日本独自のエンジンカスタマイズ
Dookys(東京)

これまで日本ではお目にかかったことが
ない、新しいジャンルが誕生しつつある
……エンジンルームのカスタム術!!

ふと、気づいてみると、込谷くんがいなくなってから、
そろそろ1年になる(2017年3月現在)
そっか、もう1年かぁ。

このHPを作り始めたとき、最初に作ったのが、このページだった。

CARBOYでは、あまりというか、ほとんどドレスアップの取材は、
行なってこなかった。自分自身では、外観ノーマル風という
ひとつのポリシーがあったからなのだが……それを覆してくれたのが、
Dookysのエンジンルームカスタムだった。

ま、込谷くんにしても、RISINGの伊藤さんや、溶接の内倉さんと、
共同でガレージを形成していて、それぞれがお互いに影響し合うという、
環境のなかから、いいところを取り合って、
結果を生み出してきたのだと思う。

2007年くらいのTuningPOWERS!のときに、
Dookys製作のクルマを一堂に会して、展示をしたことがある。

「藤本さん、オレんところのクルマ、こんなに展示していいんですか?」
ニヤニヤしながら、込谷くんが言った。

「うん、ええねん。込谷くんは、なんかを作り出そうとしてるねん。
まだ、だれもやったことのないジャンルを、生み出そうとしてると思う。
そやから、あるだけ出したら、ええねん」

本心だった。


藤本自身にもよくわかってはいなかったのだが、
『ピンッ!!』ときていた。

ヨーロッパでは、それほど盛んではないが、アメリカでは、
エンジンルームをドレスアップする手法が、盛んに取られている。
メッキパーツ、バフがけ、ステンメッシュホースの多用。

ギンギンギラギラのドレスアップと、スムージング手法を組み合わせ、
独自のアメちゃん文化が形成されている。だけど、アメリカンV8を
ベースにするのは、いいけど、そいつをそのまま日本に持ち込むのは、
どうにも、納得がいかなかった。

自分のクルマに関してもそうだった。カニ目を作り直したときに、
ホースがなかったのでステンメッシュホースを使ったが、
そのときもフィッティングはアルミ色のものにこだわった。

赤と青のフィッティングは、出口&入口の判断が瞬時につくという
メリットは理解できるのだが、どうも、自分はいやなのだ。
それは、日本という国に生まれてしまったせいなのかもしれない。

別に、自分にとって、『詫び』や『寂び』の精神が脈々と
受け継がれているわけでもない。
うちの先祖は、れっきとした百姓である(笑)。

だけど……違うのだ。どうにも、アメリカンなドレスアップには、
馴染めない。日本には、日本車には、もっとピッタリとくる
ドレスアップがあるはずだ。そう思い続けてきた。

そんなときに、込谷くんの作ろうとしているエンジンルームの
ドレスアップ(というのか、機能美追求といえばいいか)を見た。

『ピンッ!!』ときた。

ただし、下のエンジンルームの写真を見ていただければ
わかってもらえるかもしれないが、メッキパーツが多用されている。
そして、エンジンルーム塗装は、アメリカ風の艶のあるもの。

「込谷くん、正直言ってもいいですか?」

「また、怖いこと言うんでしょ(笑)」

「うん、なんかね、エンジンまわりで、純正部品使うでしょ。
で、純正部品って、半ツヤで仕上がってるよね。そやから、
スムージングされて、艶のある塗装と、メッキパーツとか、
アルミの質感とか、そういう構成パーツと、純正部品の
半ツヤって、ちょっとチグハグな感じするんやけど……」

「…………」

わかっている。わかってはいるんです。この仕事をするために、
どれくらいの時間をかけたか、何度やり直してきたか、
でも、あえて、言いました。どうしてかというと、
これから、新しいジャンルを切り開いていくスタート地点だと
考えたんです。これまで、日本国内では、誰もやっていない、
そういうものの萌芽を感じたので、言わずにはいられませんでした。

そのときのTuningPOWERS!に、並べられたDookysのマシン群は、
異様なオーラが感じられました。これまで見たことのない日本車が、
並んでいる。これから、そう、これからもっともっと進化していくと、
どんなに凄いものが見られるんだろう……そう思っていました。

ま、込谷くんが亡くなってしまったので、
その夢は頓挫したと思いました。

でも、先日、RISINGの伊藤くんのところのS30Zを取材したときに、
先般の話の続きをすることができたような気がしました。

「伊藤さん、このエンジンルームって、どんな色に塗るの?」
「艶ありですよ」
「あ……そ。前に、込谷くんに話したことがあるんだけど」
「藤本さん、あれは箱スカでしたよね。箱スカとS30Zは、
違うんですよ。こいつだったら、エンジンがスーッと浮き上がって
来るような感じになると思うんで……」

よく話を聞いてみると、コアサポートを取っ払い、バルクヘッドまわりの
余計なパーツをなくし、フェンダー部分の形状が……と、
伊藤さんなりに、いろいろな策を講じているようだった。

言われるまで、気がつかなかった。

そして、RISINGサニーは、伊藤さんが作ったこと、
小径パイプの補強溶接方法は、伊藤さんが考えたこと、
エンジン専門に20年やってこれたのは、込谷くんや内倉くんが
いたからで、ふたりがいないので、すっかり鈍ってしまった
自分の溶接の腕を上げるために、必死で溶接ばかりしたこと。

そんなことを聞きながら、一度は頓挫した夢が、ムクムクッ!と
再び頭を持ち上げてきた。エスコート方式の純正ホース使用の
渋さもいい。トップフューエルの中津くんのコツコツと仕上げる
方式もいい。だけど、以前はRISINGで一括りにしていた
仕事が、再び復活するという話には……ちょっとワクワクした。

とまあ、2017年度の込谷くん一周忌に、いろんなことを考え、
長々とくっちゃべりましたが、
当時のDookyeの仕事を記録しておきたいと思います。






時間と手間をかけて生み出すカスタムSPL
超絶のエンジンルームを目指して!!

dookeiis GC10●CUSTAM WORLDへの招待!!

久しぶりに痺れた! 独特のエンジンルーム作りでは、
もはや独走態勢にあると言われているRISING&dookeiis。
2007年度の新作として発信されたのが、今回紹介するエンジンルーム。
まず注目してもらいのは、エンジン&補機類ではなく、エンジンルーム本体。
よく見ると、異様にスムーズなことに気がつかれるはず。

これは、一般的な塗装ではなく、凹凸を埋め、スポット増しのあとを埋め、
微妙なパテ作業を60ヶ所以上にわたって施した
『スムージングペイント』が施されている。

使用されている塗料はアメリカ製のカスタムSPL。
製作は、以前CBでも紹介したカスタムペイントのKモーション。
濡れたような艶があり、曲面が滑らかな仕上がりだ。
ここに据えられるのは、L28改FULL TUNE。Vproに
よるインジェクション制御に、TWM社製50φ6連スロットル
&マニホールドがバフ仕上げ。

RB26DETTのダイレクトイグニッションを採用し、
スプリットファイアーのコイルを組み合わせているのだが、
そこに強度アップ用のパイピング処理されたアルミプレートで
カバーリング……とにかく細部にまで、こだわり、時間をかけ、
芸術的な仕上がりを目指した仕事が施されている。

なかでも注目したいのは、ブロック側にリジッドマウントされた
オイルキャッチタンク。このおかげで、カムカバー上部にある
ブローバイの取り出し口から、アルミパイピングで引きまわすことが可能になった。

燃料のデリバリーパイプ、アルミラジエターのシュラウド、
そしてブローバイパイプと、磨き込まれた渋い輝きが、
カスタムブラックペイントのエンジンルーム内で、シルバー系の
エンジン&補機類を浮かび上がらせている光景は、さすがというか、
驚嘆に値する。ただキレイなエンジンルーム、ピカピカと光った部品
……ではない。それぞれの部品が、非常に機能を満足させていながらも、
緻密なバランス感覚に支えられている。

 

このエンジンルームを実現するために、どれくらいの時間、
考え込んだだろう? 何度パーツを付け外ししただろう? 
どれだけ頭のなかでレイアウトを変更しただろう? 

レイアウト&実製作は、dookeiis込谷さんが担当。
エンジン製作はRISING伊藤さん、EXマニを始めとする
作りモノは内倉さん。それぞれが各分野のスペシャリスト。

エンジンルームを上から眺めると、6連スロットルの迫力の陰に
見え隠れしているクランクピックアップ機構、
45φ800o6-1集合EXマニ(これは継ぎ目なしの
シームレスパイプを使用している!)、シルバーのフィッティング、
ブラックアルマイト処理されたフィッティング……本当に
細かい部分まで神経が行き届いていることに驚かされる。

見える部品だけではなく、見えない部分を作り出すことに
こだわった結果、メイン&エンジンハーネスはフェンダー裏に
移動され必要なだけ引き出される。これが大きな効果を上げている。

ひとつひとつのパートを見ていくと、これまで行われてきた仕事が
ベースとなり、そこからもう一歩踏み出そうという意志が感じられる。
これまでのノウハウをベースにして、新しい題材を使って、
全体としてのレベルをワンランク上げよう。

欧米のカスタムビルダーがたどってきた道を、
日本独自の価値観をスパイスにしながら、
ジャパンメイドのカスタムを、新たに生み出そう
としていると思わずにはいられない!!

 

 


エンジン外観&補機類、そしてエンジンルームの
カスタム製作……そうとでも呼ぶしかない仕事を紹介しよう。
エンジンやマシンチューニングで有名なライジングの一画で、
このジャンルを専門的に担当しているドゥーキーズの込谷さんは、
以前からチューニングされたエンジンを搭載する方法論に
疑問を感じていた。

あれだけの手間とノウハウが注ぎ込まれたエンジンが、
クルマに搭載すると普通のエンジンと、ほとんど
変わらないのはどうしてだろう?

もっとカッコよく、パッと見てチューニングエンジンの
インパクトを直感することができるようなやり方は
ないんだろうか? ずっとそう考えていた。
自分の仕事としてやっている作業のなかでも、
少しずつ形状をモディファイしたり、
バランスを考えたり、細かなチャレンジは
ずっと行ってきたのだが……。

高校を出てから、整備工場、チューニングファクトリーと、
職業の方向を修正しながら、現在に至っている込谷さんだが、
卒業当時から乗っていたS30Zを素材にして、
自分の考えていることを、実際にやってみよう。
そう決意して、仕事のあいまを見つけながら、
コツコツと誰もやったことのない作業を開始した。

そうして足かけ3年の歳月をかけて完成したのが、
VH45エンジンをスワップしたV8Zだった。

ただ、大排気量のV8を搭載したというだけではなく、
エンジンルームは、これまで見たこともない仕上がりとなった。
もちろん、何度も、何度も、よく似たパーツを作り直した。

ロールケージがボディ側に接する部分、ここをBOX状にして、
スッキリとさせたい。そう考えて、作っては直し、
作っては直し……だいたい、ひとつの部材を
完成させるまで最低2回のやり直しが行われた。

そのせいで時間がかかったのだが、そのときの
ノウハウは、着実に込谷さんのモノとなっていった。

メーターパネルは、厚さ60o程度の無垢材を削って製作。
でも、メーターをセットしたときの角度が気に入らなくて、
やっぱり作り直し。余計なところで思わぬ誤算が生じる。

部品を固定するステー一本、止めるための
ボルト一本にどんな素材を使うのか? 
シンプルでカッコイイ形状はどんなものなのか?

作業のほとんどが試行錯誤だ。脳裏に思い浮かべていた
イメージと、製作した実物のイメージは、なかなか一致しない。
こうなるはず、こんな感じになるはず……だが、実物を装着してみると、
微妙なバランスに狂いが生じることがままある。

最初の作品であるS30Zが完成してからは、
多くのひとから賞賛の声があがった。「こんなの見たことない!」
「すっげえ!!」いろんな反応が嬉しかった。独りよがりじゃない、
自分の作ったもの、作ろうとしているものに共感してくれる人間がいる。

そのことが本当に嬉しかった。

これまで、自分はどんな仕事、どのようなジャンルを
やっていけばいいのか? 正直言ってよくわからなかった。
チューニング業界には、いろんなタイプがいる。

でも、自分のやろうとしていることは、誰も考えたことのない、
誰もやったことのない分野なのだ。当然のことだが、
他人から教えてもらうことはできないし、いちから
十まで自分で考え出していかなければならない。







 

そんなときに、込谷さんの製作したS30Zを見て、
「オレもこういう素晴らしいエンジンルームを実現したい!」と
言ってくれるお客さんが登場した。そして、テーマや方法論は、
込谷さんのセンスに任せるとも。

実際にかかる手間と、お客さんから貰う工賃は、
完全に収支破綻している。ま、それは承知で、
自分の作品を作らせてもらうという感覚で始めたのが、
2台目のS30Z改だった。

今度は、オーソドックスなL型がベース。
インジェクション仕様で、シックなエンジンルームを実現したい
という要望を意識しながら、クルマを眺めて、
眺める時間が始まった。この時間が、一番大切。
ほとんどの仕様が、ここで決定されていく。

込谷さんがエンジンルームをカスタムしていく手法には、
ある程度のパターンがある(というか、パターンを作り出してきた)。
ひとつの特徴は、色を絞り込むということ。これまでは、
ブラックとシルバー系のカラーを使い分け、その他の
色はできる限り排除する。

もうひとつは、アルミパネルの様々な応用。
ゴチャゴチャとした部分を覆い隠す役割と同時に、
見た目のバランスを生み出す役割を兼ねる。
当然、強度が必要な部分、これも、ただフラットな
パネル遣いではなく、デザイン要素として活用する。

ステーを始めとして、パイピング類に関しても、
手曲げ製作することで、つぶれがない曲げを実現したり、
どの部分を通過させるのか? ただ通すだけではなく、
他のパイプや部材とのバランスはどうか?と、総合的な
判断を行う必要がある。

余計な配線&配管を隠すということは、一般的に
行われていることだが、VH45搭載S30Z、
そして最新作である箱スカと、作品数が増えるほど、
その徹底ぶりに拍車がかかってきた。最初に蓄積した
ノウハウに加えて、次のクルマで得た知識、
考え出した方法論と、ドンドンとカスタムの
引き出しが増えてきたわけだ。

最新のノウハウとしては、オイルキャッチタンクを
ボディ側ではなくシリンダーブロック側にセットしたこと。
EXマニホールドの前方になるのだが、従来はデッドスペースと
されていたところを、合理的に活用することを可能にしたということ。
言われてみればなるほどなのだが、コペルニクス的転回と
いうことができるだろう。

込谷さんが製作したカスタム作品は、これまでいろいろと
紹介済みなのだが、

このように3台の完成車を並べてみると
……ひとつのラインが見えてくる。


機能とノウハウを注ぎ込んだエンジンを、どのように見せるのか? 
性能に裏付けされた外観は、非常に説得力がある!

 












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dookies
(東京)

…………dookies主宰の込谷さんは、2016年3月に永眠されました。
その功績を残す目的で、このページを掲載させていただきました。

 

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