国政流ショックアブソーバー理論&実践

オリジナルボックス(神奈川)

クルマを速く走らせるということは
楽しいことなのだ。そんな根本原則に従って
サスペンションのスペシャリストが贈る
国政流サスペンションSETUPノウハウ!!

 

CARBOY998年5月に掲載された、
オリジナルボックスのショックアブソーバー理論。

 

全開&過激チューンのCB誌上に、ここまで
ノーマル風なマシンが登場するというのは、
おそらく初めて……だろう。

しかも、ワゴン車である。どうしてこんなクルマが
CBに、それも巻頭カラーのトップに登場するのか? 
このあたりの事情を考えると、ただのノーマル風
インプレッサワゴンが、只者ではないということに
気づいてもらえるはず。

そうです。これからのCBのチューンの行方、
現在の飽和点を解消して、更なるハイレベルな
楽しみを得るための大きなポイントが、
このマシンには隠されているのだ。

前々月のCBに登場した国政流のMR2は、
ノーマルマシンの極限、というか、メーカーの
技術開発者がやり残した仕事を、現在のレベルで
やり直してみよう……そういうポリシーで
作られていたマシンだった。

で、今回紹介するインプレッサワゴンのチューンポリシーは
「素人さんなら、これくらいのセッティングでOKでしょ??」
というメーカー開発者さんが手を抜いたところを、
キチンと処理して、スポーツドライビングが可能な
マシンに仕上げること」であります。

ちょっとややこしいのでありますが、どんなクルマでも
市販車として考えられているために、コスト的な問題、
そのクルマの性格的な問題等が原因で、どこかで手が
抜かれているもんです。輸出仕様だとボディ剛性を
シッカリと考えるけれど、国内向けなら
「こんなもんで文句出ないっしょ」という
処置で発売されているというのが現状です。

だけど、本当に楽しく乗ること、スポーティに
クルマを操ることを考えている人間にとっては、
このあたりの処置というか、手抜き部分が我慢できないのです。

※以下、当時のまま掲載させていただきますので※
※価格、仕様等は変更されている可能性が大です※

                                                       ©八重洲出版 

「市販車には、一般走行を想定してテストが
繰り返されていますが、その会社、車種によって、
その程度は様々です。インプレッサというクルマは、
このレベルが非常に高いんですね。260馬力の
バージョン1、そして280馬力のバージョン2と、
ドンドンそのレベルは上がってきて、ここまで
必要なのか?と思うほど高いレベルでフィニッシュ
されているんです。現行車種は、ほぼ文句のつけようが
ありません。バージョン1のオーナーは、最新バージョンの
足を移植するだけで、市販車としては最高レベルの
フィーリングを獲得することができますよ」

だが、国政流は、ここから更なるステップアップ
というか、根本的な問題に取り組んだ。

ボクたちがショックアブソーバーのことを考えるときに、
避けて通ることのできないのが《減衰力》の問題だ。
ノーマル比で減衰力をどれくらいアップさせるか? 
つまり、これが強化ショックで、チューニング
するためには絶対に必要……ちょっと待ってほしい。
本当に、減衰力をアップすることが、サスペンションの
ポテンシャルをアップすることなんだろうか?

クルマを楽しくドライブするということは、
ピーキーな性能をギリギリで維持していくことではなく、
コーナーの入り口で、どこからでも入っていけるような
融通性、最初にコーナリングに入っていくときに、
ドライバーの意思を確実に路面に伝えるサスペンション、
これが楽しさの秘訣なのだ。

そのためには、ドライバーが何らかの動作を
起こしたときに(つまりコーナーに入っていくとき。
ここが一番ドライバーが仕事をしている部分なのだ)、
クルマの動きがしなやかで、しかもスムーズな動き、
十分なストロークが必要となってくる。

そのために国政マジックがこだわったのが、
ショックの初期応答性、そしてフリクションロスの
徹底的な排除だ。具体的には、ショックのフリュードを
ノーマルから、粘度を大幅に落として、温度変化が
ないものを特注した。というのも、ショックの
動き始めにひっかかったり渋かったりすると、
それが原因で、コーナリング中、コーナリング終了時に
どんどんと悪い影響が出てくる。

様々なショックフリュードを同じ状態でテストし、
減衰力以外の要素で、どのようにクルマの動きが
変わるかをチェックする。その結果、フリュードの
粘度を下げることで、劇的な変化が体感できるようになった。

ここで言う劇的というのは、本当に感じられる人間に
とっての話。乗ってみると非常に《普通の動き》なのだ。
なにも邪魔されない、どこもひっかかりがない……
本当ならここまでやって始めてスポーツ
ドライビングの基礎ができるのだ。

オイルだけではなく、ショックのアッパー部分の
シールのクリアランスも緩くした。通常、ロッドに
差し込むとその場で止まっていると思うが、
国政SPLシールは、力を加えずともスーッと下がってしまう。

ロッドとのフリクションを極力少なくして、減衰力調整は、
伸び側を0.1m/秒部分をノーマル比で20%程度アップ、
縮み側は0・05m/秒部分を50%ダウンさせてある。

この状態でいろんなコースを走らせてみると……
いいんですね〜これが。クルマが《普通に動く》と
いうのが、これくらい気持ちのいいものなのか?
ということがよ〜くわかります。乗ってて飽きない。

もう少し遠回りしてみたくなる……これが細部に
こだわった国政マジックの成果であります。
これまでの減衰力神話に真っ向から挑む
国政流サスペンション改造作戦、こりゃ凄いです!!


キャプ1 16w×5行
▼ちょっとわかりにくいかもしれないが、ショック
ボディのアッパー部分である。内部に緩めのシールを
セットして、フリクションを減少させる。
これがスムーズさの秘訣。
キャプ2
▼エンジンは全くのノーマル。パワーで速く走るのではなく
スムーズに動く足、しなやかで滑らかなサスペンションが、
楽しく走るために必要不可欠な要素となってくるのだ。
キャプ3
▼場違いのウッドステアリングである。国政さん曰く
「これだとシャカリキに攻める気持ちがなくなるから
……な〜んて。競技車とは違うという意識でウッドを
選んだんです」である。
キャプ4
▼目で見てもわかるように左側がSPLオーダーの
フリクションロス軽減用のショックフリュードである。
粘度も食用油と日本酒くらい違っている。
日本石油にオーダーした。
下のビデオは、「CARBOY2017」というタイトルで、
FRESH!アメーバ を通じてインターネット放映されたもののです。
また、そのアーカイブを、Youtubeにアップしたものです。
他にもイロイロと作っていきますので、よろしくご支援くださいませ。
Flash Playerが入っていないブラウザー&Android端末の場合は動画を見ることができませんので、
上のYoutubeボタンを クリックして見ていただけますよう、お願い致します。

 

MR2の記事に共鳴して国政BOX入り
FC3Sの限界を求めて更なるステップアップ!?

◆前回CBに登場した国政MR2の記事を読んで、
「これだ、ボクが求めていたのはこれだ!」と
一目散にオリジナルボックスにやってきたCB野郎が
谷口さんだった。それまでは、W10を履いたFC3Sを
駆ってサンデーレースでSタイヤ軍団を喰っていたのだが、
どうもクルマの限界が……自分なりにいろいろと
試したり悩んだりしながらセットアップを進めてきたのだが、
どうにも乗り越えることのできない壁の前で足踏みをしていた状態だった。
で、オリジナルボックスに来て、国政流のサスペンション&
ボディ哲学に触れて、それまでもやもやしていた部分や
よくわからなかった部分が、一気に解消。「まるで自分の
クルマが走っているときを知っているかのように丁寧に
間違いと方向性を示唆してくれる国政さんに出会えて、
本当によかったです。ボクのFC3Sがよみがえったら
是非報告しますから……」そう約束してくれた。
近いうちにCB誌上で、国政SPLマジックを施された
谷口FC3Sを紹介することができると思う。しばし猶予を!!

 



オリジナルボックス
〒252-0186 神奈川県相模原市緑区牧野5790-1
Tel 042-682-0890




 



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日本人初のパイクスピーク挑戦

  ノーマルのSW11 MR2解析
 

国政流ショックアブソーバー理論&実践



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