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痛車天国のこと

2018年 4月8日(お台場)

歌って踊れるイラストレーターの
尾登さんから、
痛車はイタ車ではなく、
痛い趣味のクルマだと
……教えてもらいました!

 

本当に、いいお天気だったので、
グランドアクシスでお台場までお出かけしてきました。

そこには「1000台集結するっ!」と豪語の
『痛車天国』というイベントが開催されていまして、
先日、八重洲出版の酒井社長から、
「藤本くんは、あまり興味がないと思うけど……」と
チケットをいただいたもので、お天気次第かな?と思っていたのですが、
あまりにもいい天気でしたんで、吉祥寺からお台場まで……。

昨年、『旧車天国』に行ったときとは打って変わって、
場外は、いたって静かでありましたね。

実は、痛車という言葉を聞いたのは、
7、8年前に、JDDAで仙台に向かっている途中に、
尾登くんが「あ、痛車ですよっ!」というので、
「えっ? イタ車のナニがおもろいの?」と聞いて、
「違いますよ、イタリアのクルマじゃないんですよ。
アニメとか、そういう方面の痛いクルマのことですよ」
とまあ、小馬鹿にされたことが初体験でありました。

その後、いろんなところで痛車というジャンルのことを聞き、
イベントが盛況なこと、オタクとはいっても、クルマオタクも混じっていて、
本格的なチューンをしたり、速い痛車もいること、
そして、その流行と言うか認知度が上がるにつれて、いろんなメーカーや
媒体でも、そいつを扱うようになったこと……いろんなことを知りました。



ま、藤本自身は、アニメやアニソンや、声優さんや、
フィギアやなんだかんだと、まったく興味はないんですが、
『アニメ』ということばを、『機械』だとか、
『精巧』だとかといった言葉に置き換えてみますと……。
完璧にオタクですね(笑)

特に、「小さいくせに精巧」だとか、
「クリアランスが絶妙」だといった類には、
まったくもって弱っちい性格であります。

そういう意味では親近感が持てるわけですが、
会場について、ウロウロと歩き回りながら、
三重のクルウチさんに電話をしました。
「JDDAの参加してくれるひとのなかで、
青いR34の女の子がいましたよね、まるりんちゃんでしたっけ?」
「違います、まるるんです(笑)」

以前、彼女のことで「痛車とコスプレを組み合わせていた」と
聞いたことがあって、「それは、凄いな〜」と感心したことを
思い出したからですが、会場内を歩きながら、
まるるん伝の痛車情報を聞いていると、非常に面白かったです。

曰く。

「最初の頃は、カッティングシートを手切りしてたんです。
いまみたいに、印刷やマシンカッティングもなくて、
ほとんど手作業で、その綿密さと再現性がポイントだったみたいです」

そっか、そうですよね。最初にターボをくっつけたときは、
ナニもわからずに、日産車のターボ用のカムを使って、
なんとか性能を出そうと四苦八苦してましたし、
ROMチューンが始まった頃は、日産のメーカーデーターを
辿りながら、手探りで2進法の数値をいじってましたが、
いまなら、3次元曲面だったり、効率的なインターフェースが
理解を助けてくれたり……そういうもんですよね。

会場内を歩いているうちに、ふと気がついたことがありました。
派手派手しいアニメデカールの痛車に混じって、
サイド部分、それもドア下部からリヤフェンダーにかけての、
デカールを採用したタイプです。

正面から見ると、一見普通。
でも、サイド部分は、躍動感のあるように考えられた
模様というか、絵柄が採用されています。

ま、地味好きな性格なもんで、ついついそう思ってしまうのですが、
CARBOYをやっているときの基本姿勢が、
『外観ノーマル風』でありました。

 

 

一般的に、雑誌というものは、おおむね派手好みであります。

というか、形として違ったものは、紹介しやすいんです。

だから、巨大なフロントスポイラーやデカっ羽根、
極端なオーバーフェンダー、カラーリング、
邪魔なまでのステッカーチューン……。

しかしながら、CARBOYの誌面では、
そういうクルマが登場することは稀でした。
ま、地味好みなんで、そういうことなのかもしれませんが、
ノーマルっぽく見えるんだけど、なんだか格好がいい。
ちょっとした車高の差、前後バランス、
わかる人間だけがわかる機能パーツの雰囲気、
エンジン音、排気音、走り出したときのスムーズさや
加速の違い、コーナリング姿勢の違い。

そういうもので『自己主張』したいと考えたからでした。

 

日本だけではなく、外国に、ヨーロッパに持っていっても、
シックで上質なクルマのいじり方というのは、評価の対象となる。
そう考えていたんですが、いかんせん、雑誌に掲載するとなると、
実車の雰囲気というものを伝えるためには、なかなかの困難度でした。

だから、文章と、写真の撮影方法を、一生懸命考えました。
そして、何分の一でもいいから、そういうものをお伝えできれば……。
そんなことをやってきたもんで、いろんなヒトからは、

「CARBOYに載ってるクルマって、地味だよね。
◯◯誌のほうが派手でわかりやすい!」

そんなふうにいわれたことは、数え切れません。

ま、いいんです。
趣味ですから。

  

 

そんなことを考えながら、場内を散策していたのですが、
フト気がついたことがありました。

ここにあるクルマのうち、エンジンがノーマル比率は、
相当に高いこと。クルマに手を入れるということの、
方向性が180度ちかく異なっていること。
サスペンションやタイヤといった機能部品も、
ドレスアップパーツとして考えられていること。

でも、共通しているのは、

自分のクルマに『注目してほしいっ!』

ということです。その方法論というかベクトルが違う。
だから、会場に来ているひとも、見るからにオタク感満載のひとから、
ごくごく普通のヒト、ちょっとだけ足を踏み入れたヒト、
でも、会場に展示したいと思って、申し込んだヒトというのは、
自分の感覚というか、感性みたいなものを知ってほしい。
そう考えているんだな〜。

以前紹介したことのある、オートザム野辺山Zですが、
彼は、最初のCARBOY0→400mにエントリーしたときに、
ごくごく一般的なL型改のエンジンにノーマルボディだったもんで、
カメラマンが一枚も撮影せずに終わったことに発奮して、
次の年には、3S-G改を2基搭載した『ツインエンジン仕様』を
製作してきました。

人間が、発奮して発揮するパワーというのは、それくらい凄いものがあります。
今回、会場の片隅で、非常に初期段階(ご近所でウワサにならない程度)の
クルマを展示したものの、近寄ってくるひとや、写真を撮るヒトがよりつかない
ケース……そういうものをいっぱい見ました。

でも、1日という時間をかけて、そういう体験をした人間が、
次回、どんな変貌を遂げるのか?
そういうことを想像しながらの『お散歩』は、
予想以上に楽しかったです。

 

下のクルマは、
会場内で見かけた、気になるクルマです。

派手なのは派手ですが、
こういうクルマもありかな?
そう思ってシャッターを切りました。

 

 


おっと、そうそう。
またまた思い出しました。
ドリフトのことを最初に考えたときに、
いまのように、みんながみんな上手にできるとは予想していなくて、

「リヤにションベンタイヤを履かせることから始めたら、
エンジンのパワーアップ等にお金を使わなくてもいいから、
誰でもが始めることができるんじゃないか?」

そういうことも、一つの要素としてありました。

痛車ジャンルでも、最初は誰でもが手を出せるところから、
始めることができるというのは、非常にポイントが高いと思います。

そこから、職人が出現し、スターを輩出し、スーパースターが誕生する。

そんな過程が、重ねられていくのかどうか……。

 

 

PS オマケです(笑)

 

☆痛車天国の模様……です


動画が見れない場合は、上のリンクのを クリックしてくださいませ。


 

 



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