絶対的な加速を競う0→400mや
0→1000mとは異なって、
中間加速を重視した100→200km/h
地味めなイベントだが、実際の
STREET仕様には、これが大切!!
100→200km/hと聞いて、「ピーンッ!」ときたヒトは鋭い。
そうです。100km/hというのは、高速道路の『巡航速度』
200km/hというのは、高速道路で『非常に速い速度』であります。
もちろん、これが100→250km/hでも、100→300km/hでも
いいのだが、そのあたりにいくと、チューニングの内容も費用も、
ひとけた跳ね上がってくるという悩みが生じてくる。
だが、100→200km/hというのは、非常にいいゾーンなのだ。
もちろん、200km/hがMAXスピードということではない。
だけど、加速領域を100→200km/hに絞った仕様というのは、
非常に現実的なチューニングプランだということができるだろう。
だけど……なのだ。
雑誌の企画としては、非常に地味っぽい。
100→200km/hと聞いて、ピンッ!とこない人も多いし、
最高速が300km/hオーバー!というような、派手な企画の
ほうが、一般的な読者受けはいい。
しかしながら、実際に自分のクルマをどうにかしようと
日夜目論んでいるヒトにとっては、この領域というのは、
現実的であり、なおかつ経済的にも優しい領域である
ということで、1990年に行われた100→200km/hの
SUPER STREET TESTだが、
その内容はといえば……記事の内容を再録してみよう。
©八重洲出版
◇ ◇ ◇
CB100→200km/h探検班は、午前2時の谷田部テストコースで、
これこそが100→200km/hカーだというSPLマシンを待っていた。
ボクたちの理想のクルマを追求するための、いろんなチェック方法が、
これまで何度も話し合い、血を吐き、骨を削る過酷なミーティングを通して、
決定された。それは、基本的には、スタンディングスタートからの発進加速と、
100km/hからの加速、ハーフスロットルからのレスポンス、低速での使い勝手、
そればかりか……エーッと、あとなんだっけ?というくらいに多彩な面で、
クルマをチェックしたいと思ったのだ。おっと、早くも深夜の闇を切り裂いて、
ヘッドライトの光芒が、続々と午前2時の谷田部テストコースにやってきたようだ。
テスト計器は、オノビットと呼ばれる超精密な野郎で、スピードや距離、タイム、
こんなものを一気に計測してくれるという、すんげえありがたい高性能野郎なのだ。
徹夜続きのCB100→200km/h探検班は、おにぎりとカップヌードル、そして、
ホッカイロとタイツに毛糸の靴下、ダウン……まあ、そんなこんなの重装備で、
バンクに消えていくマシンを見送る。そして、帰ってきたオノビットが打ち出した
データに目を通し始めると……な、な、なんたることか、メチャメチャ速いのだ。
各車のデータは、あとでゆっくりと熟読していただくとしても、そのときの驚きは、
オイルショックからこのかた、日陰の存在(?)だったスポーツカーの時代。
薄々感づいてはいたけれど、それがもう、こんなところまでやってきた……。
そんな驚きだったと思う。ひとにぎりの高性能マシンのものではなく、
誰もが手に入れることのできる国産マシンが多くなってきた。
そう考えると、背筋がゾクゾクしてきた……オッ、背中の
ホッカイロが、いつの間にかおっこってやがんの……。
◇ ◇ ◇
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