OH感覚のNA TUNE作戦!! SR20DE改 STEP 2

NER(千葉)

CARBOY2001年6月&7月に掲載された、NERのSR20DEチューンプロジェクト。

 

 

 

CARBOY2001年6月号

ハイコンプ導入で50馬力アップの驚異的効果!!
東名パワードから発売される予定のSR20用鍛造



先だってお伝えしたSR20DE改のメカチューン計画がいよいよ発動します!
だけど、ただオーバーサイズのピストンを入れ、ロングストロークのクランクを組んで
ハイOK! これじゃCBのメカチューン魂が泣きます。トコトンまで取り組んでみたい
もっともっとエンジンのことを深く知りたい、そしてチューンの効果もハッキリ知りたい!!





フルカウンターのロングストローククランクを
使って大排気量NA計画を練っているというのは、以前からお伝えしてきた。

で、今回はその前哨戦(?)として、SR20DEをベースにした
いろいろなベンチチェックについてお伝えしたいと思う。
というか、強烈な発見と、その結果が実証されてしまったのだ。
東名パワードさんとの話のなかから、ノーマル状態のエンジンの
基本チェックをしたい……ということになったのだが、
まるっきりの中古エンジンのチェックをするのは不安があるし、
もう少し面白い話がないか?と考えていたときに、大発見パーツを見つけたのだ。

そいつは、上の写真を見てもらえばわかると思うのだが、
日産純正のハイコンプピストン。日産という会社は、ホント、
エンジンパーツの種類がいっぱいある会社なのだ。

同じSR20DEエンジンでも、PS13シルビア用とプリメーラ用では、
ピストントップの形状が違うし、同サイズでストロークが短い
SR16VEというエンジンには、4バルブの逃げを切ったハ
イコンプピストンが入っているのだ。
しかも、このハイコンプタイプにも2種類用意
されているという周到(?)さ。

今回チェックしたのは、圧縮比によって、エンジンの
特性はどう変わるのか? そして、組み合わせるカムによって
パワーはどうなるのか?ということ、
次号では、さらに細かい分野に分け入って報告する
つもりだが、今回のテストでも、本当にいろんなことが判明した。

まず、ベースになるエンジンの仕様について解説しておこう。
解体屋さんから買ってきたSR20DEエンジンは
PS13に搭載されていたもの。それほど程度は悪くない
ということで東名パワードさんが購入したもの。

これにパルサー用ハイコンプピストンを入れ、
0.6oのメタルガスケット、260度のカムを入れた……だけ。
もちろん、メタル合わせは行なっているが、
コンロッドもクランクもノーマル。
おっと、バルブスプリングは念のために
シングルタイプの強化品を入れてあります。

つまり、買ってきた中古エンジンと違っているのはカム、
バルブスプリング、ガスケット、ピストン、メタル……以上です。

このエンジン仕様に応じて、コンピュータのROMを
セットアップして、ベンチテストを開始した。
その結果、パワー差が50馬力、トルク差が3kgm……
ま、そのあたりは次のページから始まる比較チェックの
パワー&トルク曲線等を参考にしていただくとして、
高圧縮比というものが、NAチューンにとって、
どれほど大切なものかということが予想を遥かに
うわまわって実感することができた。

今後、2.2♀のロングストロークバージョンのテストや
製作に入っていくのだが、このパルサーピストンを使った
ハイコンプ仕様というのは、プライベートで
チャレンジする価値は……十分ありでしょう。

カムシャフトと高圧縮の組み合わせだけで、
これほどエンジンの特性が変化する。
NAチューンというのは、本当に面白いと思う。

それに、このパルサーピストンは価格が安いのだ(純正ですしね)。
ピストン1個の値段が3670円だから、1台分で1万6800円、
それにリングセット代金9890円を足しても2万4570円(!)。

東名パワードから発売されているSR20DE用のカムシャフトが
1本2万3000円、これを2本とコンピュータセットで9万8000円。
ウーン、シビれるじゃありませんか。
これだけの投資で50馬力以上のアップ。ターボモデルと
同等の出力を得ることが出来るというのは、ものすごいことですよ。
今後、このノーマルエンジンをベースにして、
いろんなテストを繰り返していく予定なので
(EXマニホールドの形状や、ポート研磨、バルタイ等)、
そいつを参考にして、SR20DEベースの格安&効果抜群
NAチューンを計画するのも……メチャ楽しいぞ~!!

 

ガスケットの厚みで圧縮比を変えてチェック

PS13に搭載されているノーマルSR20DEは、
その最高出力が140馬力/6400回転。
最大トルクが18・2kgm/4800回転と発表されている。
これに対してターボ付きのSR20DETは205馬力/6000回転。
最大トルクが28・0kgm/4000回転である。

その差は、パワー65馬力、トルクで9.8kgm。
これはデカイよ。似たような車重で、この差は本当にデカイ。
実際にストリートを走ってみると、この差がそのまま絵に描いたような
加速の差になる。まして、ブーストアップ等のチューンが施されていれば、
もっともっと大きな差になる。

だけど、なのだ。NAのままで200馬力近く、
トルクで3kgmほど出力が上がれば……その差こそあれ、
実際に走らせた場合のレスポンスや高回転領域の
フィーリング等、ちょっと迷うくらいに魅力的な
仕様になることが考えられる。

もちろん、今回は圧縮比とカムの関係での比較だから、
これが基本排気量が上がれば、もっとその差は縮まるはず。
ま、それはあとのお楽しみとしておいて、ここでは、
圧縮比の設定がNAエンジンに与える影響についてシッカリとチェックしたい。

今回使用したパルサー用のハイコンプピストンを組み込んで、
燃焼室はノーマルの状態で、圧縮比はどうなるのか? 
これには、使用するヘッドガスケットの影響が大きい。
まず試してみたのは、一番圧縮比が高くなる0.6o厚のガスケットだ。

ノーマルには、1.2o厚のガスケットが組まれていて、
ノーマルピストンとの組み合わせで圧縮比は9.5となっている。
これにピストン&ガスケット交換(0.6o厚)すると、静的な圧縮比は12・9となる。

この状態で260度12oリフトカムを組んでパワーチェックをしてみた。
約13という圧縮比は、ひと昔前の常識からいうとフルチューンバージョンの数値と言えるだろう。
だが、最近では、ホンダのS2000、トヨタのアルテッツァ等は
ノーマル状態で12中盤の圧縮比設定がなされている。
この理由として考えられるのは、エンジンパーツの精度の向上、
そして可変バルタイ、コンピュータの進化による細かい燃料
&点火セッティング……このあたりが高い圧縮比設定を
可能にしているのだと考えられる。

で、今回のベンチチェックでも、圧縮比12・9という設定は
けっして無茶なものではないという見解に基づいて、ベンチを回してみた。

その結果……いや、言葉で言うよりも、左の比較表を見ていただくほうが早いだろう。
ノーマルの性能曲線と、圧縮比設定12・9の性能曲線(カムシャフトは変わっているが)の差は、
強烈なものがある。

この時点でパワー的には50馬力、トルクでは平均して3kgm程度の差が出ている。
そして、ノーマルが落ち込み始める回転数が6500回転付近なのに対して、
圧縮比が上がったタイプは、カムの威力もあるのだが、7500回転でも
頭は打っていない。これはパワー差よりももっと実走行で効果を
体感できるところということができるだろう。

これは完全に圧縮比の設定が変わったおかげと考えていいと思う。
ポートも燃焼室も、まるっきりノーマルなのだ。
これまでのNAチューンといえば、圧縮比とその他の加工が
一緒になって始めて効果が出ると考えられていたが、
圧縮比だけでもこれでの効果が得られるのだ。

じゃ、本当に12・9という圧縮比が一番いいのか? 
もう少し低くなっても同じなのか? そんな疑問がわいてくる。
となると、やっぱり実際にチェックすべきでしょう。

ピストンを交換するという方法もあるが、ここで取ったのは
ガスケットを厚いものに変えるという方法。
ベンチ室のなかで実際にガスケットを交換して、他は同じ条件でチェックすることにした。

これまで使用していた0.6oのガスケットに代えて、
1.8oというガスケットを入れてみた。この状態で圧縮比は
計算上11となる。これで効果が変わらなければ、
次は1.2oのノーマル同等サイズ……だが、やはり圧縮比の差は結果に顕著に出た。

パワー&トルク共に、12・9のときとは大幅な開きが出てしまった。
詳しくは比較表を参考にしてもらえばいいと思うが、
5000回転を超えたあたりからのパワー曲線は大きく違ってきた。
これはトルク曲線でも同様のことが言える。

つまり、このピストンを使う限り、カムの作用角を上げても、
圧縮比が11では、12・9をうわまわることはできないということだ。
コンピュータのセッティング、そしてエンジンの耐久性等を考えると、
1.2oのガスケットを使うか、あるいは性能重視で0.6oのガスケット
仕様か?といったところに落ち着くだろう。

ま、それにしても、ノーマルの性能曲線と大きな差が出ることは確実。
そうなると気になってくるのは、カムシャフトとのマッチングだ。
こいつをもう少し突っ込んでみよう。

 

 

作用角270度カムでオーバー200馬力達成 

圧縮比の違いで、NAエンジンの性能がビックリするほど
変化するということが実証できた。
いまの時点では、ヘッド自体はノーマルのままだし、
吸入系もエアクリーナーだけを交換しているだけで、
ノーマルと同じ。EXに関しては4ー2ー1タイプのタコ足になっていると。

ま、こういう状態だが、これから2.2♀製作にかかる前に、
いろんなNAチューンの効果をひとつひとつ実証していきたいと考えている。

だから、圧縮比の次に、カムシャフトとのマッチングを
チェックしてみたいと思うのだ。というのも、
すべての順列組み合わせをチェックするというのは、
ちょっと不可能だし、なによりも無駄な部分が大きすぎるのだ。
NAエンジンをチューニングしていく場合、ある方向でテストをして、
その結果が出たことによって、それ以外のベクトルのテストは
無意味になってしまう……つまり、圧縮比が12・9と11を
比較した結果、12・9の方がよかった場合、10をテストするのは
無意味だし、それよりも11・5をやるほうがいいという結論が出るようなもの。

で、圧縮比のところでテストしたのは260度12oリフトの
カムを組んだ状態だった。この、260度というカムは、
ストリートにバッチリと言われているカムなのだ。

昔から使われていたカムというのは、どうしてだか
256度、264度、272度、288度といった作用角のものだった。
これはクランク角度に換算すると、4分の1にすればいいわけだから、
64度、66度、68度、72度ということになる。

キャブ仕様なら264度あたりがいいと言われていたのだが、
それは2バルブ時代の話。最近ではエンジンはほとんど
4バルブ化され、そのバルブ面積は大きくなっている。
そして、インジェクション仕様となり、コンピュータに
よる細かい制御と、点火コントロールができるおかげで、
作用角が小さくても大量の空気を送り込め、燃やせるようになったのだ。

そこで、秘かに囁かれているのが「260度がいい!」である。
オールマイティに使えるということもあるのだが、
高回転でもそこそこ、トルク感もあり、アイドリングも
安定している……で、最初から260度を組んでみたのだが、
ここまでパワーフィーリングの差が出るとなると、欲が出てくる。

260度を中心として、その上の270度、下の256度のカムを
組んでみて、その結果を出してみたいと思うのは……人情でしょ?

さ、というところで、ベンチテストの結論からいこう。
基本的に、エンジンはパルサーピストンを組んだ圧縮比設定が
12・9仕様のノーマルエンジン。カムシャフトのバルブタイミングは、
条件を同じくするために、IN110度/EX115度という設定にした。

で、テストベンチを始動したわけだが……256度がすべての面で
おちるというのは予想されたことだったのだが
(これが264度カムだったら、中回転域で256度が
勝ることも考えられたが)、270度カムの健闘は意外だった。

高回転域で270度カムが260度カムの性能をうわまわるというのは、
当然予想されたことだったが、4000回転付近からのトルク曲線が、
予想以上にいいのだ。そのまま5000回転、6000回転と、
それほど他のカムと遜色ないトルク特性を出してくれたのだ。

そして、グラフでは7500回転までのチェックを行なっているのだが、
それ以上の領域ではもっともっとこの差が拡がっていくことが予想できる。
NAチューンエンジンという方向性を考えると、
この後のおいしさは捨てがたいものがある。

今後、ポート研磨、燃焼室加工、そして吸排気チューンを
行なっていくことを考えると、270度というカムの可能性は
ドンドンと大きくなっていくからだ。ただし、テストベンチでは、
アイドリング付近のチェックができない(残念ながら、構造上そうなっているのだ)ので、
このあたりの確認はまだ取れていない。

ストリートで使用する場合に、アイドリング&その周辺の
フィーリングというのは重要なポイントになる。そのあたりが
レースエンジンと違って難しいところなのだ。

今回チェックしたカムシャフトの違いによる性能差は、
全開時だけではなく、パーシャル時のチェックも行なっている。
数値としては出しにくいのだが、全開時だけがよくて、
パーシャルはダメ……そういう片寄った取り方はしていないので、
ストリートで使うときと同様、そのうえで全開チェックを
行なっていると考えてもらっていい。

テストを終えた時点で、CB&東名パワードのスタッフ、
そしてNERの中島さんの協議を行なったのだが、260度と270度の
カムのどちらを使うのか?という結論は出なかった。
ここまでキチンとベンチで結果を確かめながらノーマルエンジンの
ポテンシャルを探っているわけだから、もう少し踏み込んで、
もっといろんなことをチェックしてみたい。
そういう欲求が高まってきたのだ。ポート研磨はどこまで効くのか? 
バルタイによって差は出るのか? EXマニの形状や長さで変化はあるのか? 
これまで確かめたくても確かめきれなかったいろんな要素を、
できる限り明確にしていきたい……ウーン、NAチューンってのは、
それも2000年仕様のNAチューンは、まだまだ確かめなければ
いけないことが山積みされている。

ということで、今回は圧縮比の変化とカムの組み換えによる
性能の差をお伝えした。次回を楽しみに待っていていただきたい!!

 

 

CARBOY2001年7月号

エンジンというのは、生き物である。本当にそう思わざるを得ない。
特に、自然吸気のNAエンジンは、ホンのちょっとしたことで変化する。
今回はSR20DEのパルサーピストン仕様をベースにして、エキゾーストと
インテーク、そしてポート加工によって素材がどう変化するのかをチェック!!

 

排気管のレイアウトで
性能はどう変わるのか?

いやあ、面白いです。自然吸気のNAエンジンに
秘められているポテンシャルを引き出すためには、
どうすればいいのか? そいつをテストしていくと、
これまで厚いベールに覆われていたNAチューンのノウハウが、
少しずつその姿をあらわにしてくるのだ。

前回同様に、ベースエンジンはSR20DEのNAエンジン。
ピストンをパルサーSR16EV用純正ハイコンプに交換したもの。

カムシャフトとメタルガスケットは圧縮比とテストのために
交換されているが、その他は全くのノーマル状態。
それで、前回は圧縮比12・9に270度カムを組み合わせて、
200馬力近くをマークしてしまったのだ。
純正のメーカー発表値が140馬力だから、およそ60馬力。

こりゃあ凄いですよ。そして、今回は、同じエンジンを
ベースにして、エキゾーストやインテーク関連の影響、
あるいはインテークポートの加工による変化を
探ってみようというもの。これまで囁かれていた
NAチューンノウハウの『常識』は、本当にホントなのか?

では、まずは、エキゾーストマニホールド(以下EXマニ)による
性能変化からチェックしてみることにしよう。
これまで言われていた『常識』では、EXマニのタイプによって、
高回転型と中回転重視が分かれるとなっていた。

つまり、4気筒エンジンなら、そのまま1本に集合する
4→1タイプが高回転型、一度2本のパイプに集合し、
再度その2本が1本に集合する4→2→1タイプは中回転重視
と言われていたわけだ。もちろん、ベースエンジンによっても、
チューン仕様によっていろいろなパターンはあるわけだが、
そいつを実際にチェックしてみると……左上の比較図を見ていただきたい。

基本となる仕様は、270度カムに吸気サクション長900oという状態で、
4→1と4→2→1を比較すると、4→2→1は、6000回転前後のパワーこそ
劣るものの、その前後の領域では、4→1をうわまわる性能を発揮してしまった。

いやあ、ホントにホントですか?

おまけに、これは7500回転までの比較だから、
それ以上となると、パワー曲線からして、その差
は拡がっていくことが予想される。

ま、これは今回のケースに限ったことかもしれないし、
9000回転以上という領域になればどうなるかということは
わからないので、これを結論とすることはできないのだが、
巷で秘かに囁かれていた
「4→2→1って、中間も上もいいんだよね~」という情報と一致するのだ。

なら……と勇んで、4→2→1タイプの中間部分(2の部分です)の
長さを変えてチェックしてみたのが、左下の図。
600oの排気管が集合する2部分の長さを100o/200o/300oと
してみたのだが、この結果は100oがベスト。

そして、排気と並んで重要な吸気関連のテストでは、
スロットル部分からサージタンクまでの距離(サクション部分ですね)を
変えてチェックしてみた。その結果は900oがベスト。
それよりも短い700o、長い1100oは、どちらも帯びに短しタスキに長し……。

というように、チューン度が低いSR20DEであっても、
その補機類のセッティングによって、様々な差が発生する
ということが確認された。そのエンジンの排気量、
そしてカムシャフトや圧縮比との組み合わせによって、
NAはパワーを発揮したりそうでなかったりと変化する。

もうひとつおまけに、レース界でよく使われるイカ足も
テストしてみたので、報告しておこう。

これは、通常のEXマニが4気筒なら1番と4番、
2番と3番シリンダーからきた排気管を集合させるのに対して、
1番と2番、3番と4番という組み合わせをするもの。
前者がの通称がタコ足だから、後者はイカ足……
ま、ネーミングはどちらでもいいのだが、このイカ足タイプは、
並々ならぬポテンシャルを持っている。だが、音が悪いのだ。
そして、コンピュータのセットアップが非常に難しい。
タコ足がエンジンの点火&排気に即したシステムだとしたら、
イカ足はコンピュータで完全補正するタイプ……う~ん、やっぱダメか。

 

ポートの段付き修整で
パワーフィール大変化??

おっと、先月お伝えしたように、ベスト性能を
叩き出したのは270度カムを組んだ圧縮比12・9タイプの
仕様だったが、そのアイドリングチェックの宿題は完了しました。
詳しくは下のカコミを参照してもらうとして、バルブタイミングを変更する
ことによって、アイドリングはクリア。そして、バルタイの変更によっても、
パワーフィーリングは様々に変化することが確認された。

そして、その次に気になるのが、ポートだ。
NAチューンといえばポート&燃焼室の加工が定番。
でも、どうすればいいのか? 本当に効果はあるのか?と、疑問は多い。

これにひとつの解を得たいと考えて、東名パワードさんの
協力を得て、フローベンチでのポート加工による空気流量の比較を行なった。

左上の図がその答えだ。バルブのリフト量の変化に伴って、
ポート研磨されたものと、ノーマル状態のものを比較したもので、
それぞれの効率を比較したものと考えてもらえば正解だろう。

バルブ開度が6o以上の領域では、ポート加工前と後では
比較にならないくらいの差が出ていることがわかるだろう。
結論としては「ポート研磨(段付き修整)は絶対に必要!」である。
具体的なポート研磨(段付き修整)の方法については、
今月の究極の技ページで解説しているので、
そちらを参考にしていただきたいのだが、わずかな加工でも、
最終的な差が大きいことが予想される。

同時に、シリンダーボアを変えることによって(ノーマル87φに対して88φ)、
燃焼室内のバルブ周辺のクリアランスが大きく取れ、
ここを滑らかに削ることで効率が上がることも証明された。
従来言われていたボアアップと同時に、バルブ脇の肉を
削ってR状にする……これもまた正解だということになる。

というわけで、ノーマルエンジン+α仕様のSR20DEエンジンの
基礎チェックは完了。今後の予定としては、実際にNAエンジンの
オーバーホール&パルサーピストン組み込みでどう変化するか? 
そして注目の2.2L仕様は?と進化していくから、今後をお楽しみに!!

 

 

 

NER(ナカジマ エンジン リコンディション)





 



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