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『嵐を呼ぶ……ドリコン魂』

1991年08月号(中山サーキット)

色物DRIFT全盛の中山ドリコンGP
しかしながら、強烈な色物勢を
蹴散らしてしまった玄人好みの執念っ!!

『嵐を呼ぶ……ドリコン魂』 であります。

なんともはや、大層なタイトルをつけたもんです(笑)

しかしながら、そのえんがちょタイトルに続くリードには、
下記のように気合が入っております。

   ◇     ◇     ◇

徐々にではあるが、『ドリコン精神』とで言うべきものが
全国の峠に生まれつつあるようだ。
コイツは別に、CBがドリコンを始めたからできたとか
CBを中心にして広がり出した.........と言うほど、
CBはバカ野部ではない。
たかが雑誌が、ひとの心や流行を左右できると
自惚れるほど尊大ではない。
オレたちは、うれしいのだ。

走り屋さん連中が、ドリコンGPをひとつの
目標にしてくれること、
ウデを磨きながら走り屋魂も
磨いてくれていること、
そんな噂を聞くことができて、
メチャうれしいのだ。

たったひとりきりで、あるいは仲間といっしょに、
ドリフト走行を必死て練習して、ヨッシャ、一発見せてあげようか
......そういう心意気でドリコンGPにエントリーしてきてくれる。

 

ドリコンGPってのは、基本的には「一発勝負」である。
普段の走りは、ひとつのコーナーでミスっても、
次のコーナーがあるさで、ばん回できるわけだ。

だけど。ドリコンGPでは、満員のギャラリ一の前で、
バッチリのドリフトを披露できるか?
あるいは無惨なアンダー走行で泣きをみるか?
そういう緊張感がたまんないのだ。

自分の出番を待っているあいだはドキドキしている心が、
ギャラリーコーナーを迎えるころには、バンクしそうになってくる。

だけど、勝負を賭けるときは一気にバンク状態を超えて、
普段の自分じゃない自分が登場するのだ。
こいつは一種のドラッグである。

危険な匂いがプンプンするから、
全国の峠野郎がドリコンGPに集結するのかもしれない。

   ◇     ◇     ◇


こんな『嵐を呼ぶ……ドリコン魂』を制したのは、
四国の黒ドリ7、でありました。

上の写真を見ていただければおわかりのように、
黒ドリ7の走行ラインは、「速さ」とか、「迫力」といったもの
だけではなく、「ギリギリッ!」というものを、
徹底的に追い求めたものでありました。

クラッシュパッドがあれば、クラッシュパッド。
ガードレールであれば、ガードレール。
全開で進入してきたコーナーのアウト幅いっぱいを、
いつもギリギリでかすめていく。

ナンの意味があるんだ?

そうです。おっしゃるとおりです。
クリッピングポイントでも、脱出速度でも、
タイムアップに結びつくわけでも、
な〜んでもありましぇん。

ただただ、満場のギャラリーを、『アッ!』と言わせたい。

それだけなのであります。

 

この、ワケのわからないこだわりがなければ、
笑い命の畑中アルト、そして、超曲芸クラスの大田黒ラルゴといった、
曲者ぞろいの中山ドリコンを勝ち抜くことはできなかった……かも(笑)

とにかく、他のサーキットで開催されるドリコンGPとは異なり、
中山サーキットのドリコンGPは、『NAKAYAMAドリコンGP!』(なんのこっちゃ)なのだ。

走り、ドリフト、速度、迫力……どれも必要な要素であります。
しかしながら、『NAKAYAMAドリコンGP!』では、
もうひとつの要素が加味される。

笑いなのかもしれない、斬新さでもあるだろう。
ま、そういったものを一括りにして言うなら、『客受け!』であります。
異様なほどの入場者数が生み出す、満場の興奮感を、
満たすためのナニカが、必要になってくるわけです。

……ですんで、
このときのページ構成は、
優勝した黒ドリ7を先頭に、
笑い命の畑中アルト、そして、超曲芸クラスの大田黒ラルゴともに、
カラー見開き扱いでありました。

それだけの『客受け!』度が、両者にもあったということでしょう。
といいますか、『客受け!』するぞっ!! という気持ちというか、
テンションの高さというか、そういうものが、
ギャラリー諸君にダイレクトイグニッションした
結果なんじゃ……ないでしょうか?

当然のことながら、こんなことを狙っていると、失敗も多い。

大田黒ラルゴは、セッティングを変更した結果、
いまいちドリフトになってしまった。
その後にスタートした黒ドリ7は
タイヤの限界を超えてしまったせいで、
痛恨の大スピンをかました結果、
フロント大破損のリタイヤ状態に……。

しかしながら、その後、エンジンを再スタートし、
グッチャグチャになったフロントカウルを
ぶらぶらさせながら、再度ギャラリーコーナーに突入っ!

結果は、もう一度の大スピン。

だけど、そうじゃないのだ。
そんなことじゃないのだ。

行こうっ!とする意識。
やったろうじゃん!という気持ち。

そういうものが、ギャラリーにダイレクトイグニッションするかどうか?

それが……『嵐を呼ぶ……ドリコン魂』

 















 

 


 




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