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観客熱狂度120%のお笑いドリフト大会

1992年8月号(中山サーキット)

鬼や〜ドリフトの鬼や〜!
同点決勝が続く最後の最後に
必殺『起死回生ドリ!』がでた〜

 

波乱万丈……と言えばいいのだろうか。
過激度MAXの中山サーキットは、
ドライバーの一挙手一投足が、
ほとんどギャラリー席から見渡されるので、
そして、それに加えて、メインスタンドの屋根効果で、
声援が声援を超え、熱狂が度合いをステップアップしてくる。

この戦いで、惜しくも同点決勝の末破れた出水田選手は、
先日、電話で話していたときに言っていた。

「そりゃもう、凄かったですよ〜、地下の通路みたいな
ところがあるんですけど、そこからもギャラリーの歓声が
響いてくるんですよ。もちろん、ドーム効果的な
直接的な歓声と相まって……そりゃあもう、凄かった〜」

異様な熱気と歓声のなかで行なわれた
1992年度の中山ドリコンGPの模様は、
当寺の記事を参考にしていただければ、
その熱狂具合を想像していただけると思います。

上のタイトルページには、コンクリートウオールに
よじ登り、フェンスにしがみついているギャラリーが
いる……って、本当は、サーキット側からすると、
こういう観戦はご遠慮願いたいという禁止事項。

しかしながら、ついつい、こういう1枚を
採用してしまうんです(笑)

CARBOY0→400mで、クルマを数人で押さえ込んでの
バーンナウト写真を採用するのと同じ……であります。

そういえば、後年JDDAを発足させて、
バーンナウトエリアで、マシンを押さえる行為を
禁止としたことがありました。

「バーンナウト中は危険だし、自力でバーンナウトできないマシンはダメ」

そういった規則を作ったときに、
イロンナひとから文句が出た。

「藤本さん、オレらはCARBOYに載ってた
バーンナウトの写真に憧れて、
ゼロヨンやってるようなもんですよ。
それを、ここに来てやっちゃいけないって……」

苦笑いしました。

おっしゃることは、本当にごもっともでございました。

おっと、話がそれましたが、いざ、中山熱狂ドリコンGPですっ!

   ◇       ◇       ◇

 

ともかく、この連続写真を見ていただきたい。
中山サーキットを埋め尽くしたギャラリーの
興奮度がお伝えできるのではと確信している。
職人芸クラスで5度の同点決勝を勝ち抜き、
トーナメントでもグイグイサイドドリを決めて
エンドレスさんのビッグプレゼント
「ハワイのドライビングスクール入門権」を
勝ち取った山本選手である。

ヘアピンを、長〜いワンハンドトリで
駆け抜けたラッセル山本は、ワンハンドのまま右に左に、
巨大なプロトスポイラーの付いたレビンを
振りまわしながら1コーナーに消えていく。
この時点で、ギャラリーは気が狂いそうなほどの
歓声を送っている。

そして、再びギャラリーの前に姿を現した次の韓問には、
ラッセルレビンのリヤタイヤは白煙を上げている終わり、である。
もうなにも考えずに歓声を上げるだけ、
手が痛いほど拍手をするだけである。

アッピール度は最高。

関西弁が叫ぶ「コイツはドリフトの鬼や〜!」

地味な素顔とはまったくの別人が、レビンを操っている。
そういえば、直ドリの卍もそうだった。
クルマに乗ると別人なのだ。

しかし、きょうのラッセルは地獄を一度だけ見た。
出水田ソアラと同点決勝を繰り返していたときだった。
2度目を走り整えた時点で、タイヤは限界にきていた。

これまでのように、思いきったサイドドリは絶対にできない……。
で、イキナリ正統派ドリにスイッチしたのだ。
『ミスはできない。それに、出水田んと同じ走りができなければ、
何度やっても勝負がつかない」
そう思ったラッセルの、いきなりの正統派ドリに、
ギャラリーはビックラこいた!
「……コイツ……こんな走りもできるやドリフトのや!」
慣熟走行時にも試みたことのない走りで、ラッセルは満点を出した。
「いつも、峠でタイヤが限界にきっとこうして走ろですけど、
決まってよかった......」下を向き加減に話すラッセル山本だが
……やっぱりコイツは、鬼や〜ドリフトの鬼や〜!

 

職人芸クラスは、あいも変わらず激戦区である。
去年までの「筑波の曲芸クラスを制したヤツが
グランドチャンピオン」というセオリーが、
ガラリと変わってしまった。

とにかく、職人芸クラスを勝ち抜くことが、
グランドチャンピオンへの最短の道なのだ。
だから、きょうの中山ドリコンでも、
職人芸で必死のバトルが繰り広げられた。

コーナーの遥か手前からサイドで豪快に流してくる
ラッセル山本に対して、出水田ソアラは
あくまでもドリプトの正統派で勝負をかけてきた。

コーナリングの一要素である、進入スピードなラインどり、
そして立ち上がりのコンビネーションで、
中山ドリコン職人芸クラスの同点決勝にコマを進めてきたのだ。

去年はローレルSGIXで、黒ドリ7と職人芸を競ったが、
今年はバッチリとチューンしたソアラで、
技に磨きをかけてのチャレンジだ。
なかでも、ギャラリーコーナーに次ぐ見せ場であ
る最終ヘアビンは、観客を総立ちにさせるラインどりで、
バッチリと魅せてくれた。

派手さではラッセルに一歩譲るものの、
渋さでは一枚も二枚も上手の出水田ソアラが、
最終ヘアピンで長いドリフトを見せ、
立ち上がりにセットされているクラッシュパッド
ぎりぎりをかすめながらのガッツポーズ……これは、職人芸です。

完全に狙ってるのだ。正確なアクセルコントロールと、
クルマの挙動を把握しているからこそできる「技」なのだ。
キレイなだけではなくて、迫力があるのだ。
ここが出水田のすごいところだ。

3度の同点決勝を終えて、水温トラブルで1回休みのあと、
思いきって勝負をかけた出水田の、4度目&5度目の
走りにミスはなかった。

最後の最後まで渋さと迫カで走り切ったんだけど、
心を鬼にした審査員の1票が、サイド系と

 

 

 

 

 

 




↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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