 中国自動車道?? セントラル???」

「うんっ」

記憶というのは、歳と共に薄れていって、やがては消え去ってしまうものなんでしょう。

藤本としましては、あのとき、FISCOで出会ったきりのような、間違った
記憶を、ずっと20年以上持っていましたが、オートザム野辺山Zは、
『オートザム野辺山ツインパワーZ』と改名して、
セントラルサーキットに遠征をかけておりました。

1995年12月号で、立派に走っており……いや、キチンとは走れてませんが、
時間内にタイムアタックをしておりました。

ここに、謹んでお詫びと、訂正をさせていただきます。

 

 

 



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