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1990年第2戦は狂乱の中山SPL!

1990年08月号(中山サーキット)

内が興奮の坩堝と化す中山地獄
イケッ! イケッ!! イッテマエッ〜!!!
いやあ、サーキットって、こんなに興奮する場所?

 

初期のドリコンGPが開催されたサーキットは、
スポーツランド山梨、エビスサーキット、筑波サーキット等の
関東圏の開催場所と、年に一度の関西バージョンである
中山サーキットがあった。

後年、いろいろなサーキットやスペースを使っての開催が行われたが、
ドリフトの見どころや応援具合、勝負ポイント等、
それぞれのサーキットなりの特徴があるのだが、

中山サーキットだけは、独特の雰囲気を持っていた。


もともと、規模が小さめで、テクニカルコースレイアウトを持つ
中山サーキットだったが、ドリコンGPが開催されるようになって、
メインスタンドだけでは観客を収納することができず、
サブスタンドを増設してしまった……という逸話もある。

そんな中山サーキットで開催された二度目のドリコンGPだったが、
場内は熱狂の渦。というのも、メインスタンドには、屋根がかけられ、
その影響で、スタンド内の歓声や拍手、どよめきといったものが、
増幅効果をかけられたように、コース上に届くわけだ。

通常のレースや走行会では、
応援するドライバーに送られる声援といっても
それはもう微々たるもので、拍手喝采が起こるというような
事態を目にすることは、表彰式以外では見られない。

しかしながら、ドリコンGPという競技は、
走行中の声援、感嘆、仰天、拍手、大拍手というものが、
それぞれのドライバーの走行時に発生する。

そういう意味でも、特殊な競技だということができるだろう。

ドリコンGPを始めた頃、ギャラリーはどうやって
観客席で反応していいのか、戸惑いを見せていた。
そして、そのときに採用したのは
『ヒューッ! ヒューッ!!』作戦だった。

なんてことはない、ただ「ヒューッ! ヒューッ!!」というだけ(笑)

 

でも、これなら、誰でもが声を発することができ、
成功したときも、失敗に終わったときも、
はたまた感動っ!したときも、
同じ「ヒューッ! ヒューッ!!」で、
声の大きさや、イントネーションで、自身の感情を
表現することができる……そうです。

ドリコンGPというのは、走っているドライバーだけの
競技ではなくて、『見ている人間も参加する競技』でした。

 

なかでも、中山サーキットという場所は、
いや、正確を期すなら、ドリコンGPが開催されたときの
中山サーキットというのは、ある意味『異次元』でありました。

実際に、サーキットに足を運んだギャラリーの皆様なら、
この言葉が、実感としてわかっていただけると思います。
また、このときから28年という歳月を経ていながらも、

「ああ、あのときの、あの可笑しさはサイコーだっ!!」
と昨日のことのように思い出していただけるかもしれません。

ま、エントリーしたドライバーによる奮戦、
珍戦、アクシデント、気合いの空振り、不発の思い……。
いろんなものが存在したわけですが、
そういったものを圧倒的な笑いの暴力で吹き飛ばしてしまったのが、
『桜本源一的存在』でありました。

まったく、ドリフトのドの字もない走行でありました。
知らないヒトが一般道で見たら、酒酔い運転の極地か、
危ないクスリの効果が、最大限に発揮されている……と、
そう思う以外の解釈法はない走行でありました。

 

というわけで、あまりにもバカバカしかった思い出を
もう一度文章再録させていただきました。

せっかく華麗なドリフトを決めたエントラントの方々、
不本意な走行で涙をのんだ参加者の皆様方、
この『桜本源一的存在』のおかげで、
そういうものが霞んでしまったお詫びの気持ちを込めまして……。

 

  ◇       ◇       ◇

ダイナミックな人生である。
笑い命クラスというのをつくって、ほんとうによかった。
そう思わせてくれ「たのが、この桜本源一Zの登場だ。
ギャラリーは、彼がコース上にいる間、爆笑の渦。
とにかく、ドリフトがどうだとかこーだとかいった
問題ではなくて.......おっと、もっと具体的にご説明申し上げましょう。

まず、L型設を搭載したどピンクのZが、ギャラリーコーナーに突っ込んでくる。
みんな、何が起こるかとワクワクしながら注目していると、いきなり大スピン。
しかし、桜本源一は、それしきのことでは終わらない。

グルグル回りながらも、いつもアクセルは全開。
イン側の縁石にヒットしようが、乗り上げようが、
そんなことは、なーんもおかまいなし。

「ただひたすらアクセルを踏み、
どこへいこうがクルマがどうなろうが、
そんなことは桜本源一にとっちゃ「知ったことではない」のである。

だけど、ボログルマをもってきているわけではなく、
この日のために何日も徹夜して、やっとのことで
作り上げたマシンであることも知っておいてほしい。

とにかく、ギャラリーコーナーだけじゃなく、
ありとあらゆるコーナー(直線も彼にとってはコーナーである)で、
桜本源一は、満場のギャラリーを沸かせてくれた。

そして、である。最終コーナーにさしかかると、
ナニを考えたのか、もう一度どえらい大スビンをかましたあとで、
この「カッコウ」である。

もう、大爆笑である。

タイヤスモークがおさまらないうちにドアを開けて、
何をするかと思えば、いきなりルーフに駆け上り......ヘコヘコ体操である。

いっておくが、CBスタッフは、シモネタを否定すするものではない。
それどころか、このヘコヘコ体操を観賞しながら、涙が出るほど
笑い転げてしまったというのが実情である。

桜本源一はオモロい。そして、このオモロさは、
山梨ドリコンで恐怖の的だった三人トリオと、
どこか共通点が......でも、これだけ拍手喝采を
受けるってのは、やっば人徳(?)ですかね。


 




↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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