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10秒台に手をかけたNA DRAG!!

1990年11月号(FISCO)

ランナップスポーツZが持つ
NA最速記録を更新できるか?
プラベーターのDRAGチャレンジ!!



メカチューンのドラッグマシンが、フルスロットルでストレートコースを
カッ飛んていくときのサウンドは、徐々にはあるが変化している。
ピークパワーが上がってきたわけではない。エンジンのパワーが320馬力を超えてから、
ドラッグマシンは、パワーだけではなくて、もっと細かい部分、もうすこしレスポンスと、
すこし違った方向で成長を続けてきた。そして、いま、ようやくプライベートの力が、
10秒台を狙える地点にまで到達した。12秒台が出てから、L型メカがタイムを縮めるために、
ずいぶんと時間がかかっている。だが、ターボシンのタイム短縮のスピードとは、
まったく思う時間を使ってメカチーンが……こういう進むってのは、本物だと思う。
タービンをドッキングしたら、メチャメチャ速くなった。ブースト圧を上げれば、
面白いようにタイムが溜まってる。ターボは魔法のタイムアップパーツだった。

しかし、ターボチャージャーを装着しただけでタイムを縮めてきたわけではないことは、
みんなも知っていることだと思う。タイムの次元が変わっただけで、基本的なことは同じだ。
ドラッグレースのなかでのメチューンは、タイムではターボの敵ではなくなってきている。
同じ排気量で戦う限り勝てないことは初めっからわかっているのだ。
だが、それもカチューンにこだわる人種が、バルブサイズにこだわり、
ポートの形状による高回転域の変化に一喜一憂しながら、
じっくりとメカチューンをしてきた。
絶対的なタイムだけがすべてなら、ターボマシンだって
ファニーカーやトップフューエルには、かないっこない。
タイムの比較をする前に、そのマシンの限界、チューニングの可能性を探る、
そういう楽しみがあるから、メカチューンはターボマシンのなかで
やってこれたんだと思う。そして、ターボマシンとは違った
時間の流れのなかで、ホンのすこしずつタイムを縮めてきた。

サウンドが変わってきた。スタート時のダッシュ力は、
数年前のマシンとはまったく違う。シットアップしたとき、
エンジンが回転で回っているときの迫力……といろいろな変化を
楽しむことができるのは、相当にェッサーである。
エンジンのことがわかってないと、そして、ドラッグレースのことをわかってないと、
メカチューンの楽しさは理解できない。
いうなれば、意味性が非常に高いのだ。
そしてそこにメカチューンの面白さがある。
6年前にランナップスポーツZがマークした
L型メカチューンのタイムが11秒093だった。
いまではターボクラスで8秒をマークするようになった
このマシンの記録が、プライベートでメガチューンを続けてきた
オートカルザZによって塗り替られた……長い時間がかかった。
しかし、長い時間がかかっただけに、喜びは大きいし、
喜びに至るまでの時間が長いほど、楽しみも長く続くという考え方もある。

初めてL型のフルチューンマシンが登場したときは衝撃だった。
こんなクルマが街中を走っていいんだろうか?そう思ったことも事実だったし、
ターボの登場で、もっと過激に、もっとパワフルにと
速さの改元が変わってきたこと事実だ。
ボディはブル軽量、リジッドのデブは付いている。
でも、ドラッグマシンと表裏一体の様で、ストリートを
カッ飛ぶマシンがいることには、だれも異論がないだろう。
だから、ボクたちはドラッグマシンのことがこんなに気になるし、期待してしまうのだ。
メカチューンの進化は遅い。ジリジリしてくるほどっくりにしかタイムは上がらない。
ただし、この進化の遅さを楽しむことも、ドラッグレースの楽しみ方のひとつである。
一度でも自分のエンジンを開けたことがあったり、バルブやボートのことが
気になるひとなら、カチューンの進化を理いとは思わないはずだ。
時間の流れがゆっくりしているだけなのだ。

 

コクピットのなかでイライラは頂点に達した。
メカチューンにこだわって、ようやく納得できる
エンジンが、そしてサスペンションが、
いいバランスになってきたというのに、
エンジンのパワーを路面に伝えるミッションが、
次第に不機嫌になってきたのだ。
おまけに、それをカバーしょうと、
1速での出足を稼ごうと思っても、
タイヤはグリップ不足で、思うようには
前に出てくれない。RRCでは、10秒台を
マークしているだけに、何としても、
CBゼロヨンで、ランナップスポーツZの
記録は破りたい。そして同時にCB初の
メカチューン10秒台も......。

ヘルメットのなかで、山下選手のイライラは
徐々にその振幅を大きくしていく。
しかし、スターティンググリッドにつくと
すっかり消滅してしまう。
右足の先とエンジンの回転数が連動しているのだ。
神経は、その90%くらいが右足に集中する。
タイヤのグリップ不足も、2速ギヤが
タイムロスしていることも、ギャラリーに
とってはほとんど感じることはできない。
ギャラリーがEXノートやダッシュ力で
タイムロスを察知するくらいになると、
そのタイムロスは、致命的であることが多い。
だが、オートカルザZの場合、ギャラリーは
ほとんどタイムロスを感じることができない。
ドライバーにしかわからないホンのわずかの
…………これがメカチューンの面白さかもしれない。

 

       

 

   ◇       ◇       ◇

……とまあ、当時の記事を長々と引用させていただきましたが、
これには、『ワケ』がございまする。

上のページが、なんとも中途半端なものになっているのは、
対抗ページがないからであります。

そして、それどころか、
そこから7ページ分の記事が
……どっかに行ってしまいました。

いえ、正確ではありません。藤本のせいです。
このHPを制作するためには、当時の雑誌のホッチキスを取り除いて、
ある程度の分量ごとに裁断して、思いっきり掲載されていた
広告ページを省いていって……このときに、幻の7ページは、
広告ページと一緒に、ゴミ箱にお移りなされたのではないか?
そう考えております。ハイ。

単純なミスです。凡ミスです。取り返しのつかないミスです。

も、も、申し訳ありませんでした。

どなたか、1990年11月号を保管していらっしゃる方が
奇特にも、寄贈なんぞしていただければ、
欠落した7ページ分を掲載できるのですが、
世に、そんな奇特な方がいらっしゃるというのは妄想です。

あらためて、この『幻の7ページ』に掲載されていたはずの
方々に、お詫びを申し上げます。ごめんちゃい。

 

 



↑できるだけ、いろんな方に見ていただきたいので、
よろしかったら、お願いします。


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